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【参院決算委】2014年度決算から見える諸問題を足立議員がただす



 参院決算委員会で23日、政府の2014年度決算の締めくくり総括質疑が行われ、民進党・新緑風会から足立信也議員が質問に立った。

 質問に先立ち足立議員は、衆院厚生労働委員会でALS患者の岡部さんを参考人として招致して話を聞くことが拒否された一件にふれ、「ヘルパーさんの翻訳での会話は、相当早い。衆院では委員長をはじめ与党理事の方々は(ヘルパーの翻訳で)会話をしたことがないのでは」と感想を述べ、本日の参院厚労委員会で岡部さんの参考人出席が実現したことについて、「これこそ『良識の府』だ」と参院側の対応を評価した。また、熊本地震に関連して、中央構造線断層帯上に想定されている避難・救援経路の問題や、来たる参院選での選挙人名簿登録に関する懸念などを確認した。

社会保障費の伸びの問題

 足立議員は、14年度の歳出総額98兆円のうち、「社会保障関係費」が前年から9400億円伸びていることを取り上げた。社会保険関係費の中で特に伸びが大きいのは、「年金・医療・介護保険給付費6755億円」と「社会福祉費4526億円」。しかし、年金等保険給付費は年平均5500億円程度ずつ伸びているのに対し、社会福祉費は11年度が3600億円増、12年度が3100億円減、13年度が5000億円減と、年度によって変動が激しい。足立議員はこの理由として「社会保険福祉費には基金で行われるものが多く、基金の積み増しの程度によって増えたり減ったりしている」と指摘。「決算が基金の出し入れに左右され、『何に使われているのか』という実態が分からない」と問題提起し、基金事業の透明化を要請した。

税制の問題

 14年度の国の消費税収は16兆円だが、消費税の使途として定められた「4経費」(年金・医療・介護・子育て)の国の歳出は26.6兆円と、まだ不足している。日本の国民負担率は41.6%と必ずしも高くないにもかかわらず増税が忌避されるのは、「課税される側と、給付を受ける側に分断されているからではないか」と問題提起した。

 その上で足立議員は、企業の製造分野別の税収の推移に着目。例えば自動車産業の納税額は為替動向と直結しており、「ジェットコースターのように」円高では減少し、円安では増加するという「輸出頼み」になっている。これに対し製薬業は大きな変動がなく、こうしたことから足立議員は、「製薬業界や電気機械業界など、為替に影響を受けない業界に対して成長戦略を打つことが大事だ」と指摘した。

足立議員資料「主要製造業の国内納税額の推移」

足立議員資料「主要製造業の国内納税額の推移」

 一方で、国内販売が縮小しつつある自動車産業に危機感を示し、「自動車は地方では生活必需品。現状では、取得・保持・走行段階で9種類も税がかかるが、国内需要を増やすために車体課税の簡素化と二重課税の解消は欠かせない」と訴えた。

 また、世帯収入にも着目し、「1世帯当たりの平均所得は1995年前後をピークに減り続け、2013年時点では20%近く減少した。児童のいる家庭でも11%減少している」と指摘。その上で「1995年は共稼ぎ世帯数が専業主婦世帯数を上回ったという、モデル世帯が変わった年だ」と述べ、「世帯の働き手が2倍になったのに、世帯収入は減り続けている」として政府の見解をただした。塩崎厚労大臣は「所得の低い高齢世帯が増えた」「1人親家庭が増えた」「非正規・正規といった働き方の影響」などを上げたが、足立議員は「考えられる1つの理由は、児童がいる世帯に対する給付が少ない、ということではないか」と問題提起した。

足立議員資料「1世帯当たりの平均所得金額」

足立議員資料「1世帯当たりの平均所得金額」

足立議員資料「世帯類型の推移」

足立議員資料「世帯類型の推移」

 さらに申告納税者の所得税負担率について、所得総額が1億円を超えると負担率が下がるという問題について、「総合課税に転換するか、金融所得課税(現行20%)を25%までに上げるべきだ」と主張した。

その他の問題

 足立議員は、「国境なき記者団」が発表した「報道の自由度」で日本が72位とされたことに危機感を示し、安倍総理の見解をただしたが、安倍総理は「第1次安倍政権では51位から37位に上がったが、どうして上がったか分からない。言論の自由、報道の自由はしっかりと守っていく」と述べ、意に介する様子はなかった。

 放射線被害に関して、福島県と原発事故の影響がないと思われる3自治体の甲状腺検査結果を対比し、福島県と他の自治体との間に「有意な差はない」という事実を示し、「『責任の所在と補償』と『安全性を認めること』は別問題だ」と述べ、「風評被害対策としても、安全性については『有意な差はない』とアピールしてほしい」と求めた。

 子宮頸がんワクチンについて、「私が目指してきたのは証拠に根差した政策形成だ」と前置きし、「子宮頸がんワクチンについて日本が立ち止まっているのは良くない。3年間も積極関知をしないで、国民には接種の努力義務がいまだにかかっている。この事態は解消しなければいけない」と主張した。

民進党機関紙局

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