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  • mkubo1
  • 2011年09月15日 00:07

米国の住宅価格の下落の可能性 2013年の危機?

まずは、BBGのニュースを読んでください。

BNPが14日ウェブサイトに掲載した資料によると、同行は新資本規制のバーゼル3に基づき12年末までにリスク加重資産を約700億ユーロ(約7兆3400億円)減らし、資本比率を1ポイント引き上げることを目指し措置を講じている。この一環として法人・投資銀行部門のバランスシートを820億ドル(約6兆3000億円)圧縮する。
BNPは資料で「11年初め以来、ビジネスモデルを新たな流動性・ソルベンシー・レバレッジ環境に適応させる措置を取ってきた」と説明した。1−6月に、主に資本市場関連で資産を220億ドル減らしたという。さらに、12年末までに米ドル建て資産を600億ドル減らす計画。融資の縮小および事業の売却、分離によって行う。


いかがですか。
来年かけて、米ドル建て資産を600億ドル(4兆8000億円)減らすのです。
はっきり書きましょう。
サブプライムを含む住宅ローンを証券化した住宅ローン担保証券を売却すると言っているのです。

これは、大変なことです。
なぜ、大変なのか?
この住宅ローン担保証券を売却するということは、(買い手がいないので)投売りに近い状態で、(格安な値段で)ヘッジファンドなどへ売却するはずです。
となると、米国の住宅価格に影響を与えないわけがありません。
もちろん、住宅価格は下がるのです。

多くの投資家が、住宅ローン担保証券をげ売らずに、ジッーと静かに保有して、値段が戻るのを待っていたのです。
しかし、ドルの調達がままならなくなった欧州勢によって、ドル資産売却が起ころうとしているのです。
はっきりいて、一大事です。

さらに次のBBGのニュースを見てください。

9月2日のニュースです。

米連邦住宅金融局(FHFA)は2日、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、JPモルガン・チェースなど17の金融機関を相手取り、監督下にある住宅公社のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)への住宅ローン担保証券(MBS)の販売に際し、正確に説明しなかったとして、1960億ドル(約15兆円)の返還を求めて提訴した。
ニューヨークの州および連邦裁判所とコネティカット州の連邦地裁に17件の提訴が行われた。FHFAはこれらの金融機関はファニーメイとフレディマックに対し、販売したMBSの健全性について不正確な情報と与えたとしている。
FHFAは発表した声明で、これらのローン債権は販売の説明文書に明記された以上にさまざまなリスクの高い性格を持っていたと主張。その上で、これら取引の無効を求めるとともに、不正行為をめぐり民事制裁金、懲罰的損害賠償などを含む賠償を請求している。
FHFAによれば、ファニーメイとフレディマックはBOAからMBS60億ドル相当、メリルリンチから248億ドル相当を購入。JPモルガン・チェースからの同330億ドル相当、RBSからの同304億ドル相当、ドイツ銀行からの142億ドル相当、クレディ・スイスからの141億ドル相当、ゴールドマンからの111億ドル相当、モルガン・スタンレーからの106億ドル相当、バークレイズからの49億ドル相当、シティグループからの35億ドル、野村ホールディングスからの20億ドル、ソシエテ・ジェネラルからの13億ドル、HSBCからの62億ドルなども訴訟の対象になっている。
これに対し、ドイツ銀行の報道担当者は「FHFAの主張は根拠がない」と反論。BOAの報道担当者はファニーメイとフレディマックはMBS市場関連の損失は住宅価格の下落など経済的な要因によるものであることはすでに認識していたと説明した。シティグループ、JPモルガン、モルガン・スタンレー、野村ホールディングス、クレディ・スイス、HSBCなどはコメントを控えた。


このFHFAの提訴は、すでにご存知だと思いますが、重要なことなので、簡単に説明します。
住宅ローンを組む時、当該住宅と住宅ローンの申込者の職業、年収などの基本情報をもって、ローンの申請を行うのです。
が、当時は、住宅価格が値上がりすることを前提に住宅ローンを組んでいましたので、申込者の調査など、かなり適当だったようです。
このようにして、住宅ローンを証券化して、MBSを販売したので、MBSの健全性について問題があるため、規則通りに、ローンの申込者がローンを支払う必要はなく、代わりに不正確な情報でMBSを販売した17社が1960億ドルを支払わなければいけないとしています。

これは、住宅価格が上がっていれば、ネガティブエクイティになりませんから、こんなことにはなりません。
住宅価格が上がらないから、こんなことになってしまうのです。

FHFAは政府の機関です。
政府が17社を提訴したわけですから、これは、大変なことなのです。

欧州の問題が大変なのですが、いつの間にか、米国へとんでもない影響を与える可能性があるということです。
ドル建て資産の売りは、住宅ローン担保証券の売りですから、住宅価格の下落を誘発します。
さらに、住宅価格が上がらないので、その責任の擦り付け合いが始まっています。

今すぐではないにせよ、米住宅価格の更なる下落が始まろうとしているような気がします。
因縁なのでしょうが、金融危機は、2007年8月にBNPパリバのHFがサブプライム問題で3つのヘッジファンドを凍結したのが、トリガーでした。
今回も、またしても、BNPパリバなのかもしれません。
BNPパリバは、人より先に動いているので、自分は、健全さを維持できるのでしょうが…

余談ですが、ルービニ教授が2013年が危険だといっていますよね。
ファニーメイとフレディマックは、毎四半期、赤字を政府から補填してもらっています。
これは2012年まで続きますが、その後は決まっていません。
2013年は、どうするのでしょうか?
多分、証券の償還が出来なくなりますよね。
また、オバマ大統領が決めたブッシュ減税の延長も2012年12月までのはずです。
2013年は、いったいどうなるのか。
新大統領に方針を決めてもらうため、2012年末までという根拠のようですが、Tea Partyの方が大統領になれば、考えただけで怖くなります。

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