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死を招く危険性を秘めたストレス=キラーストレスのメカニズムを先端科学で解明する

NHK

「ストレスは身体に悪い―」。「ストレス対策は重要だ―」。こうした意見に異を唱える人はいないだろう。しかし、ストレスが我々の身体に悪影響を与える具体的な仕組みや、効果的な対処法について、論理的に説明できる人は少ないのではないだろうか。

6月18、19日に放送されるNHKスペシャル「シリーズ キラーストレス(全2回)」では、最新の研究に基づき、ストレスのメカニズムと対処法について詳細に解説している。チーフプロデューサーである浅井健博氏、矢吹寿秀氏に、同番組の狙いやストレスとどのように向き合うべきか、を聞いた。

解明されつつあるストレスのメカニズム


―今回のNHKスペシャルのテーマであるストレスについては、これまでも様々なメディアが取り上げてきたと思います。今回改めて、ストレスに着目した理由は何なのでしょうか?

第1回を担当した浅井健博チーフプロデューサー(撮影:BLOGOS編集部)
浅井健博氏(以下、浅井):現代社会ではストレスという言葉を聞かない日はないぐらいです。でも、実のところ「『ストレス』とは何なのか」「『ストレス』がどのように身体に作用して悪影響を及ぼすのか」、ということについては、これまで分からないことだらけだったんです。

そのため、多くの人が、お医者さんでさえ漠然と「ストレス」という言葉を使ってきました。「ストレスチェックで、『あなたはストレスに強そうですね』と判定されたのに、その翌週に体調を崩して、『ストレスのせいですね』とお医者さんに言われた」なんて、心当たりのある人もいるかもしれません。

しかし、最新の研究によって、実際にストレスがかかったときに、身体の中で何が起こるのか、というメカニズム、仕組みが明らかになってきているのです。それはつまり、日本だけではなく世界中でストレスが問題になっていて、「何とかしなければいけない」「何が出来るのか」と多くの研究者が問題意識を持っていることの表れだともいえます。

そうした研究の成果が蓄積されてきたことが、今回2本連続のシリーズで、ストレスが身体に悪影響を及ぼすメカニズムと対処法をお伝えしようと考えた背景にあります。

第2回を担当した矢吹寿秀チーフプロデューサー(撮影:BLOGOS編集部)

矢吹寿秀氏(以下、矢吹):昨年の12月に改正労働安全衛生法が施行され、50人以上従業員がいる事業所では従業員のストレスチェックの実施が義務付けられました。これにより、12月以降、日本中の会社でストレスチェックが行われていることでしょう。

私自身がそうだったのですが、「そのストレスチェック自体がストレスだ」「こんなことがなんの役に立つの?」と感じている人もいると思います。しかし取材をすすめるうちに、このストレスチェックには、きわめて重要な意味があることに私も気づきました。

法改正がひとつのきっかけとなり、いま多くの人にとって、ストレスについて考えるチャンスが到来していると思います。そこで公共メディアとして、ストレスチェックの意味や、その背後にあるサイエンス、そしてストレスへの対処法をしっかり伝える必要があると思いました。

―最近の研究では、ストレスについてどのようなことがわかりはじめているのでしょうか?

浅井:ストレスを感じた場合に身体の中で、どのようなことが起こるのか、ということを番組の中でご紹介したいと思っています。

ストレスは、心臓に負担をかけて突然死を引き起こしたり、脳梗塞、脳出血といった病気につながる可能性があります。さらに、ストレスがかかり続けることによって、がんが進行していく詳細なメカニズムもわかってきました。

そして、みなさんの身体のどこにでもいる「ある物」が、ストレスの影響で死をまねく原因となるケースもあることも分かってきました。こうした驚くような身体のメカニズムを解説していきます。

脳にアプローチすることで効果的なストレス対策を

NHK
―どうしてもストレスというと「心の問題」という捉え方をしがちです。なので、「根性や気合で何とかなる」と考えている方も多いと思うのですが。

浅井:ストレスの影響は、身体に向く場合と、心に向く場合があります。

しかし、ストレスが心身に悪影響を及ぼす科学的メカニズムがわかっていれば、ある方法で脳の中の構造をかえて、身体の病も心の病も防ぐことができる。こうした具体的な方法を番組で紹介したいと思っています。

矢吹:もちろん、ストレスの種類や個々人の体質によって悪影響の及ぶ部分などに違いはあります。しかし、ストレスが加えられると、脳内で一連の反応が起こり、そこで発生する現象の連鎖の結果として、心身に悪影響がおよぶことがわかってきているのです。

ですから、ストレスへの反応が起こる脳に対して、どのようにアプローチしていくのか、ということが番組の中でも中心的なテーマになっています。

また、ストレスに強い・弱いというのは、根性云々ではなくホルモンやホルモンを作る遺伝子との関連がわかってきています。あるいは、養育環境なども影響していることが明らかになっている。

このように、なかなか簡単にはかえられない部分もあるので、元々ストレス耐性の弱い人に「根性、根性」といったところで潰れてしまうだけです。

ただ、一方で正しい手法を使えば、ストレス耐性の強い人に変化することもできるということも明らかになってきています。正しい方向に脳をかえることで、逆に「ストレスに負けない人」に変わって行くこともできるというメッセージも同時に出していきたいですね。

―「ストレス対策をしなさい」と言われても、非常に漠然としていますから、具体的な対処法は非常に重要です。

矢吹:今回取材する中で、やはり一人一人が正面からストレスと向き合うことが重要だと感じました。社会が複雑化して、朝から晩までストレスフルなイベントが次々と起こる現代においては、自分自身でストレスから身を守って行かなければなりません。

ストレスに対して正しい知識をもっていなければ、そこにつけこんでお金儲けしようと考える悪い人も出てくるかもしれません。そうしたものにひっかからないようにするためにも、正確な知識が必要です。そのための入門的なものから最先端のストレス対策まで、一人一人がこれからストレスを考えていくときのヒントを番組の中では提示しています。

NHK
浅井: 漠然と「これがストレスにいいらしい」という情報であれば、世の中には山ほどあります。我々が、この2本シリーズでお伝えする内容は、科学的に裏づけのあるプレミアムな情報です。

遺伝学、脳科学、神経科学といった今回の番組に関連する分野は、非常に早いテンポで研究が進んでいます。ついこの前まで、成人の脳がどう変化するかということすら詳細には分かっていませんでした。

しかし、今は科学の進歩によって、神経細胞のレベルの変化をキャッチして、「ストレスをうけると、こういう風に脳が変化する」「ある行動をすると、その神経はまた再び戻る」ということが明らかになりつつあります。

繰り返しになりますが、ストレスはようやく科学の議論の俎上にあがってきたのだと思います。ストレスへの具体的な対処法については、是非番組でご確認していただきたいのですが、しっかりと科学的な背景や理屈を理解していただいた上で、「なるほど、これは確かにいいな」「だったら自分もやってみよう」という気付きにつなげていただきたいと思います。

10年間で精神疾患での労災件数は4倍に…

NHK

―今回の番組を特にどのような方に見ていただきたいですか?

矢吹:ストレスを感じているすべての方に見ていただきたいですね。

特に意識しているのは、やはりサラリーマン層です。年々競争が激化して仕事が忙しくなっていますよね。そんな中で、ガマンにガマンを重ねながら働いている方々にはぜひ見ていただきたいです。

この10年間でうつ病などの精神疾患で労災認定される件数が4倍になっています。「たかがストレス」と思わないで、本当に正面から考えていただきたいですし、死に至る可能性もあるということも理解していただきたいと思います。

また一方で、経営者や管理職の方は、自分の部下のストレスについてより真剣に考えていただきたいですし、雇われている側も「ちょっとストレスがひどいかな」と思ったら、上司に仕事を見直すよう訴えていただきたいですね。どうしても仕事を減らせない状況であっても、自分のストレスから決して目をそらさず、番組内でご紹介する方法などを上手に利用していただいて、ストレスにやられないよう日頃から心がけていただくことが大切だと思います。

[PR企画:BLOGOS × 日本放送協会]

<番組情報>
シリーズ キラーストレス(全2回)
■放映日:2016年6月18日(土)午後9時00分~9時49分
第1回 あなたを蝕(むしば)むストレスの正体 ~こうして命を守れ~

■放映日:2016年6月19日(日)午後9時00分~9時49分
第2回 ストレスから脳を守れ ~最新科学で迫る対処法~
[ PR企画 / 日本放送協会 ]

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