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「行政刷新担当大臣」が見せた「内閣特命担当大臣」の限界

菅首相と共に、めっきりマスコミで取り上げられることが減ったこの方の動向が、久しぶりにメディアで取り上げられた。蓮舫消費者相は9日、福島市のJA農産物直売所を訪れ、農業関係者らから震災被害について要望を聞くと共に、用意された福島県産イチゴを食べるという菅首相譲りのパフォーマンスも見せ、「市場に出回っているものは食べて大丈夫」と、安全性をアピールした。勿論防災服の襟を立てる自慢のファッションスタイルで。

しかし、生産者らから出された「原発事故による風評被害を払拭してほしい」「福島の農産物は安全だと全国に伝えてほしい」という要望に対しては、「放射性物質が基準値を超えた場合は出荷制限している」と流通している農産物の安全性を強調し、「生産者を応援したい」という抽象的言葉を添えただけで、具体的な施策は何も示さなかった。

今回の視察は「食品安全、消費者担当大臣」の立場で行われたもの。原発事故で食品の安全性が大きな問題となる中、本来ならば前面に立ってその問題解決を図るべき立場にありながら、表舞台から消えていた「食品安全、消費者担当大臣」。満を持しての登場と思いきや、全く具体的政策を示さなかった。

「節電啓発担当大臣」も兼ねており、多忙を極めているのかもしれないが、節電の分野でもプロ野球セ・リーグの開幕問題でお得意のパフォーマンスを見せた以外では全く音沙汰なし。しかも菅内閣は「節電啓発」を諦め、大口需要家に対して電気事業法に基づく使用最大電力の制限を発動する「法的強制力」で節電を図る方針転換を決定。もはや「節電啓発担当大臣」は無用の長物となっている。

そして、「食品安全、消費者担当大臣」の立場でも、農林水産大臣で十分事足りる「流通している農産物の安全性」を強調するだけなら、その存在意義も殆ど失われていると言っても過言ではない。

菅内閣で最も人気のあった大臣の実像は、今や「パフォーマンス担当大臣」というものになっている。

こうした状況に陥っているのは、本人或は首相の能力によるものなのか、それとも各省の長として特定の行政分野を担当する訳ではなく、必要に応じて内閣府に置かれる「内閣特命担当大臣」という制度自体に無理があるのか、「行政刷新担当大臣」でもある御本人が検討してみる時期に来ているのかもしれない。(内閣府設置法10条、11条、11条の2で、「沖縄及び北方対策担当」「金融担当」「消費者及び食品安全担当」の内閣特命担当大臣は必ず置かなければならないとされている)。

蛇足ではあるが、「節電啓発担当大臣」と共に菅首相が災害対策の目玉として任命した「災害ボランティア担当首相補佐官」の方は、その動向が国民に伝えられることは殆ど皆無の状態であり、その存在すら国民から忘れられたものになりかけている。

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