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選ばれる責任と選ぶ責任

舛添東京都知事が辞任します。

一連の政治とカネの問題が原因ですが、ロッキード事件、リクルート事件と比べますと、公用車を別荘まで往復させた、スイートルームの宿泊、家族同伴公務に対する支出など、あまりにも対象となる問題がセコイ。 政治家の活動も、ゴシップも、そして世論も、寛容でダイナミックな時代と比べるとあまりにもセコイという感じもいたします。

政治家が不適切な事を激しく糾弾される事は当然の事です。 大きな問題小さな問題を問わずそのような対象であるという事は政治家の宿命です。 世論にとって興味の対象であるという背景からか、芸能人にプライバーシーが認められないのと同様の事かもしれませんね。 更に政治家は厳正なる選挙によって選ばれた代表者であり、税金で雇われている公僕ですから。

しかし、一連のムードに関して私は違和感を感じていました。 決して舛添知事を庇うものではありません。 電波や紙面をとおし、他の話題や問題に優先してここまで最優先報道することなのか? 他にも関心とするべきニュースはなかったのか? と、セコイ問題にばかり喰いつくムードが理解できませんでした。

世間の騒ぎに乗じ、「糾弾エンターテイメント」として視聴率を稼ぐ者が出てきますと、もう止まりません。 どのチャンネルを、番組を選択しても同じテーマ、同じ内容、同じコメント。 番組制作は楽なんじゃないかなぁと勘ぐってしまいたくなります。 加えて、我々視聴者も野次を飛ばしながら観客になってしまうものです。 参議院選挙という重要な局面にあって、地元でも「舛添はあかんなぁ」というお声に接しない日はありません。 「東京都民が選んだ都知事の事ですから静観しましょう」と皮肉ってもみるのですが、行く先々で同じ話になります。

私の違和感が抵抗感に変化した瞬間があります。 次の候補者は?と、ある番組の街角インタビューに答える人々。
「マツコデラックス~ぅ」
「北野武しかいないんじゃねぇ??」
「石原良純なんか面白そう」

ドン引きしました。

またまた「所謂・有名人」を論う。

インタビューに答えた方が東京都民であるならば、「懲りていない」ことの証です。 この展開には抵抗感を感じます。 こういう悪文化こそ日本を蝕む病巣です。 くれぐれも関わらぬよう自身を戒めたいものです。

当然の事ながら、政党が候補者の推薦に関して、かつてないほど慎重に対応する必要が有ります。 東京都知事選挙ともなれば知名度ある候補者を擁立したいという気持ちが先走ります。 仮に政策通であったとしても人口13,600,000人の分母にどう浸透していくのかを考えれば、ある程度の知名度は優先される必要があります。

また、都知事選挙は国政選挙ではありません。 議員を選ぶのではなく、首長を選ぶ選挙です。 首長は議員とは違い行政に対して圧倒的な権力を持つ立場にあります。 行政手腕を発揮できるか否かが最大争点だと思います。

折しも18歳以上にまで選挙年齢が引き下げられました。 それぞれの候補者がどんな政策を掲げ選挙戦に臨んでいるのかという事を、有権者が情報の目利きとなり、責任を行使してほしいと思います。

今の東京都には行政手腕が必要です。 多少の知名度劣勢でも、行政手腕を発揮できる人。 個人的には、今回の東京都知事には元官僚が相応しいと思います。

選ばれる責任と選ぶ責任。

この責任分担があらためて確認される必要があります。 立候補者陣営に課せられる責任は特に重い。 あらゆる事に優先して最大の責任があります。 候補者の個人的な「身体検査」は勿論、公約に対する経過・結果説明が必ずしも十分ではない事を、不断の努力で解決しなければなりません。 そして、選ぶ有権者もまた、これらに対して一蓮托生で緊張感を持ちつつ、厳しく監視しながら、常に伴走するぞという覚悟をお持ち下されば、世の中は確実に変わると思います。

激しくも冷静な判断が求められる時代です。 都知事選挙の前には参議院通常選挙。 我が陣営も6月22日から選挙戦に突入します。

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