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参院選が公示され日本史上に残る政治決戦の火ぶたが切られた

 本日、参院選が公示され、7月10日の投票日までの選挙戦がスタートしました。この選挙について、これまで私は「戦後最大の政治決戦」と言ってきました。
 しかし、それ以上の大きな意義と重要性があると思うようになりました。この選挙の結果いかんでは、これからの日本の進路が大きく変わるからです。

 日本の命運を左右するという意味では、「戦後最大」ではなく、「日本史上最大」と言っても良いような大きな決戦ではないでしょうか。
 過去の歴史においても日本の命運を左右するような決戦が行われ、その結果、日本の進路は大きく変わってきました。たとえば、源氏と平家が覇を競った源平の合戦があり、天下分け目のたたかいであった関ケ原の合戦があり、徳川幕府を倒して近代の幕開けとなった戊辰戦争がありました。
 いずれも、二つの大きな勢力が日本の進路をかけて真正面から激突しています。今回の参院選も、与野党に分かれた勢力が日本の進路をかけて真正面から激突する形になっています。

 このような対決の構図が出来上がったのは、戦争法制定などのアベ暴走政治に反対する大きな運動の盛り上がりがあったからです。それを背景に「野党は共闘」という声が高まり、市民に押される形で野党共闘が成立して新しい局面が切り開かれました。
 まさに、市民による政治変革の可能性が生じたわけです。ある種の「市民革命」であると言われるゆえんがここにあります。
 被支配層の怒りと異議申し立てが増大しただけでなく、支配層の側の綻びと統治能力の枯渇があらわとなって人々の行動力が高まりました。このような「革命」の条件が拡大しただけでなく、それが選挙への取り組みに結び付けられたという点に従来にない新しさが示されています。

 これ以外にも、今回の参院選では「初めて」というものが3つあります。その一つは18歳選挙権の開始であり、二つ目は野党共闘の成立であり、そして3つ目は改憲発議の現実的危険性です。
 新たに18歳と19歳が選挙権を得たために、約240万人の若者が投票できるようになりました。これらの人々にはぜひ投票所に足を運んで一票を投じていただきたいものですが、与党に投じたのでは何も変わりません。
 今の政治のあり方に不満を覚え、現状を変えてほしいと考えるのであれば、与党ではなく野党に投票すべきです。幸い、今回の選挙ほど与野党間の対決構図がはっきりしていて争点が明確になっている選挙はありませんから、選択に迷うことはほとんどないでしょう。

 このような明確な与野党の対立構図が出来上がったのは、野党共闘のお陰です。ただし、選挙前の討論会に出席した9党のうち、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党、新党改革の3党は野党ですが、その政策や主張からすれば与党の別動隊にすぎません。
 真の野党として、自民・公明に対抗できる政策と展望を示しているのは、野党共闘に加わっている民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎と仲間たちの4党です。この4党は市民連合とも政策協定を結び、参院選の32ある1人区の全てで統一候補を立てました。
 参院選では、1人区だけでなく複数区や比例代表でも、与党の候補者ではなく野党共闘に属する政党の候補者を当選させる必要があります。自民党と公明党の当選者を改選議席の半数である61議席以下に減らせば、文句なしに安倍首相の責任を問い、辞任に追い込んでアベ政治をストップさせることができます。

 たとえそうならなくても、最低限、改憲発議可能な参院での3分の2以上の議席の獲得を与党に許してはなりません。そのためには、自公だけでなく改憲に前向きなおおさか維新と日本のこころの4党の獲得議席を78議席以下にする必要があります。
 自民党は結党以来改憲を党是としてきましたが、国民投票法が制定されていなかったために実際には改憲を実施することができず、衆参両院でも改憲発議に必要な3分の2以上の議席を有することはありませんでした。しかし、第1次安倍政権での国民投票法制定と第2次安倍政権になってからの法改正によって制度的条件が満たされ、一昨年暮れの衆院選挙で与党が3分の2以上の議席を得て政治的条件の半分が実現しています。
 もし、参院で改憲勢力が3分の2以上の議席を得ることができれば最後に残されていた政治的条件の半分が得られることになり、そうなった場合には次の国会で憲法審査会を再開させて改憲に向けての動きを開始したいと、政党討論会で安倍首相は明言していました。つまり、今回の参院選は実際に憲法を変える作業を始めることができるという現実的な危険性の下で実施される初めての選挙だということになります。

 昨日のブログで、世界的な投資家のジム・ロジャースさんが「日本に必要なのは変化です」と言い、「私が10歳の日本人なら、両親を説得して日本を逃げ出すでしょう。なぜなら、新しいリーダーが出てこない限り、40歳になった時の日本経済は悪夢だと思うからです」と指摘していることを紹介しました。「悪夢」は「日本経済」だけに限られているわけではありません。
 戦争法の制定に次ぐ改憲によって、本当の「悪夢」がやってこようとしています。それがどのようなものかは、ユーチューブに流れている映像https://www.youtube.com/watch?v=h9x2n5CKhn8を見れば一目瞭然です。
 ここでは、衛藤晟一内閣総理大臣補佐官、長瀬甚遠元法務大臣、城内実外務副大臣、稲田朋美政調会長など自民党中枢の人々が「いよいよ、ほんとうに憲法を変える時がきた」「国民主権、基本的人権、平和主義の3つをなくさなければならない」「日本にとって一番大事なのは国体だ」「尖閣諸島を軍事利用しよう」などと叫んでいるではありませんか。このような目論見を許すかどうか問われているのが、今回の選挙なのです。

 歴史的な政治決戦となっている今回の参院選では、日本史上に残るような結果を出さなければなりません。「あの時、歴史が変わったのだ」と、後世の人々が感謝を込めて振り返ることのできるような結果を。
 「悪夢」のような未来ではなく、希望に満ちた未来を切り開くための一票を。それが可能なのは今を生きる私たちだけであり、そうすることによって未来を変えることができるのも私たちであるということを忘れないようにしたいものです。

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