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骨髄腫 今治療は大きく変わってきている

東京での骨髄腫の勉強会に参加してきました。現在の治療と治癒を目指すために今後何をするのかという目標と、各病院でのとんでもない症例の情報を得ることができました。

今骨髄腫はたくさんの薬が出てきています。3種の神器と言われたサリドマイド、ボルテゾミブ、レナリドマイドから、現在2種類追加され(ポマリドマイド、パノビノスタット)今後抗体薬を含めてあと4種類以上がここ数年で出てきます。それ以外にもたくさん臨床治験中で、それこそあのPD-1も候補と成っています。

これだけたくさんの薬が出てくると、今まで治癒させることができなかった骨髄腫を治したいと思う気持ちが出てきます。メルファランしかなかった20年前の10年生存率が3.4%の疾患を、数十%に持っていけるのではと臨床医は夢見ています。しかし現在の薬で治療していてもどんどん悪化して1年持たない症例も提示されました。それこそなぜこうなったと自分が悩んだ症例と同じ経過でした。

治癒させるという目標にはお金がかかります。ある病院のレセプトから計算する医療費は、2006年1人200万/年から2015年500万/年へ上昇していますし、骨髄腫患者自体も増加しているため病院全体の骨髄腫医療費は5000万から10億まで増えています。ただ歴史が示しているのですが、新しい薬を使うことで間違いなく寿命は延びています。

その中で今行われている治療はモグラ叩きではないかという提言もいただきました。それこそ患者に合わせる治療なのですが、それでは治癒は得られないと臨床医たちは模索します。最初から新規治療薬をどんどん使うことで、3年間1人1000万/年の治療を行うことで、治癒できる症例が出てくるのではないか、それこそ悪くなるまで治療を続けろという製薬会社からの提言、年間数百万の治療をやめさせることができるのではないかという、エビデンスは現在は少なくとも患者のためになるのではという治療を提言します。ただお金は…地域偏在は…と問題は山積みです。

患者をあまり見たことのない医師はエビデンスがない治療を嫌います。事実日本では保険の制約もあり勝手なことはできません。ただそれでは治るチャンスを捨てているのかもという医師の勘が働きます。エビデンスの質が低いからと、臨床経験の少ない医師は真っ向からプロトコール(決められた手順)やガイドライン違反を批判します。今はそのせめぎ合いの真っ最中です。(水素水報道も含めてエビデンス派が優位ですw)

骨髄腫というたった一つの疾患。まだまだ勉強です。 
やっぱ臨床面白いな。

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