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- 2011年10月15日 01:30
「1.5%を守るために98.5%を犠牲にするのか」という主張をしている政府・民主党が見せる「0.01%を守るために99.99%を犠牲にする」という大きな矛盾
「TPPの慎重論、反対論の中には、事実に基づいた不安感と同時に、事実に基づかない議論もある。これを私は『TPPおばけ』と言っている」、「農業が心配だという議論で前に進まないことは許されない」。
民主党の「口だけ番長」が久しぶりに「絶口調」。1年ほど前の外相時代に、日本のGDPに占める農業の比率が1.5%だとした上で「1.5%を守るために 98.5%を犠牲にするのか」と発言した「口だけ番長」は、党内のTPP反対派を「反対勢力」に仕立て上げて強く牽制した。
「口だけ番長」の仰る通り、「農業が心配だ」という「感情論」で議論が進まないのは問題である。しかし、「11月のAPEC首脳会議までに一定の結論(TPP参加)を出す」という、野田政権の代名詞になりつつある「結論ありきのアリバイ工作議論」はもっと問題である。
さらに、「農業が心配だという議論で前に進まないことは許されない」という「口だけ番長」の発言は、政府・民主党として一貫性を欠くものである。
13日付日本経済新聞では、政府・民主党が、与野党協議で、自民、公明両党内での強いたばこ増税への反対論に配慮し、たばこ増税を除く復興増税案の検討に入ったことが報じられている。
支出項目はあやふやなものの、第3次補正予算総額は決められているため、当然の如く「たばこ税を増税対象から外せば所得税の増税幅は大きくなる」。それに伴って、日本経済新聞では「増税期間の延長論が強まりそうだ」と報じている。
ちなみに、葉たばこの2010年の販売額は542億円程度と、2010年度名目GDP(479兆1725億円)の僅か0.01%強に過ぎない。与野党協議で政府・民主党が、名目GDPの僅か0.01%を占めるに過ぎない葉たばこ農家を支持層に持つ自民党に配慮を示したことによって、所得税の増税幅が引上げられるという状況になって来ている。
TPPに関して「1.5%を守るために98.5%を犠牲にするのか」という主張をしている政府・民主党は、復興増税については「0.01%を守るために99.99%を犠牲にする」という大きな矛盾を犯そうとしている。これは、正しい行為や政策が「最大多数個人の最大幸福」をもたらすとしたジェレミ・ベンサムの主張と全く正反対の考え方であるだけでなく、菅前首相が唱えた「最少不幸社会」をも否定し、「最大多数個人の最大不幸」を目指す狂気の政策である。
こうした矛盾したことに気付かないところが、野田政権が「素人内閣」と言われる大きな要因である。そして、こうした矛盾を指摘もせずにスポンサーである大手企業に都合の良い「復興増税」「消費増税」を煽るマスコミの質の低さが、「素人内閣」の存在を可能にし、日本の政治力の低下を招いている。
14日に初会合を開いたTPPに関するプロジェクトチーム(PT)では、「農業が心配だ」という「議論」ではなく、「議論の進め方」で議論が進まなかった。「TPPを慎重に考える会」の会長である山田元農相が「(推進派が多い)役員構成を平等にして欲しい」と訴えたからである。
興味深いのは、PTの座長が「放射能うつすぞ」発言で辞任した、TPP慎重派であった鉢路前経済産業相だという点。
鉢路前経済産業相の辞任劇については、TPP慎重派であったことに加え、「総合資源エネルギー調査会」の原発推進派が多数を占める委員構成を、原子力政策に批判的な方も入れるよう委員の入れ替えを指示したことで、原発推進派の反感を買ったことが原因であると一部で報道されている。
元々TPP 慎重派であった鉢路座長が、推進派で固められているTPPに関するPTの役員構成を、経済産業相時代と同じように、TPPに慎重な意見を持つ人物を役員に加え「責任ある議論」をする姿勢を示すのか、それとも「役員の入替」「TPP慎重派」というトラウマからTPP推進派が多くを占める役員構成を放置して「保身」を図るのか、興味深いところである。
また、PT幹部が報道陣を退出させ非公開で会合を進めようとしたことに対して山田元農相が、「民主党らしくフルオープンで議論していただきたい」と声を荒らげたことも報じられている。
もし鉢呂前経済産業相を含むPT幹部が報道陣を退出させ非公開で会合を進めようとしたのであれば、それも問題である。何故ならば、鉢路座長は経済産業相時代、「総合資源エネルギー調査会」の議論について、インターネット中継を含め全面公開する方針も示していたからである。
TPPの議論でも、第3次補正予算の財源議論でも、「結論ありきのアリバイ工作議論」を国民の目の届き難い非公開の場で行おうとするドジョウ内閣の姿勢は「正心誠意」から遠くかけ離れたもの。
14日、時事通信社が7〜10日実施した10月の世論調査結果が発表された。それによると、野田内閣の支持率は前月比7.9ポイント減の42.2%、不支持率は同9.5ポイント増の26.8%と、内閣発足直後の「ドジョウバブル」が完全に剥げ落ちた格好。
民主党代表選の両院議員総会での演説で「このルックスなので、首相になっても支持率は上がらない。だからすぐに衆院解散はしない」というお得意の「自虐ネタ」で笑いを誘っていた野田首相。しかし、今回の世論調査での野田内閣を支持しない理由は「期待が持てない」の17.4%を最多に、以下「政策が駄目」 8.3%、「リーダーシップがない」7.3%である。この世論調査結果は、野田内閣の支持率の低下が「ルックスの悪さ」にあるのではなく「政権担当能力の低さ」にあるという、野田内閣にとって笑えない現実を突き付けた格好。
「能力」のなさを、「謙虚さ」でごまかそうとして来た野田首相。これまでその「謙虚さ」は財界や野党にのみ向けられて来た。その一方で、国民に対しては「増税論こそ責任ある態度」だと「傲慢な姿勢」を取り続けて来た。矛盾した一貫性のない発言と、国民の目が届き難いところで「結論ありきのアリバイ工作議論」を繰り返す野田政権に、国民は早くもそっぽを向け始めたようだ。
野田首相が「政権担当能力」のなさを、本当に「謙虚さ」で補おうとするのであれば、国民の目の届き難いところでの「結論ありきのアリバイ工作議論」は即刻止め、「謙虚さ」を国民に向けるべきである。
相田みつを氏の「政権担当能力のない首相が、それを謙虚さでごまかそうとしてもしょうがないじゃん…」という嘆きが聞こえて来るようである。
民主党の「口だけ番長」が久しぶりに「絶口調」。1年ほど前の外相時代に、日本のGDPに占める農業の比率が1.5%だとした上で「1.5%を守るために 98.5%を犠牲にするのか」と発言した「口だけ番長」は、党内のTPP反対派を「反対勢力」に仕立て上げて強く牽制した。
「口だけ番長」の仰る通り、「農業が心配だ」という「感情論」で議論が進まないのは問題である。しかし、「11月のAPEC首脳会議までに一定の結論(TPP参加)を出す」という、野田政権の代名詞になりつつある「結論ありきのアリバイ工作議論」はもっと問題である。
さらに、「農業が心配だという議論で前に進まないことは許されない」という「口だけ番長」の発言は、政府・民主党として一貫性を欠くものである。
13日付日本経済新聞では、政府・民主党が、与野党協議で、自民、公明両党内での強いたばこ増税への反対論に配慮し、たばこ増税を除く復興増税案の検討に入ったことが報じられている。
支出項目はあやふやなものの、第3次補正予算総額は決められているため、当然の如く「たばこ税を増税対象から外せば所得税の増税幅は大きくなる」。それに伴って、日本経済新聞では「増税期間の延長論が強まりそうだ」と報じている。
ちなみに、葉たばこの2010年の販売額は542億円程度と、2010年度名目GDP(479兆1725億円)の僅か0.01%強に過ぎない。与野党協議で政府・民主党が、名目GDPの僅か0.01%を占めるに過ぎない葉たばこ農家を支持層に持つ自民党に配慮を示したことによって、所得税の増税幅が引上げられるという状況になって来ている。
TPPに関して「1.5%を守るために98.5%を犠牲にするのか」という主張をしている政府・民主党は、復興増税については「0.01%を守るために99.99%を犠牲にする」という大きな矛盾を犯そうとしている。これは、正しい行為や政策が「最大多数個人の最大幸福」をもたらすとしたジェレミ・ベンサムの主張と全く正反対の考え方であるだけでなく、菅前首相が唱えた「最少不幸社会」をも否定し、「最大多数個人の最大不幸」を目指す狂気の政策である。
こうした矛盾したことに気付かないところが、野田政権が「素人内閣」と言われる大きな要因である。そして、こうした矛盾を指摘もせずにスポンサーである大手企業に都合の良い「復興増税」「消費増税」を煽るマスコミの質の低さが、「素人内閣」の存在を可能にし、日本の政治力の低下を招いている。
14日に初会合を開いたTPPに関するプロジェクトチーム(PT)では、「農業が心配だ」という「議論」ではなく、「議論の進め方」で議論が進まなかった。「TPPを慎重に考える会」の会長である山田元農相が「(推進派が多い)役員構成を平等にして欲しい」と訴えたからである。
興味深いのは、PTの座長が「放射能うつすぞ」発言で辞任した、TPP慎重派であった鉢路前経済産業相だという点。
鉢路前経済産業相の辞任劇については、TPP慎重派であったことに加え、「総合資源エネルギー調査会」の原発推進派が多数を占める委員構成を、原子力政策に批判的な方も入れるよう委員の入れ替えを指示したことで、原発推進派の反感を買ったことが原因であると一部で報道されている。
元々TPP 慎重派であった鉢路座長が、推進派で固められているTPPに関するPTの役員構成を、経済産業相時代と同じように、TPPに慎重な意見を持つ人物を役員に加え「責任ある議論」をする姿勢を示すのか、それとも「役員の入替」「TPP慎重派」というトラウマからTPP推進派が多くを占める役員構成を放置して「保身」を図るのか、興味深いところである。
また、PT幹部が報道陣を退出させ非公開で会合を進めようとしたことに対して山田元農相が、「民主党らしくフルオープンで議論していただきたい」と声を荒らげたことも報じられている。
もし鉢呂前経済産業相を含むPT幹部が報道陣を退出させ非公開で会合を進めようとしたのであれば、それも問題である。何故ならば、鉢路座長は経済産業相時代、「総合資源エネルギー調査会」の議論について、インターネット中継を含め全面公開する方針も示していたからである。
TPPの議論でも、第3次補正予算の財源議論でも、「結論ありきのアリバイ工作議論」を国民の目の届き難い非公開の場で行おうとするドジョウ内閣の姿勢は「正心誠意」から遠くかけ離れたもの。
14日、時事通信社が7〜10日実施した10月の世論調査結果が発表された。それによると、野田内閣の支持率は前月比7.9ポイント減の42.2%、不支持率は同9.5ポイント増の26.8%と、内閣発足直後の「ドジョウバブル」が完全に剥げ落ちた格好。
民主党代表選の両院議員総会での演説で「このルックスなので、首相になっても支持率は上がらない。だからすぐに衆院解散はしない」というお得意の「自虐ネタ」で笑いを誘っていた野田首相。しかし、今回の世論調査での野田内閣を支持しない理由は「期待が持てない」の17.4%を最多に、以下「政策が駄目」 8.3%、「リーダーシップがない」7.3%である。この世論調査結果は、野田内閣の支持率の低下が「ルックスの悪さ」にあるのではなく「政権担当能力の低さ」にあるという、野田内閣にとって笑えない現実を突き付けた格好。
「能力」のなさを、「謙虚さ」でごまかそうとして来た野田首相。これまでその「謙虚さ」は財界や野党にのみ向けられて来た。その一方で、国民に対しては「増税論こそ責任ある態度」だと「傲慢な姿勢」を取り続けて来た。矛盾した一貫性のない発言と、国民の目が届き難いところで「結論ありきのアリバイ工作議論」を繰り返す野田政権に、国民は早くもそっぽを向け始めたようだ。
野田首相が「政権担当能力」のなさを、本当に「謙虚さ」で補おうとするのであれば、国民の目の届き難いところでの「結論ありきのアリバイ工作議論」は即刻止め、「謙虚さ」を国民に向けるべきである。
相田みつを氏の「政権担当能力のない首相が、それを謙虚さでごまかそうとしてもしょうがないじゃん…」という嘆きが聞こえて来るようである。



