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統計使いに騙されることなかれ - 塚崎公義 (久留米大学商学部教授)

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統計を見ると、米国軍人の死亡率は米国人平均より低いのです。でも、その統計に基づき「米軍は安全な所だ」と宣伝する人がいたら、問題ですよね。どうしてでしょう?

 これに似たような話は、身の回りに数多く見られるかも知れませんから、今回は、統計使いに騙されないための注意点について考えてみましょう。

サンプルの属性を考える

 これまで、因果関係や前年比など、統計を扱う際の留意点について述べてきました。今回は「統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく。だから統計使いに騙されないように注意しよう」という話をしましょう。

 最初は、冒頭の米軍の話です。米国軍人には、老衰で死亡する人はいませんが、米国人には多数います。そうです。安全性の問題ではなく、年齢が違うから死亡率が違うのです。こうした問題に対処するため、20代から50代の健康な男性を米軍から1000人、米国人から1000人集めて来て比較をする、といった工夫が必要です。

 調査対象の属性という観点からは、世論調査なども問題になり得ます。インターネットを用いた調査だと、調査のコストは安上がりですが、若者の声ばかり反映されて高齢者の声が反映されにくい、という問題が生じるでしょう。

 「電話番号を無作為に抽出して電話をかけて支持政党を聞く」という手法は問題が無いようにも見えますが、これも気をつけないと問題が生じます。たとえば平日の日中に電話をした場合、ビジネスマンは自宅にいないので、高齢者や専業主婦が主に回答することになります。そうなると、たとえば景気回復に力点を置いてビジネスマンに支持される政党は、福祉や介護に熱心で高齢者に支持される政党よりも不利になりかねません。

 どのように統計が作られ、調査が行なわれているのか、知らないと結果を読み間違える可能性があるのです。

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