記事

党首討論/崩れた首相の言い分 対決点はっきり

2/2

戦争法

「日米の絆強くした」どころか

殺し殺される「血の同盟」に

 安倍政権が昨年秋に強行した立憲主義破壊の安保法制=戦争法。安倍首相は「お互いに日本を守るために助け合う同盟はその絆を強くした」と述べ、公明・山口代表は「日本の抑止力を高めて、さらに国際社会に貢献する制度をつくった」などと強弁しました。

 これに対し、志位氏は、戦争法が認めた集団的自衛権の行使とは、日本に攻撃していない国に、日本の側から武力行使することにほかならないと指摘。「アメリカのベトナム戦争、イラク戦争のような無法な戦争に日本の若者を駆り立てることになる」と述べ、憲法違反の戦争法は廃止するしかないときっぱり主張しました。

 さらに志位氏は、安倍首相が著書『この国を守る決意』で「軍事同盟というのは“血の同盟”です」「今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはない」と述べていることをあげ、「安倍さんは、この言葉通りに憲法解釈を変え、安保法制で集団的自衛権の行使を可能にした」「安倍さんは『日米同盟は希望の同盟』というが、安保法制によって『血の同盟』になったということか」と追及しました。

 安倍首相は、こうした志位氏の質問に正面から答えられず、「共産党は、自衛隊は違憲だというのに、災害出動はさせる、急迫不正の侵害では命をかけろ、というのはおかしい」などと、論点をそらして攻撃するのが精いっぱいでした。

 志位氏は「いま、問われているのは自衛隊をなくすかどうかじゃない。『専守防衛』の志をもってきた自衛官、被災地でがんばっている自衛官、これを『殺し、殺される』戦場に投入していいのかどうかが問われている。これはダメだということで野党は結束している」と反論しました。

 自衛隊について志位氏は「自衛隊は憲法違反の組織だと考えますが、この問題を解決するには、将来の展望として、国民の合意で段階的に自衛隊の解消をはかっていくことを提唱しています」と強調。「矛盾をつくったのは自民党政治ですが、その矛盾を私たちは引き受けて、9条の全面実施という方向で、国民合意で変えていこうといっています。これが共産党の立場です」と述べました。

 戦争法について、民進・岡田代表は「憲法に違反している疑いが濃い」と指摘。社民・吉田党首も「平和国家としての在り方を百八十度変えるものだ」と批判し、廃止を求めました。

憲法

争点化回避に躍起

9条改定の狙いくっきり

 改憲問題について安倍首相は「今の段階で、どこをどう変えるかを集約していないので参院選挙で問いようがない」などと述べ、争点隠しに躍起です。公明・山口代表も「国会での議論が成熟していない。ですから、今回の選挙では争点にならない」と、選挙期間中はダンマリを決め込む構えを示しました。

 これに対し、志位氏は「自民党改憲案を許していいかどうかは、今度の選挙の大争点です。ぜひ改憲ストップの審判を下していきたい」と強調しました。

 一方、首相は「次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」と発言。ただ、「憲法審査会でどの条文をどう変えていくか議論をする」と述べるだけで、どの条文を対象に改憲を狙うのかはあいまいにしようとしました。

 これに対し、志位氏は、首相が「お示ししている」と述べる自民党改憲草案には、戦力不保持を定めた9条2項を全面削除して「国防軍」を創設することや、集団的自衛権でも、海外派兵でもまったく無制限にやれる中身が入っていると指摘。「9条に手をつけないといえるのか」と追及しました。ところが、首相は「憲法審査会で議論していただきたい」というだけで「手をつけない」とは最後まで明言しませんでした。

 さらに、志位氏は、山口代表が“安保法制を通したのだから、9条改正は必要ない”との立場を示したことをあげ、「(首相も)同じ立場ですか」と追及。これに対しても、首相は「憲法審査会でしっかり議論していきましょう」と述べるだけで、9条改憲を否定しませんでした。

 志位氏は「今度の選挙で自民党を信任すれば、9条に手をつけることになる危険がある。そういう道を許してはいけない」ときっぱり主張しました。

 民進・岡田代表は「憲法の平和主義が変えられようとしている。昨年の安全保障法制の議論、そして憲法9条の改正論。これはどうしても認めるわけにはいかない」と発言。社民・吉田党首も「憲法を現実に近づけるのではなく、現実を憲法に近づけることが必要だ」と述べました。

野党共闘

自公「混乱呼ぶ」「野合」と攻撃

“大義で結束”“豊かな共通政策”

 安倍首相や公明党は、戦争法廃止の野党共闘に対し「安倍政権を倒したあとどうするのか。混乱を呼ぶだけだ」(安倍氏)として「野合」だと攻撃しました。

 これに対し志位氏は「野党が安保法制を廃止する、立憲主義を取り戻す、憲法改定を許さないと、そういう太いところで、大義で結束して安倍政権を倒す。これは当たり前のことです」と反論しました。

 さらに野党共闘は戦争法廃止や安倍改憲反対だけでなく、アベノミクスによる国民生活の破壊、貧困と格差を是正する▽TPP(環太平洋連携協定)や沖縄問題のような国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない―ことで一致し、15本の議員立法を共同提案、市民連合とも19項目にわたる協定を結んでいることをあげて、「野党共闘の中身は豊かになっている」「安倍政権に代わる選択肢をしっかり示している」と強調しました。

 そして野党共闘は「野合」どころか、「日本にとっての大きな希望です」と述べました。

 4野党からも「(安保法制は)どう考えても憲法に違反している」「横暴の与党を方向転換していくためにこの選挙で野党4党が勝利を得る」(民進・岡田代表)、「4野党は基本政策をすりあわせてたたかっているし、参院選挙は政権選択の選挙ではありません。野党が協力して選挙するのは当然のことです」(社民・吉田党首)、「野党が力をあわせて国民の期待に応えられるような集団になるべきだ」(生活・小沢一郎共同代表)との声があがりました。

 野党共闘で安倍政権を倒した後にどんな政権をつくるかは必ず問われる問題です。日本共産党は「戦争法廃止の国民連合政府」をつくろうと呼びかけていますが、まだ野党間の合意になっていません。

 志位氏は「合意がなくても、参院選の(選挙協力の)障害にしてはならない」と強調。参院選では政権交代は起こらず、政権が問われる選挙は次の衆院選だとして、「総選挙までに私たちとしては、話し合いを行って、前向きの結論を得たい」と表明しました。

 岡田氏も「これからの話し合いです」と述べました。

あわせて読みたい

「参院選2016」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。