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「私の行けたが明日の誰かの地図になる」“バリアフリー情報”の共有で誰もが安心して外出できる社会を

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“バリアフリー情報”をアプリで共有


 オリンピック、パラリンピック開催時には、世界中から多くの人々が東京を訪れる。そうした人たちが安心して移動、外出するための環境を整備する取り組みも進んでいる。  それが日本財団と株式会社ミライロ(垣内俊哉代表取締役社長)が共同で開発を進めるバリアフリー地図アプリ「Bmaps(ビーマップ)」だ。

 「Bmaps」は車椅子使用者やベビーカー利用者など、多様なユーザーが求める情報を世界に向けて発信する地図アプリだ。

たとえば駅やレストランなどのスポットについて「段差が何段あるか」「トイレはどのくらいの広さか」などのバリアフリー情報をユーザーに投稿してもらう。そしてその情報を共有することで、あらかじめ「ここには行ける」「ここに行くにはサポートが必要」という情報を把握できる。世界中の人が利用できるよう、日本語版、英語版のリリースだけでなく、現在はスペイン語版の開発にも着手しているという。  

Bmapsの評価項目は全部で19項目。「移動や居心地に関する特徴」「アクセス面を支える設備」「安心して利用できるトイレ環境」「パパ・ママにうれしい設備」「さまざまな人々が安心して利用できる」「その他の便利な設備」などだ。

Bmapsは2015年12月からテストバージョンが運用されており、現在までに商店や公共施設、交通機関など1万6千件の情報が入力された。2020年までには広く一般ユーザーからも投稿を募り、100万件のエントリーを目指している。  

日本財団の大野修一常務理事は、 「世界にはこのようなアプリがいくつもあるが、車椅子のユーザーだけに限定していたり、地下鉄の駅のデータだけだったり、数千データしかなかったりと、本当の意味で使用に耐えうるものはまだ存在していなかった。1万6千件のデータはすでに世界トップクラス。日本発のグローバルスタンダードになるアプリを目指している」  と語った。

マツコ「車椅子に乗っただけで段差が山みたいに見える」

車椅子に乗り段差体験をするマツコ・デラックスさん(畠山理仁)

アプリの開発を担当するミライオは、車椅子を利用する26歳の垣内俊哉さんが作ったユニークな会社だ。垣内さんはBmapsの意義を次のように説明した。 「障がい者は3つのバリアに直面しています。それは、環境、意識、情報のバリアです。今回のBmapsは、情報のバリアを解消するためのものです。  障がいのある方、ベビーカー利用者、高齢者の方はもちろん、ビジネスマンや学生さんにも活用できるようなアプリを作っています。

たとえば、『車椅子では入れない』という段差の情報だけでなく、コンセントがあるか、クレジットカードが使えるか、コンセントはスマホを充電できるかだけではなく、電動車いすを充電できるかどうかという情報も求めています。

 視覚障がいのある方にとって、『クレジットカードが使えるかどうか』は安心して買物をするために必要な情報です。『お店が静かかどうか』は、知的障がいや精神疾患を持つ方が求める情報です。そうした情報を皆で集めて共有していくことで、誰もが不安なく、買い物や食事に行ける。2020年を超えて広げていけたらと考えています」

 記者発表の場では、マツコ・デラックスさんが実際に車椅子に乗り、10センチの段差を乗り越える体験をした。しかし、一人では乗り越えられず、司会者に手助けしてもらうことでようやく段差を乗り越えた。 「車椅子に乗っただけで段差が山みたいに見える」  マツコさんはそう感想を話したが、これは素直な感想だろう。実際に車椅子に乗ってみると、バリアフリー環境がいかに大切なのかがよくわかる。

 車椅子陸上の中山和美選手も、 「ご飯を食べに出かけた時に、段差や大きめのトイレがあるかないかはとても大切な情報。車で移動することも多いので、駐車場に広いスペースが確保されているかも知りたい。ドアを開けるスペースがないと降りられないんです」  と、車椅子利用者が求める情報を教えてくれた。

 Bmapsのもう一つの特徴は、社会性とともに経済性も兼ね備えていることだ。

「いっぱい情報を登録してもらえば、お店だっていい宣伝になる。ちょっと不便を感じることってあるじゃない? そういう情報を登録することで、結果的にみなさんの助けになったり、お客さんが一人増えるかもしれない」(マツコさん)

  Bmapsはユーザーからのレビューの高いお店や施設のランキングも見ることができる。「誰もが使いやすいスポット」にたくさんの人が訪れるのは当然の流れだ。気になるのは書き込まれる情報の精度だが、垣内さんはそれほど心配していないという。

「もちろん場所ごとの評価に個人差はありますが、とにかくたくさんの人に参加してもらうことで情報の精度は上がっていきます。そのためにも、より多くの人に参加してもらいたいですね」

Bmapsは、ユーザー同士でチームを組み、ゲーム感覚でレビューの数を競うこともできる。つまり、ユーザーが楽しむことが社会貢献につながる。  

マツコさんも早速、 「私もいっぱい書き込めるよ。スロープがついているところは暗記しているから(笑)、たくさん書き込みます」  と約束していた。

「私の行けたが明日の誰かの地図になる」。そのキャッチコピー通り、Bmapsは誰もが安心して外出できる社会をつくる助けになるはずだ。そのためにも、一人でも多くのユーザーが楽しみながら協力することを望みたい。

[ PR企画 / 日本財団 ]

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