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休暇中も仕事心配スマホ手放せない-克服法は

間もなく夏がやって来る。多くの企業幹部、マネジャー、そしてプロフェッショナルたちが夏を控えたこの時期に既に予期しているのは、(形式上は)長期休暇中ながら、仕事につながっているような状態だ。彼らが同時に予期しているのは、愛する人々との言い争いでもある。愛する人々は、あなたがスマートフォンをしまっておいて家族に注意を払うよう望む。休暇が終わるまで仕事のほうが待ってくれている、というのだ。

 一部の人々は、テクノロジーの進歩がわれわれの生活にまで浸透し、決して仕事から離れられなくしていると主張する。確かに、キャンプをしたり、浜辺で座っていたり、走行中の乗用車の中にいたりしながら仕事につながったままでいるのは、スマホなしでは不可能だろう。

 一部の人々は個人のせいにする。仕事から解放されないのは彼ら個人の「選択だ」と言うのだ。形の上ではそうだが(電話を切ればいい)、常に簡単というわけではない。仕事用にスマホを携行する人にとってスマホが負担になるのは、その存在が心理学で言う「ツァイガルニク効果」を活性化させるからだ。ツァイガルニク効果とは、何かが未達成なままにしておくと、人はそれを完全に忘れるのが困難になるという心理的メカニズムだ。

 何が起きているのかというと、脳が「不完全なままの何か」に固執し続けているのだ。

 企業幹部、マネジャー、そしてプロフェッショナルの仕事が完全に終了するというのは稀だ。従って、こうした職種の人々はツァイガルニク効果のえじきになりやすい。もっと悪いことに、達成ニーズの高い人は、このツァイガルニク効果を一段と受けやすくなるようだ。

 こうした傾向は勤め人に常に存在してきたが、テクノロジーによってその侵襲性(私生活への浸透度の大きさ)は一層悪化してきた。なぜならテクノロジーが身近にあるため仕事に容易にアクセスできるようになれば、未達成のままになっているものを完了する可能性が大きくなるからだ。

 この心理パターンは除去不能な脳機能である公算が大きいが、個人はそれを回避するよう努力できる。気晴らしをすることで、脳にトリックをかけ、その結果、未達成の仕事をそのまま放っておくことができる。スマホを窓から捨て去らなくてもいいのだ。

 ツァイガルニク効果を減らす一つの方法は、何か他のことに没頭し、脳がもはや未完成の仕事に執着しないようにすることだ。例えば、テニスをしたり、あるいは子どものサッカーないし野球チームのコーチをしたりすれば、脳は未達成の仕事を考え続けるのが難しくなる。つまり、恒常的な集中があなた自身の外部で必要になるようにすることだ。

 別の方法は、スマホのスイッチを切り、物理的に遠ざけることだ。例えば金庫の中にそれを置いてカギを掛けることだ。スマホをみることができなくなれば、つまり相当大きなトラブルなしにはスマホを見られないとなれば、脳のかゆみは最終的に消えるだろう。なぜなら頭の中のかゆみは掻けないからだ。

 リラックスしたいが、どうしても考えが未達成の仕事に戻ってしまってリラックスできない時はどうするか。その場合、未達成の仕事をその場で完成するのが不可能な理由を見つけ出すことだ。完成する可能性が皆無ならば、脳はそれを放っておくしかなくなるだろう。そうすれば最終的にリラックスできるかもしれない。

 (筆者のジェニファー・ディール氏は「創造的指導者センター(CCL)」の上級リサーチサイエンティストで、南カリフォルニア大学「効率組織センター(CEO)」の提携リサーチサイエンティスト。「What Millennials Want from Work(仮題:ミレニアル世代は仕事から何を望んでいるか)」の共著者でもある)

By JENNIFER DEAL

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