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緩和限界論意識されており、早期の政策柔軟化必要=佐藤日銀委員

[釧路市 2日 ロイター] - 日銀の佐藤健裕審議委員は2日午後、釧路市内での会見で、資産買い入れの柔軟化について「市場で買い入れの限界が意識されており、早期の柔軟化が必要」と強調した。また、消費増税の延期は、日銀の政策運営に影響しないと指摘するとととに、2%の物価目標は従来から反対してきたと述べた。7月の金融政策決定会合では、 増税延期を反映し新たな経済・物価見通しを議論するとした。

<マイナス金利深堀り「明確に反対」>

佐藤委員は、同日午前の講演で、残高ベースで年間80兆円の資産買い入れについて、買い入れが未達でも、金利低下が進んでいるため、問題はないとの見解を示した。

午後の会見で、目標に対してどの程度まで買い入れ未達を許容するのかとの質問には「上下何兆円の振れを認めるかなど、具体的な許容範囲(アローアンス)を申し上げるのは適切でない」と明言を避けた。

マイナス金利は「長く続けるほど金融機関の収益に影響を与える」「持久戦の政策ではない」として、早期政策転換を主張した。そのうえで「これ以上のマイナス金利深堀りは、明確に反対する」とした。

<増税有無にかかわらず政策運営>

この日午前に円高が進んだ一因として、佐藤委員による「無理に2%達成する必要はない」との講演内容が、一部の市場関係者から材料視されたが、佐藤委員は日銀が2%の物価目標を決めた2013年1月以降、日本の経済成長力に対して「2%は高すぎると反対してきた」と指摘した。

一部の市場関係者の間では、政府の増税延期により、財政再建論者である黒田東彦総裁が率いる日銀は、追加緩和に踏み切らないとの思惑が広がり、それが1日夕からの円高・株安材料となっているとの「解釈」が浮上していた。

佐藤委員は、会見の中で「(日銀は)増税有無にかかわらず物価安定・金融システム安定の観点で政策運営している」とし、増税延期が金融政策のスタンスに影響しかねないとの見方を否定した。

そのうえで政府・日銀が13年に取り交わした共同文書に明記されている持続可能な財政構造の確立に向けて「慎重な財政運営をお願いしたい。それに尽きる」と要望した。

<増税延期で格下げなら外貨調達コストなど相応の影響>

一方、増税延期が国債の格下げにつながる場合は、すでに高止まりしている邦銀の外貨調達コストが「さらに上昇し、邦銀に相応の影響がある」ほか、「国債の担保としての利用可能性が低下する」など「さまざまな影響が金融市場で生じる可能性がある」と懸念した。

もっとも日銀が巨額の国債買い入れを続けており、プラス金利の超長期国債需要が高く「格下げで金利が急騰するがい然性は、かなり低い」とも述べた。

米金融政策については「金利正常化に向けて逐次、引き締めていく」と予想し、「新興国・資源国への影響、金融規制強化で流動性が低下している中での影響を丹念にウォッチしていく」と述べた。

*詳細を追加しました。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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