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【書評】『ロジ旅: ひとりでできる! 失敗しない海外旅行術』(村上アシシ・著)

「この人の底が知れない」という真の意味で、畏友というか顔見知りでもっとも冒険野郎の一人が村上アシシさんでありまして、その彼が自身の海外旅行のノウハウを凝縮させた電子書籍を出したというのでさっそく購入したわけです。

 んで、旅の本と思ってたら、ある種の人生訓みたいな流れになってて興味深かったので取り上げてみました。なお、楽天印のkoboは出てません。kindle版だけです。



 私の困惑した旅行と言うと忘れもしない高校3年のとき、人生二度目の海外一人旅がロシア旅行だったわけなんですけど、言わずもがなソビエト崩壊に直面したソ連旅行でありました。国際空港がね、閉鎖されていたんですよ。バブルの残り香のある日本で買った高い航空機チケットを買ったのが「飛行機飛ばないから」の一言でオシャカになり、しかし何とか帰国しようと思って間違ってキエフにいってしまった17歳の夏。広いユーラシアを片言のロシア語と英語で旅した心細い経験が私の現在を築き上げました。

 そういう私の経験がどうでもいい本です。そのぐらい、もう繰り返し「旅の基本は準備にある」ということを教えてくれる内容は、寝ながら読んでいた私をして正座させしめるほどの説得力に満ちています。旅=未知の出来事に備えるには、それも、旅行かばんという限られた装備、さらにはバゲージロスト上等という途上国を旅する人たちに対してこの本はそこはかとない精神の支えを与えてくれます。「パスポートがなくなった、どうしよう」ではなく「あれ、パスポートどっかいった、はっはっは、そうきましたか」と言えるような心のゆとりは、パスポートの無くなり方から無くなったとき具体的に何が困るのか、どこにいけばどうなるのかといった知識が事前に提示されることで満たされるのです。そして、この本はそういう危機管理の情報が満載です。

 しかも、村上アシシさんがそこまでして世界を旅し、未知と危険に身を晒す理由が「サッカー観たいから」とかいう実に(自粛)で個人的な事情であることもまたハードボイルド。すごくどうでもいい。そのどうでもいいことを全力で追及した結果、とっても普遍的な海外旅行なぜなにマニュアルができてしまうという素敵事案を是非あなたもその目で体験してください。 

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