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「令状なしで当局がメールを読み放題」法案に沈黙する米メディア

国会ではつい先日の24日に、通信傍受法が改正され、司法当局による電話の傍受が若干、やり易くなったようですが、海の向こうの米国では、同じ日に、連邦議会上院の情報委員会で、2017 Intelligence Authorization Act(2017年情報権限法=仮訳)が賛成多数で可決された、とCNetが報じています

CNetによると法案の要点は、FBI(連邦捜査局)はじめ米国の情報機関に、テロ対策上、怪しいと睨んだ人物の電子メールを、裁判所の決定なしで、いくらでも読めるようにする権限を与えるというものです。

それは、2000年に問題化して、その後、廃止されたFBIの開発による電子メール監視ツール「カーニボー」のような技術的な方法ではなく、愛国法で定められた国家安全書簡(National Security Letter=NSL)と呼ばれる書簡をプロバイダーに届ければ、受け取った側は、そうした事実を一切口外することなく従わなければならない、というものです。

このNSLによるやり方は、通信会社に捜査対象者の通話記録を要求するときに認められていましたが、新法では、これを電子メールにまで拡充しようということなのだそうです。

上院情報委員会の採決では、反対したのはRon Wyden議員(民主)だけで、彼はネット上に“This bill takes a hatchet to important protections for Americans’ liberty,” (アメリカ人の自由のための重要な保護策に斧を振るうものだ)とするプレスリリースを出しました。

議員はさらに「より少ない手続きで、政府による国民への監視を強化する一方、情報機関への監視を弱めるものだ」とし、「消費者のメールを令状なしで見ることが出来るようになることで、テロリストの攻撃を防ぐ、どのような効果があるかを、どの情報機関も示しておらず、こうした手段が実行される正当性はない」とまで言っています。

対抗するかのように、委員会の委員長(共和)と副委員長(民主)は連名で声明を出しました。「テロの脅威は依然として高い。だから、攻撃を防ぐために、情報機関にリソースを提供するのが肝要だ」というものです。

いつ、上院の本会議にかかるのかは知りませんが、すでに下院は通過したようなので、このままだと成立する気配が濃厚。しかし、こうした人権、プライバシーにも深く関わる重要問題なのに、なぜか、この件に関する米国の大手メディアの記事が検索には引っかかりません。不思議です。(日本なら、とんでもない大騒ぎになることでしょう)

念のため、New York TimesとWashington Postのサイトに行って、<Intelligence Authorization Act>でサイト内検索をしましたが、当該記事はやっぱり見当たりませんでした。

もしかしてCNetの勇み足?という思いもチラッとしましたが、関係議員が声明を出してるのは間違いないし、議会事務局のホームページにも掲載されているので、それもなし。

「テロとの戦い」という”呪文”があれば、「9.11」を経験した米国のメディアは沈黙するのでしょうか?それとも、上院の情報委員会は、委員会の格ではBクラスかCクラスとされているようなので、ここでの採決は政治的にインパクトが弱いのでしょうか?あるいは、他に何か事情があるのか。

ご教示いただければ幸いです。

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