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「アニメ裏シールズ」を秋葉原で、「お笑い裏シールズ」を大阪・難波で!!

■潜在化する人々

参院選が公示され、選挙戦が始まった。テーマ別には僕は、貧困問題や子ども若者問題や保育問題などに関心あるが、僕の仕事(子ども若者支援)に大きな意味で重なるテーマに、「すべての若者の声を顕在化するにはどうするか」というものがある。

もちろん、シールズ(SEALs)のみなさんに代表される、政治的な若者の動きには僕は関心ある。当欄でも、昨年の安保法国会の際は、当欄にできる範囲で考えてきた(「シールズ的熱狂」の限界、意識高い系は「闇」を知らない)。

僕は基本的には、若者の声が現在の政治に反映されることを歓迎する。そして個人的には、それが渋谷での大きな集まりだろうが(たとえばこんな集会→20160625 X JAPAN SUGIZOが応援!三宅洋平 選挙フェスDay4 渋谷ハチ公前「音楽に政治はNGなんて糞喰らえ!ロックは社会と共にある。」)、シールズ代表の奥田氏が出演するというフジロック・フェスティバルだろうが、若者の声が出るのであれば手段は何でもいいと思う。

が、僕が常に気になるのは、「潜在化する人々」のことだ。

何か「ムーブメント」が起こるとき、ムーブメントを引っ張る人々が現れ、そのリーダーたち中心にわかりやすい集団が形成される。

そして同時に、ムーブメントにくっついているはずのマイナーな存在が影に隠れていく。

この影にかくれていく人々を表す象徴的言葉として、哲学者のG.スピヴァクは「サバルタン」と呼んだ。これは、19世紀インドの最下層階級の人々のことで、そのサバルタン階層の男たちが亡くなった時に、サバルタンの妻たちは火葬の中に身を投じた。死んだ妻たちは花の名等の一般名で呼ばれ、その単独性(世界でただ一人の存在)さえ奪われる。

最下層として葬られる夫に隷属させられて殺される女性たち妻たちのあり方を、典型的「潜在性」としてスピヴァクは位置づけた。このサバルタンの潜在化は、マイノリティ問題を論じ解決していく時に必然的に伴う問題だとしたのであった。

■ミドルクラス若者か、文化資本補強型アンダークラス若者か

小難しい話はさておき、上に貼り付けた渋谷の集まりの映像などを見ても、若者たちは盛り上がっている。そしてシールズも今回も意気盛んだ。またよくわからないが、たくさんの有名人らしいキャラたちも登場し、シールズとともに、現政権の安保政策を中心に批判しているようだ。

ここでシールズ若者たちが補強する文化的武器は、アートであり音楽だろう。アートのことは僕はよくわからないもののそれなりにかっこいいし、音楽はラップやロック文化で補強されている(奥田氏はこうした文化的背景もあってフジロックに呼ばれたのだろう)。

渋谷は数万人の若者の群衆で埋め尽くされ、フジロックも苗場の山の中に何万人という若者を集める(旅費とチケット代を1年かけて何とか貯めこんだ/親のお金で余裕で払える等々の若者が混在→若者は、選挙にもフジロックにも行かない)。

前回の当欄では、このように「顕在化」できる/オモテに現れることのできる若者を、ミドルクラス若者か、文化資本補強型アンダークラス若者としてまとめた。

そして、ここには含まれない膨大なアンダークラス若者が存在し、それら彼女ら彼らの声こそがアンダークラスの最大勢力であり最大の声なき声、つまり上に書いた言葉でいうと「サバルタン」であるとした。

■アニメもゲームも一つの文化資本

社会学者のP.ブルデューは、経済階層の定義の中で、単なる経済的貧困以外にも、「社会関係資本(人々が社会的につながる社会資源)」や「文化資本」があるとした。文化資本は、モノ・習慣・学歴の3つに分かれるとする(たとえば僕の過去記事参照→モノや習慣、そして「居場所」で、階級社会を吹きとばせ!!)。

シールズが用いるアートや音楽は典型的文化資本だといえる。シールズ若者は東京の(あるいは関西の)有名私立大学に属する「ミドルクラス若者」であり、それをアートや音楽といった文化資本で支える。

また、私立大学に行けずアンダークラスの中で毎日アルバイトをしてフジロックに毎年参戦するアンダークラス若者は、アートや音楽(ロック・テクノ・ラップ等)で補強した「文化資本補強型アンダークラス若者」だといえる。

この2つの若者階層を中心に、シールズ的政治ムーブメントは成り立つ。

が、よく考えると、アニメもゲームも一つの文化資本である。

前回はアニメ若者を文化資本からは遠いとしてしまったが、Facebookお友達のご指摘もあり、アニメ好きなアンダークラス若者も立派な文化資本補強型アンダークラス若者だと僕は理解した。

問題は、なぜアートやロックが政治的ムーブメントになり、アニメやゲームや、もっというと、アンダー若者が好きな「お笑い」や「プロレス」といった文化資本はなぜ政治的ムーブメントになりにくいのか。あるいは、誰もそれらを政治的ムーブメントとして位置づけないのかということだ(この視点のヒントもFacebookお友達からのものです、ありがとう!! お友達たち)。

■「お笑い裏シールズ」のデモを、大阪・難波で

おそらくここに、シールズ的スモールサークル文化(一部の若者文化への政治主張の閉じ込め)から脱するためのヒントがあるように思える。

よく考えると、お笑いもプロレス(格闘技含む)も、その中の人々あるいはそれを論じる人々は十分に政治的でありラディカルだったりする。そして、そうした人々と、アンダー若者は、音楽とアンダー若者よりも親和性は高いかもしれない。

もちろん、一部のアニメも政治性は高い(「攻殻機動隊」や「エヴァンゲリオン」等)。そうした文化作品それ自体は、十分ムーブメントを補強する文化資本であることはできると僕は思う。

要するに、シールズとは別に、「アニメ裏シールズ」や「お笑い裏シールズ」をつくり、秋葉原や大阪の難波でデモったらいい。

それが、アンダー若者たちの潜在化を少しは防ぐことになると僕は思います。★

※Yahoo!ニュースからの転載

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