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中国にどんな意図・思惑が?

南シナ海問題も議論の対象に
笹川平和財団に第2の日中対話

 日本財団の姉妹財団・笹川平和財団(SPF)に6月21日、新たな「日中対話:東アジアの海洋問題への協調的取り組みを目指して」がスタートした。SPFでは既に2013年から東シナ海の安全環境を海、空両面から議論する「日中東シナ海安全対話」が活動しており、2つの対話が並行して進められることになる。

 新対話は、SPFに対する程永華・駐日中国大使の“打診”がきっかけになったとされ、翌22日行われた記者発表では、フィリピンが中国を相手取って起こし、近く国際仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の裁定が出される予定の「南シナ海問題」も第一回対話で取り上げられた。

この問題で中国は「仲裁裁判所に管轄権はない」として無視する姿勢を打ち出しているが、日本は2000年にオーストラリアとニュージーランドの間で争われた「みなみマグロ事件」で中国と同様、仲裁裁判所の管轄権を否定しながらも、当事者として仲裁裁判所の審理には参加しており、こうした日中の対応の違いについて意見が交わされた模様だ。

南シナ海問題で中国はこれまで一貫して「当事国による解決」を主張し、頑なに第3国の干渉を拒否してきており、先行の日中東シナ海安全対話でも、南シナ海問題が議論の対象になることはなかった。民間レベルとは言え、中国側の今回の対応にどのような意図・思惑があるのか、今後の成り行きが注目される。

ちなみに新対話のパートナーは「中国南海研究院」。先行の「日中東シナ海安全対話」は「中国南海研究協同創新センター」。いずれも海に関する政府系のシンクタンクで、対話の中国側責任者は前者が呉士存・研究院院長、後者はセンターの朱鋒・センター執行主任。SPF側の受け皿も前者が「笹川平和財団海洋政策研究所」、後者が「笹川日中友好基金事業室」と異なり、事前に双方で調整の結果、2つの対話を並行して進めることになったと見られる。

メンバーは日本側7人、中国側6人の学者・研究者からなり、初の対話は「海洋への取り組み」、「海洋環境の保全」、「海洋資源の管理」、「海洋の安全保障と外交」、「協調的取り組みを目指して」の5つのセッションで意見を交換。寺島紘士・海洋政策研究所長は「双方が今後の協調的取り組みの方向を探ることで一致した」として、引き続き対話を継続する考えを明らかにした。

これに対し呉院長は「双方でナショナリズムが高揚しており、何かのきっかけで事故や衝突が発生すると深刻な状況を招きかねない。トラック2の学術交流を通じ危機をコントロールするメカニズム、ルールを構築する必要がある」、「そのためにも相互信頼の構築に向け信頼できる外部環境を作っていく必要がある」、「東海(東シナ海)は日本にとっても中国にとっても共通の海のふる里。双方の協力を強化する必要がある」などと語った。

ともに将来に向けた日中両国の協力を語っており違和感はない。ただし発表後、会場から出た仲裁手続きに対する質問に対し中国側は、仲裁裁判所に管轄権がないとする従来の姿勢を説明するにとどまり、新しい「何か」をうかがわせる言質はなかった。対話が今後、どう進むのか、期待を込めて見守りたい。(了)

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