- 2016年05月25日 12:27
【原油価格50ドルに近付く】
「原油安」がすっかり定着していますが、1バレル=20ドル台まで下落した年初に比べて、じわじわ上がっていますね。
これに伴って、日本国内のガソリン価格も徐々に上昇しています。円安だし。
原油が値上がりするとそれまで我慢していた事業者が「おおお、波が来たぞ!」と波に乗って生産を増やす。すると、また供給過剰になって原油価格が下がるといういたちごっこが繰り広げられています。
BloombergのUS crude oil hits highest level in 7 months(アメリカの原油価格、7か月ぶりの高値)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。
アメリカの原油価格が24日、7か月ぶりの高値を記録した。世界最大の石油消費国=アメリカで在庫が縮小を予想する動きが広がったためだ。
ニューヨーク原油市場のWTIは、1バレル=49ドル27セントまで上昇した。率にして2.5%の上昇で、去年10月以来の高値となる。
American Petroleum Instituteが全米の原油の在庫が先週、510万バレル縮小し、大きく膨れ上がった在庫がいよいよピークアウトするのではないかという見方が広がったからだ。
ロイター通信の聞き取り調査によると、在庫は今月上旬に比べて、250万バレル減って5億4130万バレルと予想されている。
原油価格は、1月の12年ぶりの安値と比べれば2倍近くにまで上昇している。▼アメリカのシェール事業者など高コストの事業者が退場し、▼ガソリン需要の拡大することなどで、需給がバランスし、世界的な供給過剰が解消されるという投資家の期待が背景にある。
加えて、▼アフリカ最大の産油国のナイジェリアで石油施設を狙った襲撃が相次いでいること、▼カナダでオイルサンドの採掘が盛んなアルバータ州で山火事が続いていることで生産が減り、値上がりに拍車がかかっている。
カナダの山火事の結果、コンサルタント会社のEnergy Aspectsは、アメリカとカナダの在庫がこの数週間で2500万バレル減ると予測する。
ロンドン原油市場のブレント価格も24日、1バレル=49ドル24セントまで1.8%跳ね上がった。イラクで生産が鈍化しているという報道もあり、原油価格を押し上げる結果となった。
OPECに参加するイラクのFalah Alamri氏は、24日、日量450万バレルの生産を維持すると述べた。悪天候と停電の結果、1月のイラクの記録的な生産量から落ち込んだ。
原油価格が1バレル=50ドルを超えると、これまで控えていた事業者の生産再開を促す可能性もあり、そうすると原油価格のいっそうの値上がりが進まなくなる。
独立系生産者のPioneer Natural Resourcesは、米WTIが2017年に1バレル=50ドルを超え、かつ在庫減少傾向であればシェールオイルの採掘用リグを増やすと先月述べた。