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「人望の薄い」人物が「ポスト菅」の「主役」になってしまう「国難」

「主役」の登場で「候補者乱立」がおさまるかに思えた民主党代表選挙は、立候補を目指す動きが続く混沌とした展開となっている。「脇役」に追いやられた野田財務相が出馬の意思を示した際には「大連立」「財政再建」が代表選のキーワードであったが、今では「挙党一致」に「主役」を譲る格好となっている。

マスコミが「主役」と持ち上げる前原前外務相の出馬表明でも「候補者乱立」に歯止めが掛けられないという現実は、「主役」の「人望の薄さ」を感じさせるもの。「脇役」に追いやられた財務相は「怨念の政治からの脱却」を掲げたが、表面化している「親小沢・反小沢」の陰に隠れているが、民主党内での「嫌前原」という「怨念」も想像以上に強いようである。

昨日「主役」と会談した「騙され易い元ペテン師」鳩山前首相は、「前原氏は、小沢氏との距離感を保ちながら、自分の思うような人事を行いたいという発想で、小沢氏も含めて挙党態勢を築こうという考えではないように思える」と批判的な発言をしている。「挙党体制」という言葉の薄さを見透かされて鳩山グループの支持取り付けに失敗しただけでなく、人物批判とも聞こえる言葉を加えられたところからも、「主役」の「人望の薄さ」と、「嫌前原」という「怨念」の深さが伺われる。

「候補者乱立」の状況のなか、「怨念の政治」の「陰の主役」かもしれない前原前外務相が、「表の主役」である小沢元幹事長に支援要請を行ったことがマスコミで大きく報じられている。そしてその扱い方は、何時も通り小沢元幹事長が「数の力」を誇示している、「復権に向けて負けられない戦い」という「反小沢色」を滲ませたもの。
候補者達は揃って「挙党体制」「怨念の政治からの脱却」を表明しているが、「親小沢・反小沢」という「怨念の報道」から脱却出来ないでいるマスコミによって、「候補者乱立」の民主党代表選は「政策なき権力闘争」と脚色され、政策論争が深まらないという悪循環に陥っている。

予想以上に「主役」の支持が拡大しないこともあり、「脇役」に追いやられた感の強かった財務相の戦闘意欲も上がって来ているようだ。野田財務相は25日、民主党の有志の議員が主催した会合で講演し、「言いにくいことも国民にきちんと説明し、政治を前進させることが政権党だ」と述べ、将来の消費税率の引き上げを含め、財政再建という課題に正面から取り組む考えを示したことが報じられている。

こうした報道を目にする度に違和感を覚えるのは、マスコミが「言い難いこと=増税による財政再建」と定義付け、「増税による財政再建=責任ある政治」「財政出動を伴う景気刺激策=無責任な政治」と決め付けていること。財政再建は「目的」であり、増税はそのための一つの「手段」でしかない。「目的」を達成するための「手段」は増税だけではない。国民のためという点からみれば、増税よりも景気(名目GDP)の拡大の方がBetterな選択であることは明らかである。限られた予算の使い道について全く提言せずに、オオムのように増税論を繰り返すマスコミの凋落ぶりは目を覆うばかり。

マスコミの硬直した報道姿勢によって、今や政治家にとって「言い難いこと」は、「増税」ではなく、「財政出動を伴う景気刺激策」を唱えること、「親小沢的立場」を表明することになっている。マスコミの硬直した報道姿勢によって、日本は自由闊達な議論がし難い社会になって来てしまっている。

民主党代表選の「主役」とされる前原前外務相は、立候補表明の席で「国難を乗り越え、新たな日本をつくるための先頭に立ちたい」と述べた。ご本人は「国難=震災」というイメージで発言したのだと思われるが、今日本が抱えている「国難」は、震災だけではない。「人望の薄い」人物が「ポスト菅」の「主役」になってしまう程の「政界の人材不足」と、硬直した報道姿勢で自由闊達な議論を妨げている「低次元のマスコミ」も「国難」であることを忘れてはならない。

民主党代表選挙の立候補者以上に注目を集めている小沢元幹事長は、24日の会合で「1週間足らずの中で、私どもは政権与党として新しい、菅代表、菅首相に代わる新しい代表・新しい首相をつくりあげなければならない」と述べたことが報じられている。「私どもは…をつくりあげなければならない」という表現から強い自負心を感じる他、「代表」と「首相」をわざわざ分けて、並べて表現したところが気に掛かるところ。「候補者乱立」による混沌とした情勢を打開する奇策が隠されているか、「総総分離」を描いているのか…。

予定通りで行けば、26日菅首相正式退陣表明、29日に新代表選出、30日新首相誕生となっている。日本は「僅か3日」という短い期間で「国難」を乗り切ることの出来る新しいリーダーを選ばなくてはならない。どこかの国の高速鉄道のように、早さを追求することで大きな事故を引き起こさないように願うばかりである。

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