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焦点:伊勢志摩サミット、26日に開幕 世界経済成長へ協調模索

[東京 25日 ロイター] - 主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が三重県志摩市で26―27日開催される。最大のテーマは世界経済で、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で合意された「不透明感の強まる世界経済の成長確保に向け、各国が金融・財政・構造改革を活用していく」ことを首脳間で再確認する見通し。

財政出動では、慎重な独、英と議長国・日本との間に「溝」があり、政策協調の強さをどこまで打ち出せるのかが大きな課題だ。

<安定成長へのメッセージ出せるか焦点>

複数の政府筋によると、サミットでまとめる首脳宣言では、需要喚起と供給制約の改善に向けて金融、財政政策に加え、構造改革を一体的に推進する「G7版アベノミクス」を掲げ、G7が主導して持続的成長をけん引する姿を示す。

これまでのG7各国による事前調整では、世界経済について、リーマン・ショックのような危機的状況にはないものの「不確実性が増している」との見方を共有する方向だ。

安倍晋三首相は、世界経済への対応をサミットでの最重要課題と位置付け、世界的な需要不足を解消する機動的な財政政策だけでなく、供給制約の改善を促すための構造改革に取り組み、それらの一体的な推進を促す。

首脳宣言には、持続的成長に向けた「経済イニシアチブ」を盛り込み、G7としての結束を世界にアピールしたい考え。

その世界経済については、1日目の26日午後に予定されている第1セッションで討議される予定。

中国経済減速への懸念、一時は急落した原油価格などによる世界経済の不透明さを意識しつつ、どのように持続的成長の道筋に乗せるかがポイントになる。

安倍首相は5月初めの欧州歴訪で、財政出動での政策協調を探ったが、財政規律をより重視するドイツや英国の強い支持を得るまでには至らなかった。

今月20、21日に仙台で開催されたG7の財務相・中央銀行総裁会議では、麻生太郎財務相が会見で「経済成長には需要が必要ということでは一致している。需要喚起のためには、財政というのが大きな要素であることははっきりしており、各国も理解している」と表明。金融、財政、構造改革のうち財政政策の重要性について、日本は引き続き各国に理解を求めるとみられる。

一方、ドイツは金融政策、財政政策、構造改革のうち「最も重要なのは構造改革」(ショイブレ財務相)との姿勢で、日本とドイツとの溝が浮き彫りとなっている。サミットでこの溝をどこまで埋められるかが、鍵となりそうだ。

<為替安定と通貨安競争回避、認識共有も>

為替に関する議論も行われる可能性が高い。仙台でのG7会議の議論を受け、為替レートの安定と、通貨の競争的な切り下げを回避することが重要との認識をあらためて首脳レベルで共有する方向となっている。

その他、世界経済のセッションでは、女性の活躍推進、腐敗対策の取り組み強化に向けた連携・協力についても議論し、行動計画を発表する。

「パナマ文書」を通じて明らかになった課税逃れの問題についても議論され、行動計画に盛り込まれる可能性がある。

<テロ対策行動計画を発表、中東難民問題も議論>

貿易、テロや難民問題を含む政治・外交についても討議する。政治・外交では、G7として「テロ・暴力的過激主義対策行動計画」を発表する予定。

難民問題で日本政府は20日、中東の難民支援策の一環として、シリア難民のうち留学生として2017年から5年間で最大150人の若者を受け入れることを発表しており、こうした日本の支援策に理解を求めたい考えだ。

海洋安全保障では、中国を名指しすることは避けたものの、強い表現で南シナ海問題に懸念を表明した4月の広島G7外相声明を受け、どの程度強い表現が首脳宣言に盛り込まれるかがポイント。

英国の欧州連合(EU)離脱問題について、各国がどのような姿勢を示すか、また、この問題が、首脳宣言の中に盛り込まれるかも注目されている。

2日目の27日は、午前中にG7以外の国や国際機関を迎え、拡大メンバーでアジアの安定、開発とアフリカなどについて、議論を行う。

この日から参加するのは、インドネシア、ベトナム、ラオス、スリランカ、国際連合(UN)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)、アジア開発銀行(ADB)など。

中国がアジアやアフリカで積極的なインフラ投資を進めていることをにらみ、質の高いインフラ投資など、インフラ投資の在り方について議論される見通し。

サミットは首脳宣言を採択し、議長国である日本の安倍首相が記者会見を行うほか、各国首脳による記者会見も予定されている。

その後、オバマ米大統領は、現職の米大統領として初めて、被爆地である広島を訪問する。

(宮崎亜巳 梅川崇 編集:田巻一彦)

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