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- 2011年04月27日 23:16
ギリシャが示した「デフレ政策による財政再建」の限界
欧州連合(EU)統計局は26日、2010年のギリシャとポルトガルの財政赤字が当初の想定より拡大したことを発表した。ギリシャの財政赤字の国内総生産 (GDP)比の実績値は10.5%と、同国政府の見通しである9.4%を上回った。ポルトガルも9.1%となり、同国政府の目標(7.3%)を超過した。ギリシャは2014年、ポルトガルは2012年に、EUの基準値(財政赤字の対GDP比率3%)の達成を目指しているが、財政再建が当初計画ほど進んでいない実態が改めて裏付けられた。財政赤字が対GDP比で政府予想を上回ったことについてギリシャ財務省は、「景気後退が予想以上に深刻だった」ことが原因だとする見解を示している。
ギリシャの財政再建策は、1)(全労働人口の約25%を占める)公務員の昇給と新規採用を3年間凍結&賞与廃止、2) 年金受給年齢を段階的に引き上げ&給付額を30%カット、3) 付加価値税の追加引き上げ(21%から23%に)、4) 酒税やたばこ税、資産税の引き上げ、という所謂「デフレ政策」。
しかし、「デフレ政策による財政再建」という目論見は、トリシェECB総裁が「景気は自律的と見られる回復局面にある」と認識を示し、2008年7月以来の利上げに動くユーロ圏の経済情勢下でも外れる結果となった。ギリシャが「デフレ政策」の副作用でもある「予想以上に深刻な景気後退」によって財政再建が計画ほど進まなかった事実は、財政再建を目指す日本に多くの示唆を与えるもの。
GDP 比で200%を超える公的債務残高を抱える日本でも、メディアを通した「サブミナル効果」もあり、消費税を筆頭に「増税」という「デフレ政策」で財政再建を図ろうとする「財政再建原理主義」の考え方が大勢を占めて来ている。「財政再建原理主義」に対する盲目的信仰は、東日本大震災の復興債の償還原資までも増税で賄おう、というところまで進んでいる。
「財政再建原理主義」が蔓延っている日本では、OECD(経済協力開発機構)が、「公的債務残高がGDP比で200% に達する財政状況への対応として『消費税率の20%相当までの引き上げが求められる』と警告を発している」というニュースは大きく取り上げられるが、景気が自律回復局面にあるユーロ圏でギリシャが「デフレ政策による財政再建に失敗した」というニュースの扱いは極めて軽いものになっている。ギリシャの財政再建が当初計画ほど進んでいないという「結果」は報じられても、ギリシャが「デフレ政策による財政再建を目指している」という「財政再建原理主義」に都合の悪い「原因/プロセス」と関連付けて報じられることは全くない。
「質素倹約」を美徳とする日本において、「デフレ政策こそが財政再建の唯一の道」という教義は受け入れやすいものである。しかし、「デフレ政策で財政再建を果たそうとしているギリシャでは、その副作用である景気後退により、計画通りに財政再建が進んでいない」という現実にも目を向ける必要がある。子孫に借金を残すことを避けるためにも、「デフレ政策によってさらに借金を増やしてしまう」というリスクをもっと認識しなくてはならない。
ギリシャの財政再建策は、1)(全労働人口の約25%を占める)公務員の昇給と新規採用を3年間凍結&賞与廃止、2) 年金受給年齢を段階的に引き上げ&給付額を30%カット、3) 付加価値税の追加引き上げ(21%から23%に)、4) 酒税やたばこ税、資産税の引き上げ、という所謂「デフレ政策」。
しかし、「デフレ政策による財政再建」という目論見は、トリシェECB総裁が「景気は自律的と見られる回復局面にある」と認識を示し、2008年7月以来の利上げに動くユーロ圏の経済情勢下でも外れる結果となった。ギリシャが「デフレ政策」の副作用でもある「予想以上に深刻な景気後退」によって財政再建が計画ほど進まなかった事実は、財政再建を目指す日本に多くの示唆を与えるもの。
GDP 比で200%を超える公的債務残高を抱える日本でも、メディアを通した「サブミナル効果」もあり、消費税を筆頭に「増税」という「デフレ政策」で財政再建を図ろうとする「財政再建原理主義」の考え方が大勢を占めて来ている。「財政再建原理主義」に対する盲目的信仰は、東日本大震災の復興債の償還原資までも増税で賄おう、というところまで進んでいる。
「財政再建原理主義」が蔓延っている日本では、OECD(経済協力開発機構)が、「公的債務残高がGDP比で200% に達する財政状況への対応として『消費税率の20%相当までの引き上げが求められる』と警告を発している」というニュースは大きく取り上げられるが、景気が自律回復局面にあるユーロ圏でギリシャが「デフレ政策による財政再建に失敗した」というニュースの扱いは極めて軽いものになっている。ギリシャの財政再建が当初計画ほど進んでいないという「結果」は報じられても、ギリシャが「デフレ政策による財政再建を目指している」という「財政再建原理主義」に都合の悪い「原因/プロセス」と関連付けて報じられることは全くない。
「質素倹約」を美徳とする日本において、「デフレ政策こそが財政再建の唯一の道」という教義は受け入れやすいものである。しかし、「デフレ政策で財政再建を果たそうとしているギリシャでは、その副作用である景気後退により、計画通りに財政再建が進んでいない」という現実にも目を向ける必要がある。子孫に借金を残すことを避けるためにも、「デフレ政策によってさらに借金を増やしてしまう」というリスクをもっと認識しなくてはならない。



