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「ゆとり世代職員を自衛隊で鍛え直す」?――「ブラックすぎる」と大炎上中の府中市に真相を聞いてみた

1980年代後半から90年代半ばに生まれ、いわゆる「ゆとり教育」を受けてきた世代を「ゆとり世代」と呼ぶ。ゆとり世代の社員をどのように教育するかについてはこれまで多くの議論がされてきたが、そんな中、5月26日の読売新聞夕刊に驚きの記事が掲載された。

タイトルは「『ゆとり』市職員、空自で鍛え直し…3年目研修」。東京都府中市が「ゆとり世代の若手職員を鍛え直す」という意図で、入庁3年目の職員を航空自衛隊で2泊3日の研修を行うことを決めたというのだ。

「普通にパワハラだろ」「マネジメントの問題を新人に転嫁するのは最悪」と大炎上

記事によると、研修の対象になるのは入庁3年目の事務職、技術職、保育士職のすべての職員50人。6月の平日3日間を使い、航空自衛隊府中基地で災害時の救助活動やあいさつ、行進などの基本動作の訓練を行うという。

入庁3年目は「一部の職員には自分が何をすべきかを見失ったり、積極性に欠けたりする傾向がある」のだそうで、市職員課は「規律に厳しい自衛隊の訓練を通じて、ゆとり世代があまり経験していない上下関係を学び、チームワークや積極性などの向上につなげたい」と説明したという。

「ゆとり世代を自衛隊で鍛え直す」というと完全にブラック臭がするが、記事中では教育評論家の尾木ママことの尾木直樹・法政大教授が「上の命令で部下を集団的に動かしたい懐古趣味」とバッサリ。「問題点は職場で解決すべきだ」と市の方針を批判した。

記事が掲載されるとネット上でも瞬く間に炎上。批判が殺到した。
「不名誉なレッテル貼って業務と関連の薄い研修にぶち込むって、普通にパワハラだろ、これ」
「市職員に身につけさせたいことを、市職員としての通常の業務のなかで身につけさせることができないなら、それこそがモンダイなのでは?」
「マネジメントの問題を新人に転嫁するのは最悪」

市職員課「目的は災害救助。ゆとり世代を鍛え直す意図はない」

真相を確かめるべく、キャリコネニュースは府中市に取材を試みた。

職員課の担当者は「新聞記事に書かれているように、『ゆとり世代を鍛え直す』という意図はなく、記事の内容に困惑している」と説明。取材を受けた際にも「ゆとり」という言葉は使わなかったといい、記事は寝耳に水だったようだ。現在、問い合わせが殺到しており、対応に追われているという。

担当者によれば、府中市では職員研修の充実に取り組んでおり、今回発表された入庁3年目職員の航空自衛隊での研修もその一環だという。ゆとり世代の職員に市が特段困っている、という訳ではないとしている。

また、研修を外部機関、ましてや航空自衛隊で行うことについて理由を聞くと、
「研修は『災害救助』を目的としており、大人数を泊まりで受け入られる場所として、府中市にある航空自衛隊が適切だと判断しました」
と回答した。

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