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焦点:政府は円高に「過剰反応」と静観、試される加速時の対応

[東京 6日 ロイター] - 米雇用統計発表後の前週末にドル/円が急落したが、政府・日銀は静観の構えを見せている。予想外に弱かった米雇用統計データに対し、市場が過剰反応したと判断しているためだ。

ただ、6日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演次第では、一段の円高も想定され、その際は必要な対応を取るとのメッセージを出すと予想される。その際は介入に否定的な米当局との神経戦が市場の注目を集めそうだ。

<財務官は「注視」>

介入を含めた実務対応の責任者である浅川雅嗣財務官は6日、都内で記者団の取材に応じ「為替市場の動向を注視している」と語った。

安倍晋三政権の司令塔役の菅義偉官房長官は6日午前の会見で「為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要な時はしっかり対応したい」と述べた。  

ただ、3日の米雇用統計発表後に起きたテンポの速いドル安/円高という市場反応は「やや過剰」と受け止めている政府関係者が多い。

日銀関係者の間でも、米経済の動向と米利上げをめぐる観測で揺れる市場心理の範囲内の動きとの見方が多い。

政府・日銀関係者の見方を総合すると、利上げ時期が当初予想で多かった6月から7月以降に先送りされても、大幅な円高要因にはならないと想定しているもようだ。その見方が裏付けられるか、6日のイエレン議長の講演を注視している。

<米財務長官の対日けん制発言>

もっとも最近の米政権からは、名指しこそないものの、日本が介入しないよう「くぎを刺す」ような発言が続いている。

5月の主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議や日米財務相会談でのルー米財務長官のコメントや伊勢志摩サミットの合間のオバマ米大統領と記者団とのやり取りでは、安易な介入へのけん制発言と受け取れるコメントが市場の関心を集めた。

ルー長官は5日にも北京で日本に関する質問に答え、「各国は為替介入する権限を持つが、その基準を緩めるべきでない」と述べ、日本へのけん制との思惑が市場で広がった。

ある政府関係者は、円高が進んだ相場に対し、ルー長官が「秩序だった動き」との発言を繰り返していることに対し「米国は円高を望んでいる」との受け止め方を示している。

市場では、日本の政策当局の介入を警戒する声が少なくないものの、ドルが105円近辺に接近した場合、どのようなけん制発言をするのかに注目している。ある国内銀行の関係者は「105円台になって、断固たる措置のような発言がない場合、市場は円高相場を試す可能性がある」と話している。

(竹本能文 取材協力:伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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