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「面白さに頼らない」ブログ運営の技術、侮りがたし

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 科学や技術は、間違えないから科学や技術なのではありません。そして未来永劫、なんの弊害もなく繰り返せる技術って、実はそんなに多くないのかもしれません。ある時代・ある文明においてなんら問題無いようにみえた技術や科学が、あとあと、後戻りのできない結果をもたらす、なんて事態はそんなに珍しくはないように私には思えるんですよ。
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リンク先を見る文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

リンク先を見る危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス) 
 そういう、発展し続けるがゆえに発展途上でもある科学や技術の特質に思いを馳せると、たくさんの人が真似をして、さしあたって現時点で再現可能にみえる量産型ブログ運営術も、いちおう技術と呼んで差支えないと私は思うのです。そして、そうした運営術を提供している人達は、ちょっとしたメディア工学者と言えるのではないでしょうか――さすがにメディアクリエイターとは呼びたくありませんが――。
 
 この文章はディベート的な反駁であって、私の本心ではありません。面白いものを面白く捉えられない人間は、日記だろうが論評だろうが、結局面白くないのですから。そして私達は「面白さ」という評価基準でブログを評価していますから、面白くない量産型ブログには価値が無い。
 
 しかし、その面白さという価値や評価尺度が再現困難な技法 art の領域にある限り、再現困難という問題はついてまわり、そういった価値や評価尺度は技術の普及によってしばしば埋もれ、駆逐され、無価値化されていくんですよね。
 
 『シビライゼーション』にお詳しいしんざきさんならわかるはずです、一握りの剣豪がどれだけ強くても、そこらの農民でも取り扱える武器や戦術が普及していくと、そういう剣豪的な強さは時代の流れから取り残されてしまいます。
 
 剣豪は、農民マスケット兵よりもずっと強いかもしれない。しかし、マスケット銃が普及し農民兵が簡単に訓練できるようになり、それを前提とした戦術が普及するにつれて、個人的な技芸は人並み程度でも構わないと考える人が増えるようになり、剣豪は以前ほどリスペクトされなくなります。技術の普及によって価値観の土台が変化してしまうと、はじめのうちはリスペクトされていた個人的な技芸もだんだん注目されなくなり、衰退せざるを得ません。武芸しかり、モノづくりしかり、精神医学しかり。
 リンク先を見る技術と文明 (1972年)  
 
リンク先を見るラスト サムライ (字幕版) 
 技術が技法に勝るのは、その個人的卓越性ではなく、その普及可能性と再現可能性にほかなりません。この点において、昨今の面白くもクソもないブログ運営術は、剣豪一個小隊をなぎ倒すマスケット兵一個大隊に比喩したくなるものがあります。あるいは、ニュータイプ専用モビルスーツを数で圧倒する量産型モビルスーツの大群というか。
 
 私自身は、「面白さを大切にしないブログなど、怖るるに足らん」と思っていますし、しんざきさんにおいてもそれは同じでしょう*1。しかし、再現可能な技術ってやつには上記のような恐ろしさがあり、事実、クソ面白くないブログまでもがインターネットを汚しながら成果の果実を手に入れています。ええ、彼らの技術とブログは、旧式の石炭火力発電所のようにやがて陳腐化していくに違いありません。でも、その頃には一回り新しい、やはり再現可能な技術がメディア工学者によって開発され、提供されていることでしょう。
 
 そういう事まで考えると、量産型はてなブログに象徴される最近の動向を、私は注意深く眺めざるを得ません。
 
 量産型の、「面白さ」に頼らないブログ運営技術は、まだまだ発展し、跳梁するでしょう。それでも個人ブログにYESと言えるような、そういうブロガーでありたいし、そういう個人ブロガー的な面白さを拾い上げやすいシステムがあったら是非使ってみたいな、などと私は思っています。
 
 すっかり長くなったので、ディベートごっこはこのへんで。
 

*1:ただし、昨今のブログ運営技術をしっかりと身に付け、なおかつbotブログ的なものとは似て非なる面白さが記事から滲み出ている若い世代のブログは、ライバルとして強力だと思っています

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