記事

「給料が発生すると、社会に必要とされてるって思える」 オードリー若林の仕事観・給与観

給料が安くても誇りを持って仕事に向き合う――。その姿勢は尊いことですが、やはり十分な収入が得られないと、いい生活ができないだけでなく「社会とのつながり」が実感できないという側面もあるでしょう。

5月20日放送の文筆系トークバラエティ「ご本、出しときますね?」(BSジャパン)では、MCのオードリー・若林正恭さんが「仕事がなくなる強迫観念」がいまだにあると明かしました。バラエティー番組で司会を務め、CMにも出演する売れっ子芸人の若林さんに、そんな思いがあるとは意外です。(文:篠原みつき)

「社会につまはじきにされてるような思い」に苦しんだ過去

この日のゲストは、芥川賞作家の藤沢周さんと羽田圭介さん。「強迫観念はありますか?」という藤沢さんの質問に、若林さんは迷いつつ、こう答えました。
「一番は、明日仕事がなくなって収入ゼロ円になるっていう(不安)のが、1ミリもなくならないですね」
若林さんは、お金がなかったころの生活を振り返ります。風呂なし3万円のアパート、隣はラッパー、上がタトゥーだらけの夫婦で、うるさくてフライパンを天井に向かって投げつけたり、「風邪ひいて熱が39度あっても病院行く金がない」という暮らしでした。
「その中でも楽しみを見つければ良かったんですけど、なんかこう、社会につまはじきにされてるような思いが強すぎて」

先輩からは「もっと高いブランド物とか買って、いい物を知らなきゃダメだよ」とか「いいワイン飲まなきゃダメだよ」と言われましたが、「それに対する怒りが止まらないんですよ」と当時を振り返ります。

羽田さんに「若林さん、もう貯金たまってると思う」と言われ、「正直…ハイ」と認める若林さん。羽田さんは「いまの貯金を年5%の投資信託などで増やしていけば、それだけでとりあえず暮らせるとは思う」とした上で、こう尋ねました。
「お金と、仕事がないっていう『充実感の欠如』の問題と、なんかちょっと違うのかな?」

「自分の欠落感」が埋まる感じがすごくある

生活資金の蓄えと「明日仕事がなくなる」という不安は、別のものということでしょうか。若林さんは「そうそう!」と賛同し、「仕事してる時間って、悩まなくていいじゃないですか。自分の内側のことで」とし、こう主張しました。
「あと、金銭が発生すると、社会に必要とされてるって(思える)。その、自分の欠落感が埋まる感じがすごくあるんですよ。ぼくは」

さらに、それを失う怖さについて「いまこれで仕事がなくなったときに、その欠落とうまくつき合う技術とか、人間力あるのかなと考えると自信ない。その強迫観念かもしれないですね」と語ります。

かつての若林さんを苦しめていたのは、安アパートの劣悪な環境よりも「社会から必要とされない不安や怒り」でした。そしてそれは、稼いでいる現在も変わらないようです。

十分な給料がもらえることで感じられる「社会に受け入れられた感」「居場所がある実感」は、一般のサラリーマンにとっても重要なこと。会社が「人をできるだけ安く使う」ことばかり考えていると、世の中がすさんでくるのではないでしょうか。(文:篠原みつき)

あわせて読みたい

「オードリー」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。