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参院選 安倍暴走政治の全体が問われる

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 参院選の争点について安倍晋三首相は「アベノミクスを加速させるか、後退させるかだ」と繰り返しています。「アベノミクス」の是非は大争点の一つですが、それだけに狭めるわけにはいきません。問われるのは、「安倍暴走政治の全体」です。どんな暴走をしてきたのか、改めて見てみると―。








(写真)戦争法廃止を訴えてデモ行進する高校生と学者たち2月21日、東京都渋谷区

安保法制=戦争法

立憲主義を根底から破壊

 「安倍暴走政治」の最大の罪悪は、安保法制=戦争法を国民多数の反対の意思をいっさい無視して強行し、立憲主義を根底から破壊したことです。

 戦争法には、(1)「戦闘地域」での米軍等への兵たんの拡大、(2)戦乱が続いている地域での治安活動、(3)地球上のどこでも米軍を守るための武器使用、(4)集団的自衛権の行使という、自衛隊が海外で武力行使をする四つの仕組みが盛り込まれています。そのどれもが、戦争を放棄し、戦力不保持を規定した憲法9条を乱暴に踏みにじるもの。

 戦後一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出さなかった日本を「海外で戦争する国」に変ぼうさせます。

 政治は憲法に基づいて行われる、国会の多数決でも憲法に反する決定を行うことはできない―。安倍政権は、この立憲主義の原理を公然と破壊したのです。3月29日に戦争法が「施行」されたいま、日本の政治と自衛隊の活動が憲法の外に出て行く異常な状況にあります。南スーダンPKOに派遣されている自衛隊に、「駆けつけ警護」や「妨害粉砕の武器使用」など新たな任務を付与する動きも強まっています。

 歴代自民党政府は、一切の戦力不保持を定めた憲法9条2項のもとで、自衛隊は「合憲」であると何とか説明するため、「海外での武力行使」や「集団的自衛権の行使」は許されないとしてきました。自衛隊は外国の「普通の軍隊」とは違い、海外で武力行使できない「自衛のための必要最小限度の実力」だと限定してきたのです。

 ところが安倍政権は、9条2項そのものの改定=明文改憲が難しいことから、憲法の「解釈」を百八十度変更することで、憲法の中身を破壊する禁じ手を使ったのです。米国との軍事協力の拡大が「必要」だといって、憲法を無視する政治です。国会の多数を頼みにした、まさに無法な独裁政治です。

 安倍政権は、昨年9月19日の戦争法強行後、野党が憲法53条の規定に基づき、臨時国会を開けと要求したにもかかわらず、これを握りつぶしました。

 さらに、高市早苗総務相は、政府が放送内容が政治的公平を欠くと判断した場合、テレビ局の電波を停止する可能性に言及し、報道の自由への介入を公然と示唆しています。いずれも立憲主義破壊の安倍政治の深刻なあらわれです。

●暴走語録

 「私は立法府、立法府の長であります」(安倍首相 2016年5月16日、衆院予算委員会)

 「憲法は権力を縛るためだけのものという考え方は古い」(安倍首相 2014年2月10日、衆院予算委員会)

 「法的安定性は関係ない。(集団的自衛権行使が)わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない」(礒崎陽輔・前首相補佐官 2015年7月26日、大分市内での講演)

共産党の対案
 戦争法への「平和的対案」―「北東アジア平和協力構想」
 1 北東アジア規模の「友好協力条約」を締結
 2 北朝鮮問題は、「6カ国協議」の枠組みで解決
 3 領土の紛争問題をエスカレートさせない行動規範を結ぶ
 4 日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省

アベノミクス

経済と国民生活を危機に

 安倍首相は、「世界で一番企業が活躍しやすい国」をめざすと宣言し、「大企業がもうかれば、いずれ家計に回ってくる」と言い続けてきました。

 確かに、「アベノミクス」は、大企業と大株主に巨額の利益をもたらしました。安倍内閣は露骨な株価対策や大企業減税を推進。大企業(資本金10億円以上)の内部留保は300兆円を超え、富裕層上位40人の資産総額は、4年間で7・2兆円から15・4兆円へと2倍以上も増えました。(『フォーブス』誌集計)

 一方で、「金融資産ゼロ」の世帯は、3年間で470万世帯も増加。実質賃金は5年連続でマイナス、5%も目減りしました。

 非正規雇用の比率は4割近くに達し、働く貧困層(年収200万円以下)は、1139万人。ところが安倍政権は、2015年に労働者派遣法を改悪しました。「生涯派遣」「正社員ゼロ社会」をつくるものです。

 安倍政権は、社会保障の「自然増」を4年間で1兆3200億円も削減。医療、介護など社会保障を連続改悪してきました。

 子どもや子育てに対する支援が先進諸国の中でも弱く、父母からは「保育園落ちた」の深刻な声が上がっています。自公政権が、低賃金と不安定雇用、長時間労働をひろげ、教育費、税金や社会保険料などの負担増など子育て支援に逆行する政策を進めてきたからです。学生には高い学費と奨学金返済の不安がのしかかっています。

 消費税増税路線の破綻も明らかです。消費税8%への増税後、日本経済の6割を占める個人消費は冷え込み続けています。GDP(国内総生産)の個人消費(実質値)は、14年度、15年度と連続でマイナスです。2年連続のマイナスは戦後初めてで、家計は悲鳴を上げています。

 追いつめられた安倍首相は、消費税10%の2年半「先送り」を表明しました。「アベノミクス」の失敗、消費税大増税路線の失敗を示すものです。ところが首相は、自らの失政は認めず、「世界経済の危機」に責任を転嫁し、「アベノミクスを加速させ、消費税を増税する」と増税路線に固執。「この道しかない」と叫んでいます。

 しかし、「この道」は、ほんの一握りの超富裕層には巨大の富をもたらすものの、国民生活全体を悪化させ、貧困を広げる道にほかなりません。

●暴走語録

 「『世界で一番企業が活躍しやすい国』を目指します」(2013年2月28日、安倍首相の施政方針演説)

 「まだまだ道半ばではあります」「この道を力強く前に進んでいこうではありませんか」 (2016年6月1日の安倍首相記者会見)
共産党の対案
 ●第1のチェンジ――税金の集め方を変える
 ・消費税10%は「先送り」でなく、きっぱり断念。富裕層と大企業への優遇税制をやめ、応分の負担を求める
 ●第2のチェンジ――税金の使い方を変える
 ・社会保障、子育て、若者に優先して税金を使う
 ●第3のチェンジ――働き方を変える
 ・ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールを

「経済」で選挙 終われば憲法破壊

3度目は通用しない

 安倍首相は、これまでも「アベノミクス一本」で選挙をたたかい、多数の議席を得ると、憲法破壊の政治を繰り返してきました。

 2013年7月の参院選では、「この道しかない」と「アベノミクス」一本やりで安定多数を獲得。選挙が終わると、秘密保護法の成立(同年12月)と、集団的自衛権の行使容認の閣議決定(14年7月)を強行しました。

 同年12月の総選挙でも首相は、「戦争を始めるなんてうそっぱちだ」といって、再び「アベノミクス」一本やりの選挙戦を展開し、自公両党で3分の2の議席を獲得しました。しかし、選挙後にやったのは、憲法違反の戦争法の成立強行でした。

 こんなやり方を3度も通用させるわけにはいきません。

 安倍首相は憲法改定について「在任中に成し遂げたい」と執念を燃やしており、安倍改憲を許すのか、戦争法を廃止し憲法を守りぬくのかは大争点です。

 日本共産党は、安倍暴走に確かな足場を持って対決し、政治を変える展望を示す党の躍進で、安倍暴走政治の全体にノーの審判を下し、チェンジの意思を示そうと訴えています。

TPP

「国会決議」無視で強行へ












(写真)2012年総選挙時の自民党ポスター

 安倍政権は、環太平洋連携協定(TPP)を結び、「日本が率先して動くことで、早期発効に向けた機運を高めていく」と暴走を続けています。

 2012年総選挙で「TPP断固反対」を掲げながら政権に復帰すると、「聖域なき関税撤廃が前提ではない」とウソをついて交渉に参加。自ら賛成した「国会決議」に二重に違反している協定を力ずくで押し通そうとしています。

 一つは、「国民への十分な情報提供」を求めた国会決議に反して守秘契約を盾に交渉の経緯を国会にさえ隠していることです。国会の要求で提出した資料も表題以外はすべて“黒塗り”です。

 もう一つは、国会決議が、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の農産物重要5項目を「除外」か「再協議」の対象とするよう求めたのに反して、重要5項目の28・6%の品目の関税撤廃を約束したことです。他の品目でも関税削減や特別輸入枠を約束し、“無傷”の農産物はありません。

 発効後7年たつと、関税が残った品目も米国など5カ国の要求で協議することになり、関税ゼロへのレールが敷かれています。さらに食の安全、医療、雇用、保険・共済、政府調達など、あらゆる分野で日本の経済主権を米国を中心とする多国籍企業に売り渡す協定になっています。亡国のTPP協定は撤回する以外にありません。
共産党の対案
 ●TPP協定の国会承認に断固反対。各国の経済主権、食料主権を尊重した平等・互恵の投資と貿易のルールをつくる
 ●農産物の価格保障、所得補償を強化し、安心して生産できる農業をつくる。食料自給率を50%まで引き上げることを目標にすえて、農林水産業を再生させる

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