- 2016年06月24日 11:29
東京五輪でイチローを見たい - 赤坂英一
2020年東京五輪に野球が公式競技として復活したら、〝世界最多安打男〟イチローが参加する可能性はあるのか、ないのか。日米通算でピート・ローズ氏の持つ大リーグ記録4256安打を上回り、メジャーのみの3000本安打達成も時間の問題となっている中、プロ野球ファンの興味は早くも「イチローが次に何をやってくれるか」に移っている。となると、最も気になるのはやはり、56年ぶりに日本で行われるオリンピックのグラウンドにイチローが立つのかどうか、ではないか。
50歳まで現役を続けたい
オリンピックイヤーの4年後、イチローは46歳になっている。マイアミ・マーリンズは「いたいだけいてほしい」と〝終身雇用〟を保証していると言われ、イチローもかねて「50歳まで現役を続けたい」と公言。いくら何でもそこまでは、という周囲の見方に反発するかのように、4257本安打を達成した後の記者会見でも、「ぼくは人に笑われるたびに目標を実現してきた」と強調していた。
MLBと選手会は以前からシーズン中に開催されるオリンピックへの選手派遣には否定的だ。12年のロンドン五輪以降、野球が公式競技から外されたのも、アメリカが世界最高峰のメジャーリーガーを参加させない方針を打ち出したことが原因の一つ。MLBが方針を変更せず、イチローが現役を続けるのなら、イチローの東京五輪参加は夢物語に終わる。
しかし、そのイチローの世界最多安打記録樹立と相前後して、ごく僅かではあるが実現の可能性が見えてきた。イチローが記録到達を目前にしていた最中、熊崎勝彦コミッショナーが渡米してロブ・マンフレッド・コミッショナーと直接会談。オリンピックへ大リーガーを派遣してほしい、と要請したのだ。
この席で熊崎氏は「各国がベストメンバーをそろえて熱戦を繰り広げれば、世界的野球振興につながる」と訴えたという。マンフレッド氏は競技日程が具体的になってないことを理由に明確な回答を避けたが、条件付きであれば協力を承諾するかもしれない。例えば選手個人が母国の代表チームに参加したいと主張し、メジャー球団が許可した場合は参加を認めるという折衷案なら十分考えられる。
野球の五輪復活が正式決定すれば、NPBはすぐさまその時点で最高の選手を侍ジャパンに招集する。06、09年のWBCにはジャパンのチームリーダーとして大活躍したイチローのことだ、そうした動きに無関心でいられるわけがない。そのときに現役を続けていればもちろん、控えの立場に追い込まれていたらなおのこと、現役最後の晴れ舞台と判断して東京オリンピックに臨むのではないか。
イチローは表向き、自分が日本のメディアにどう報じられているか、「一切見ていない」と言っている。が、これは方便だろう。イチローは今年、自分の成績について「第三者の公正な目で判断していただきたいです」と、舛添要一前東京都知事の苦しい言い訳をもじったコメントをしている。4257本安打達成の会見で日本で号外が出たことについて聞かれると、「そうなんですか。別の号外の話は聞きましたけどね」と、やはり〝舛添辞任〟に引っかけて笑わせていた。日本のメディアは抜かりなくチェックしているに違いない。
イチローのお茶目なTシャツ・パフォーマンスを見てみたい
そもそも、昨年日本でマーリンズ入団会見を行った際、「応援よろしくお願いしますとは絶対に言いません」と発言したのも、日本のメディアとファンの間で評判になることを周到に計算した上での演技だった。あの会見ではイチローが事前に、関係者を通じて代表質問者のアナウンサーに「日本のファンへのメッセージを」と質問するようリクエスト。それを受けてあのセリフを口にしたのだ。
その後、イチローはマーリンズのフロリダ・キャンプに「応援よろしくお願いします」とプリントされたTシャツを着て登場し、報道陣をあ然とさせていた。4年後の東京オリンピックでも、イチローのお茶目なTシャツ・パフォーマンスを見てみたいものである。
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