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- 2011年10月27日 20:53
マーケットが急騰している理由は?
今日のブログは、ちょっと長くなりましたが、なぜ、市場が上がっているのか、説明してみました。
なるだけ、分かりやすく説明しているつもりですが、ご質問があれば、コメントにお願いします。
今日のマーケットは、久々の場中のフォロースルーがあり、TOPIXで+2.18%、日経平均で+2.04%となりました。
売買代金も1兆1000億円と10月14日以来の1兆円超え。
特に大型株がぐいぐい上がるという力強さ。
特定の投資家が、主力株にバスケット買いをいれたのか、HFなどが大型株のショートカバーをしたのか、そういう類の取引が多かったのだと思われます。
現在、日本株にとどまらず、欧州株も軒並み上昇しています。
では、なぜ、株式市場は強いのか?
昨日書いた通りで、欧州は、寄り道をしたのですが、なんとか、ゴールにたどり着いたことが大きいのです。
単純に、EU首脳会議で、方向性が決まったことが大きいのだと思います。
特に、EFSFのレバレッジて規模を最大5倍にすることが示されたことは意味あります。
詳細は11月に詰めるのですが、まず、ソブリン債発行の際にEFSFが損失の一部を補償することと、SPVを作ってEFSFが資本金を入れて外部資金を呼び込みます。
これによって、レバレッジをかけていくのです。
4400億ユーロの融資額がありますが、すでに1600億ユーロくらい使っていますので、残り2800億ユーロ程度です。
これに5倍のレバレッジをかけて1兆4000億ユーロの資金を確保する計画のようです。
これだけ資金があれば、今の債務危機を乗り切れるだろうということです。
ただ、この一連の政策で、私が問題だと思うのは、どうしても、銀行の増資の金額が少ないという気がしてなりません。
何といっても、銀行の増資について、「ソブリン債を時価評価した上で計算する」ということですから、評価益の分だけ、増資の額は少なくて済んでいるのです。
しかし、よく考えると、ドイツは、「これ以上お金出さないぞ」と言っており、財政に余裕のない国は、銀行に多くの公的資金を出すだけの余裕がないのです。
多く資金を出すと、財政が厳しくなり、格付けに影響が出てしまいます。
具体的に言えば、フランスが、自国の民間銀行に多くの公的資金を出せば、フランスの格付けに影響し、「AAA」から「AA+」とかに格下げされる可能性があり、そのマイナスの影響が非常に大きいのです。
その最大の影響は、EFSFの融資額が減るということです。
EFSFの融資額4400億ユーロは、ユーロ17カ国の「AAA」6カ国(ドイツ、フランス、オランダ、オーストリア、フィンランド、ルクセンブルク)の拠出額から成り立っています。
フランスが「AAA」でなくなれば、ここに影響が出るので、EFSFの規模の問題に直結してしまいます(フランスは約1500億ユーロ)。
だから、フランスの財政を傷つけることのない範囲で、銀行の必要増資額を決める必要があるのです。
EBA(欧州銀行監督機構)の試算では、欧州の銀行に、総額1060億ユーロの増資額が必要で、フランス分はわずか88億ユーロです。
これですと、フランスの財政へのダメージもほとんどなく、「AAA」も維持されると思われます。
となると、フランス国債は買いになりますし(独仏のスプレッドは縮小です)、フランス株が強いのはそういうわけです。
こいうプロセスですので、いっきに、不良債権を処理してなんてことは出来ないのです。
時間をかけて、出来る範囲で、不良債権を処理していこうという作戦です。
まさに、日本と同じパターンですね。
ただ、ここで問題があります。
時間をかけるということは、銀行は、出来るだけ、公的資金の資本注入は避けたいので、資産売却を試みるのです。
万全でないマーケット環境ではありますが、政府の配下になるより、出来る限りのこと(資産売却)はやってみるはずです。
ということは、出来れば、調達難である(調達コストの高い)ドルをベースとした資産を売ろうとするはずです。
例えば、航空機リース業務などです。
もちろん、住宅担保ローン証券(MBS)なども対象でしょうね。
こうやって、出来るだけ増資をしなくてもいい状態にしようと彼らなりの努力をするわけです。
しかし、これは、ドルの本場、米国にとって、黙認できない問題なわけです。
何といっても、ドル資産を売られちゃうわけですからね。
資産価格が下がったら、たまったもんじゃありません。
事実、FRBは欧州の銀行に約100項目のデータの日報を要請する可能性があるようです。
欧州の債務危機を米国でも管理していくつもりです。
さらに、ここ1週間でタルーロ理事、イエレン副議長、ダドリーNY連銀総裁が「QE3」をほのめかす発言を繰り返しています。
MBSを買ったほうがいいとか、インフレ率は容認できるとか…
以前から、QE3の可能性は議論されていましたが、今回の一連の発言は、米国の最近の(やや良好な)経済統計を考慮すれば、唐突感を感じてしまいます。
なぜ、急にQE3の必要性を良い始めたのか…
しかも、NYの株価は、すでに、年初来プラスになろうとしているくらいで、決して、下落なんかしていないのです。
それでもQE3を行うかも知れないというのは、何としても、欧州勢の売りに対応すべき政策が必要なのです。
また、あの日銀が、日経新聞のリーク記事のまま、本日、5兆円のJGBの買取を決めました。
当然といえば当然の政策ですが、何となく、議論もないまま(聞こえてこないまま)、あっさりでしたよね。
このように考えますと、欧州は方向性は示したが、いかんせん、資金が限られているので、解決には、時間がかかります。
よって、その間、世界経済に悪影響が出ないように、QE3を実施して、日本も金融緩和して、市場の流動性を確保しようとしているのでしょう。
もちろん、ドラギ議長のECBも利下げしてくる可能性が高いと思います。
さらに、欧州の銀行の貸し渋りなどを厳格に取り締まるでしょうね。
中国などは、EFSFが作るSPVに資金を拠出する可能性が高いですし、世界が一丸となって、欧州の危機への対応をするのでしょう。
長くなりましたが、QE3への期待感が強いことが、株式市場やコモディティ市場の上昇、ドルの下落につながっているのだと思います。
そのQE3は、欧州の不十分な対策(十分な不良債権処理が出来ないこと)を補うために、欧州の負の連鎖が米国に波及しないために、必要な政策なのかも知れません。
なるだけ、分かりやすく説明しているつもりですが、ご質問があれば、コメントにお願いします。
今日のマーケットは、久々の場中のフォロースルーがあり、TOPIXで+2.18%、日経平均で+2.04%となりました。
売買代金も1兆1000億円と10月14日以来の1兆円超え。
特に大型株がぐいぐい上がるという力強さ。
特定の投資家が、主力株にバスケット買いをいれたのか、HFなどが大型株のショートカバーをしたのか、そういう類の取引が多かったのだと思われます。
現在、日本株にとどまらず、欧州株も軒並み上昇しています。
では、なぜ、株式市場は強いのか?
昨日書いた通りで、欧州は、寄り道をしたのですが、なんとか、ゴールにたどり着いたことが大きいのです。
単純に、EU首脳会議で、方向性が決まったことが大きいのだと思います。
特に、EFSFのレバレッジて規模を最大5倍にすることが示されたことは意味あります。
詳細は11月に詰めるのですが、まず、ソブリン債発行の際にEFSFが損失の一部を補償することと、SPVを作ってEFSFが資本金を入れて外部資金を呼び込みます。
これによって、レバレッジをかけていくのです。
4400億ユーロの融資額がありますが、すでに1600億ユーロくらい使っていますので、残り2800億ユーロ程度です。
これに5倍のレバレッジをかけて1兆4000億ユーロの資金を確保する計画のようです。
これだけ資金があれば、今の債務危機を乗り切れるだろうということです。
ただ、この一連の政策で、私が問題だと思うのは、どうしても、銀行の増資の金額が少ないという気がしてなりません。
何といっても、銀行の増資について、「ソブリン債を時価評価した上で計算する」ということですから、評価益の分だけ、増資の額は少なくて済んでいるのです。
しかし、よく考えると、ドイツは、「これ以上お金出さないぞ」と言っており、財政に余裕のない国は、銀行に多くの公的資金を出すだけの余裕がないのです。
多く資金を出すと、財政が厳しくなり、格付けに影響が出てしまいます。
具体的に言えば、フランスが、自国の民間銀行に多くの公的資金を出せば、フランスの格付けに影響し、「AAA」から「AA+」とかに格下げされる可能性があり、そのマイナスの影響が非常に大きいのです。
その最大の影響は、EFSFの融資額が減るということです。
EFSFの融資額4400億ユーロは、ユーロ17カ国の「AAA」6カ国(ドイツ、フランス、オランダ、オーストリア、フィンランド、ルクセンブルク)の拠出額から成り立っています。
フランスが「AAA」でなくなれば、ここに影響が出るので、EFSFの規模の問題に直結してしまいます(フランスは約1500億ユーロ)。
だから、フランスの財政を傷つけることのない範囲で、銀行の必要増資額を決める必要があるのです。
EBA(欧州銀行監督機構)の試算では、欧州の銀行に、総額1060億ユーロの増資額が必要で、フランス分はわずか88億ユーロです。
これですと、フランスの財政へのダメージもほとんどなく、「AAA」も維持されると思われます。
となると、フランス国債は買いになりますし(独仏のスプレッドは縮小です)、フランス株が強いのはそういうわけです。
こいうプロセスですので、いっきに、不良債権を処理してなんてことは出来ないのです。
時間をかけて、出来る範囲で、不良債権を処理していこうという作戦です。
まさに、日本と同じパターンですね。
ただ、ここで問題があります。
時間をかけるということは、銀行は、出来るだけ、公的資金の資本注入は避けたいので、資産売却を試みるのです。
万全でないマーケット環境ではありますが、政府の配下になるより、出来る限りのこと(資産売却)はやってみるはずです。
ということは、出来れば、調達難である(調達コストの高い)ドルをベースとした資産を売ろうとするはずです。
例えば、航空機リース業務などです。
もちろん、住宅担保ローン証券(MBS)なども対象でしょうね。
こうやって、出来るだけ増資をしなくてもいい状態にしようと彼らなりの努力をするわけです。
しかし、これは、ドルの本場、米国にとって、黙認できない問題なわけです。
何といっても、ドル資産を売られちゃうわけですからね。
資産価格が下がったら、たまったもんじゃありません。
事実、FRBは欧州の銀行に約100項目のデータの日報を要請する可能性があるようです。
欧州の債務危機を米国でも管理していくつもりです。
さらに、ここ1週間でタルーロ理事、イエレン副議長、ダドリーNY連銀総裁が「QE3」をほのめかす発言を繰り返しています。
MBSを買ったほうがいいとか、インフレ率は容認できるとか…
以前から、QE3の可能性は議論されていましたが、今回の一連の発言は、米国の最近の(やや良好な)経済統計を考慮すれば、唐突感を感じてしまいます。
なぜ、急にQE3の必要性を良い始めたのか…
しかも、NYの株価は、すでに、年初来プラスになろうとしているくらいで、決して、下落なんかしていないのです。
それでもQE3を行うかも知れないというのは、何としても、欧州勢の売りに対応すべき政策が必要なのです。
また、あの日銀が、日経新聞のリーク記事のまま、本日、5兆円のJGBの買取を決めました。
当然といえば当然の政策ですが、何となく、議論もないまま(聞こえてこないまま)、あっさりでしたよね。
このように考えますと、欧州は方向性は示したが、いかんせん、資金が限られているので、解決には、時間がかかります。
よって、その間、世界経済に悪影響が出ないように、QE3を実施して、日本も金融緩和して、市場の流動性を確保しようとしているのでしょう。
もちろん、ドラギ議長のECBも利下げしてくる可能性が高いと思います。
さらに、欧州の銀行の貸し渋りなどを厳格に取り締まるでしょうね。
中国などは、EFSFが作るSPVに資金を拠出する可能性が高いですし、世界が一丸となって、欧州の危機への対応をするのでしょう。
長くなりましたが、QE3への期待感が強いことが、株式市場やコモディティ市場の上昇、ドルの下落につながっているのだと思います。
そのQE3は、欧州の不十分な対策(十分な不良債権処理が出来ないこと)を補うために、欧州の負の連鎖が米国に波及しないために、必要な政策なのかも知れません。



