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「恥」が、子ども食堂からアンダークラスの人々を遠ざける

■気づいたとしても「子ども食堂」はスルーされる

相変わらず「子ども食堂」への関心は高いようだ。

僕も少し前にこんな記事(「子ども食堂」は学校につくろう!!)を書いたところ、Facebookのシェア数が500近くになり驚いたことがある。

あれが今年初めだったので半年程たったが、あれからも子ども食堂は各地に設立し続けられているようだ。

その動きを受けて、たとえばこんな記事(想像と違った!「こども食堂」の本当の意義)が書かれている。

記事自体はまだ前半で核心部分は次回のようだが、前半に出てくる以下の部分だけでも、現在子ども食堂が抱える矛盾のようなものを言い当てていると思う。
【「こども食堂」の存在を知るには情報収集力がいる。足を運ぶには行動力や交通費を捻出する経済力も必要だ。それができる人はおそらく、貧困のどん底にはいないだろう。】

ここにある通り、貧困問題のポイントは、「情報収集力と交通費」だと、僕も仕事を通して痛感している。

アンダークラスの若者やハイティーン、それら相対的貧困者(に近い人々)は、スマホはみんなもっている。が、誰もが持つスマホを使って社会資源の情報(子ども食堂等)獲得にはなかなか向かわない。

当然、LINEやそれにくっつくゲームには時間とお金は使っている。けれどもそこまで、たとえば、近所の公的施設でNPOによる子ども食堂が月に数回程度開かれていても、その情報には気づかないだろう。

また、気づいたとしてもスルーする。

■密かに抱く「恥」

また、スマホは持つが貧困だから(保護者が金銭を与えないから)、基本的に貧困ハイティーンは節約する。

その節約は真っ先に「交通費」に向い、彼女ら彼らの移動手段は基本的に自転車になる。

そうなると、自ずとコミュニケーションの範囲が限定される。日々会う人々は、近親者と近所の友人たちになり、その他はスマホ内でのLINEコミュニケーションになる(近所と、ゲーム内の匿名の人々)。

その範囲に、残念ながらNPO等が主催する福祉的資源、たとえば子ども食堂は含まれない。

むしろそうした福祉資源は、いかに子ども食堂のような新しい動きではあっても、アンダークラスの若者たちにはネガティブな「福祉」動きとして捉えられているかもしれない。

たとえば、生活保護支給日の隠語として「福祉の日」という言葉が流通するように、それは一種のコンプレックスやルサンチマンとして捉えられている可能性がある。

言い換えると、そうした福祉サービスの受給は、アンダークラスの人々が内面に密かに抱く「恥」の感覚と密接につながるようなのだ。

■「恥をかきたくない」という動機

では、現在の子ども食堂の隆盛は誰が支えているのだろうか。

それはまずは、中流/ミドルクラスの人々が支えている。彼女ら彼らはNPO関係者であり福祉を学ぶ学生であり寄付をする善意の人々だ。彼女ら彼らの善意と行動力がなければ、現在の画期的な子ども食堂のムーブメントは形成されていない。

加えて、アンダークラスの人々の中でも、自分たちが「当事者」であると比較的自覚できている層が利用する。

これは僕が度々とりあげる「サバルタン/当事者」問題とリンクし、その問題がある程度客観的に把握できるようになった人々のみがある種の「経験者」として名乗ることができるという意味だ(たとえばこの稿参照「当事者」は語れず、「経験者」が代表する~不登校から虐待まで~)。

いずれにしろ、本当の「当事者」は、その当事者性が現在進行形であるほど、潜在化していく。元々はG.スピヴァクという哲学者の主著『サバルタンは語ることができるか』の発想から僕が応用したものだが、ひきこもり問題にも十分応用できたことから、案外それほど的外れでもないと確信している。

その当事者性の潜在化の現れとして、ここで指摘したような「恥」の感覚があると僕は直感する。

この、「恥をかきたくない」という動機から、その情報そのものが「自分たちから遠いサービス」だと子ども食堂は位置づけられ、その次の段階として、抑制気味だがしっかりと鳴動する「欲望」がギャンブルや恋愛(親たちの場合)、ゲームやSNS(ハイティーンの場合)に向かうのだと想定する。

今のところだから、子ども食堂は多くの当事者には届かない。その恥の感覚とどう向きあい、それをどう昇華するかだ。★

※Yahoo!ニュースからの転載

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