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『熱狂宣言』小松成美著 - 著者インタビュー

大高志帆=文 原 貴彦=撮影

「外食業界の風雲児」の異名をとる、ダイヤモンドダイニング社長・松村厚久氏。ノンフィクション作家の小松成美さんが『熱狂宣言』で綴ったのは、彼の壮絶な半生だ。

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小松成美(こまつ・なるみ)
1962年、神奈川県生まれ。毎日広告社、放送局勤務などを経て、本格的に執筆活動を開始。真摯な取材に定評があり、スポーツノンフィクション、人物ルポルタージュに新境地を開いた。現在、高知県観光特使としても活動中。近著に『仁左衛門恋し』『全身女優 私たちの森光子』など。

「高知から都会を夢見て上京してきた青年が、飲食店経営のセオリーではありえない“100店舗・100業態”という偉業を成し遂げ、株式上場を果たすまでの企業小説的なパート。その陰で進行していく若年性パーキンソン病の闘病記としてのパート。読み物としては、2つの側面で楽しんでもらえると思います。ですが、松村さんは私にとって取材対象者でありながら、尊敬すべき経営者、そして友人でもあります。進行していく病状を間近に見ながら書き続けるのは、実は辛い作業でした」

プレッシャーで押しつぶされそうになった時期もあったという。そもそも、小松さんといえばイチローや中田英寿など、各界で“ものすごい”功績を残したスポーツアスリートのノンフィクションでよく知られている。なぜ、企業人である松村氏だったのか。

「きっかけは、松村さんからの執筆の依頼です。『パーキンソン病であることを小松さんの本で告白したい』と言われました。ベンチャー社長の挑戦の系譜はもちろん、自らの難病を告白し、少しでも同じ境遇の方々の力になれば、と考えている松村さんを前にお断りすることはできませんでした。松村さんは仕事に対してとてもストイックな方です。また、常に先頭に立ち全力でまわりの人を楽しませようとします。本にも書きましたが、愛さずにはいられない魅力がある方ですよ」

しかし、この本は松村氏を賞賛するだけの成功記ではない。特に、会社が倒産するかどうかの瀬戸際に立たされる場面などは、正直「危なっかしいな」と感じる方もいるはずだ。

「作家にすべてを委ねてもらうのがノンフィクションです。ですから、禁忌はなく規格外な部分や、辛酸を舐めた過去、ユニークな性格も隠さず書かせてもらいました。外食産業に入ったばかりのころの松村さんは、何もない野心だけを持った青年でした。しかし、常人にはできない努力と決断を重ねることによって、今のような成功を手にしている。どんな方が読んでも素直に『自分にもできる。頑張ろう』と思える一冊になっていると自負しています」

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