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米国GDP鈍化が物語る「異様なほど不確か」を超える不確かさ

7月29日に発表された米国第2四半期GDP速報値は、驚くべきものであった。
驚かされたのは、発表された数値が年率プラス1.3%と、市場予想のプラス1.7%を大きく下回っただけでなく、第1四半期のGDPがプラス0.4%と、前回発表時のプラス1.9%から大きく下方修正されたこと。

もともと、米国GDP統計に関しては、欧州から「速報値」を中心に「立派に聞こえる数字として公表される」傾向が強いという批判があった。今年の英エコノミスト誌4月30日号に掲載された「経済統計:整形された米国経済」という記事の中では、下記の様な指摘がされていた。

2008年までの10年間に米国の四半期GDPの増加率が、最初に公表された推定値から最後に公表された推定値まで平均で年率0.5ポイント下方修正されたと試算している。
対照的に、ユーロ圏のGDP統計は、平均で0.3ポイント上方修正されていた。金融市場や報道機関は、速報値は重視するが、数年後の改定値はほとんど無視するため、これは重要な点だ。
より大きな議論を呼びそうな問題は、異なる測定方法がGDP成長率の国際比較をどの程度歪めているか、というものだ。10年前にはいくつかの研究が、米国が欧州諸国と同じやり方で国民経済計算を集計した場合、米国の実質成長率が0.25ポイントから0.5ポイントほど減少する可能性があることを示していた。

今回2003年まで遡って改訂されたGDP数値をみると、2007年第4四半期から2009年第2四半期までの米経済は、マイナス5.1%と改定前のマイナス4.1%から1%下方修正され、今年第1四半期GDP速報値の大幅下方修正と併せて、英エコノミスト誌の指摘が正しかった(実際にはエコノミスト誌の指摘以上)ことが証明された。

となると、今回発表された年率1.3%という第2四半期GDP速報値も下方修正される可能性を秘めているということになる。

成長率の鈍化と共に懸念されるのは、食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)価格指数は前期比2.1%上昇と、第1四半期の1.6%上昇から0.5% 上昇し、2009年第4四半期以来で最大の上昇率を記録したこと。発表された成長率と物価指数からは、「米国経済はスタグフレーションの入口に立っている」と言える状況。

米セントルイス連銀のブラード総裁は、第2四半期の経済成長率が市場予想を下回ったことを受け、「不透明なのは債務交渉で議会が期限の8月2日までに妥結できるかどうかだ」と述べた上で、「妥結できれば、そうした不透明感はなくなる」とし、「下期の成長加速に向け、情勢は改善している」という見通しを示したと報じられている。

しかし、「財政」が逼迫し、州・自治体の支出は前期比年率で3.4%減少し、連邦政府支出の非国防関連支出も7.3%減と大きく縮小(国防支出が7.3%増加したことで連邦政府支出は2.2%のプラス)するなかで物価が上昇している経済の原因を、難航する「債務上限引上げ交渉」に求めるのは無理筋である。

今回のGDP発表で明らかになったことは、QE2実施前の昨年夏、バーナンキFRB議長が「異様なほど不確か」と発言した時以上に、米国経済の舵取りが難しくなって来ているということだ。

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