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国家保安法違反に問われた韓国人元留学生を救えと――日本人が韓国の高裁で証言

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大田高裁を出る渡辺氏(右から2人目)と孫被告の家族や弁護士。(撮影/徃住嘉文)

韓国版治安維持法といわれる国家保安法違反で懲役3年の判決を受けた韓国の会社員孫正被告(42歳)を救うため、友人の札幌市、自営業渡辺一徳氏(56歳)が、拘束覚悟で韓国大田高裁に出廷し、無罪を訴えた。

孫被告は2002年から3年間、札幌大学に留学し、在日韓国人の飲食店主A氏(64歳)や渡辺氏と知り合った。帰国後も親交は続いたが昨年、突然逮捕された。国家保安法は、北朝鮮や朝鮮総聯などの反国家勢力を利する言動を広範に罰する。最高刑は死刑。

大田地裁判決によると、孫被告は、A氏が総聯幹部なのに、韓国の友人を札幌旅行に誘って会わせ、A氏の「北」シンパ作り工作に協力するなどした。

孫被告は控訴。弁護人が4月、札幌を訪れ(1)A氏は工作を担うような大物幹部ではなく零細業者(2)捜査当局はA氏に事情も聴かず立件するなど無理がある、などの証拠を集めた。

A氏は証人として出廷を希望したが、判決に沿うと主犯格で逮捕の恐れがある。渡辺氏も、総聯と無関係とはいえ、検察側証拠には、孫被告との隠し撮り写真があった。共犯とされる可能性は捨てきれない。それでも「日本人なら……」の一点に賭け渡韓を決めた。

4月25日の結審。高裁は、渡辺氏に傍聴席からの発言を認めた。7分の訴えだった。「いわれない罪を着せられている友人のため、私は沈黙することを拒否しここに来ました。孫君は北の独裁を賛美するような人ではありません。解放してください」

うつむいて聞いていた孫被告は、最後に、こう陳述した。

「こんなことになったけれど、私は札幌で友を得たことを後悔していません。友情は、法律を超えるのです」

判決は5月27日。渡辺氏らは救援会(TEL 011・642・8346)を作り署名を集めている。

(徃住嘉文・ジャーナリスト、5月13日号)

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