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通常国会閉会

本日(6月1日)第190回通常国会が会期末を迎えました。この直前に、安倍総理が、消費税再延期と衆参同日選見送りを決断しました。

 まず消費税再延期については、私も昨年のロイターのインタビューでお答えしたとおり(http://jp.reuters.com/article/idJPL4N11320F20150902)、個人消費の伸び悩みと世界経済のリスク増嵩を考えると適切な判断だと思います。消費税を含めた歳入改革は中長期的には避けて通れない課題ですが、短期的には、家計の可処分所得を減らし消費を冷やすので、景気にも物価にもマイナスに働くからです。10年以上続くデフレから脱却するためには、こうしたマイナス要因を極力排除したうえで、さらに第2次補正予算で実需を喚起する経済対策と組み合わせることで、デフレ脱却に向けてモメンタムをもう一度つけることが肝要と思います。

 伊勢志摩サミットで、安倍総理は「洞爺湖サミットの数か月後にリーマン・ショックが発生したことを踏まえて、その轍を踏まないためにもリスクへの適切な対応が必要だ」と警鐘を鳴らしました。至極真っ当な発言だと思います。サマーズが長期停滞(Secular Stagnation)と評したように、世界経済は実需不足から成長鈍化とデフレが同時進行しています。一方で、日本のみならず、主要国の中央銀行がかつてないほどの金融緩和を実施していますから、金融システム内にリスクが蓄積していないはずがありません。「危機は毎回形を変えてやってくる」との言葉もあります。目の前の金融経済指標がリーマン・ショックと違うからと言って、この先、同様の危機が発生しないとは限りません。ちなみに、リーマン・ショック前(1年弱前)のIMFのリポート(http://www.imf.org/external/pubs/ft/fmu/eng/2007/0707.pdf)では、「世界経済は引き続き堅調に成長する見通し」と評価しています。

 また、衆参同日選見送りとの総理の判断についても、極めて適切な判断だったと感じています。総理の解散権は三権分立の下で権力均衡を図るために与えられるべきものと個人的には思います。すなわち、立法府である国会の不信任案可決に対する、行政府の長である内閣総理大臣による対抗措置(憲法69条解散)が中心であるべきで、7条解散については抑制的であるべきです。ましてや、今は熊本地震の復旧・復興の最中です。消費増税延期の是非は国政選挙である参議院選挙において問うことで問題ありません。

 衆参同日選が見送られたことで、永田町では早くも次の衆院選のタイミングが話題になっています。年内解散だと言う人もいます。来年は都議選があり、再来年に入ると「追い込まれ」解散になるから、との理由です。マスコミも頻繁に使う、この「追い込まれ」解散という表現をいい加減止めませんか。確かに、2009年と2012年は内閣・与党支持率が低迷し、解散のタイミングを逸し続け、結果として与党が大敗・下野したかもしれません。しかし、国民が望むべくは、衆議院の任期である4年の間、政権が国会と十分なコミュニケーションを取り、安定した運営を続け、政権公約を少しでも実現し、その結果を次の衆議院選挙で問う事です。佐藤栄作総理は「内閣は解散する度に求心力を増し、改造する度に求心力が低下する」と言ったそうですが、昭和の政治の常識を今も引き摺る必要はありません。マスコミも含め、永田町の関係者は衆院任期の最後に解散することを「追い込まれ」解散でなく「やり遂げ」解散としませんか。そして、解散権が総理の自縄自縛にならないことこそ、政治の活性化につながるはずです。

 今回の通常国会でも、引き続き予算・環境・消費者特別委員会の委員として、平成27年度補正予算、平成28年度本予算・補正予算、地球温暖化対策推進法、特定商取引法や、消費者契約法の審議に参加しました。党では、行政改革推進法部EBPM(科学的な証拠に基づく政策)班主査として、提言を発表しました。秋の臨時国会では、排他的経済水域の権益を守る議員立法の成立を目指します。国会閉会中は、地元まわりに励み有権者の皆様の声に確りと耳を傾けるとともに、政策の勉強も腰を据えて行います。そして、来月の参議院選挙では東京都選挙区の中川雅治候補予定者をはじめ同志の当選・再選に全力を尽くします。

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