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海外投資家の国債売買シェアの拡大のリスク

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 5月17日の日経新聞朝刊に「国債購入、海外勢27%に」との記事が掲載された。これは日本証券業協会が毎月20日に公表している公社債投資家別売買高のなかの国債投資家別売買高(一覧)を元に算出したものであろうと思い、早速検証してみた。たしかに2016年3月の外国人による国債の買い付け額(短期債含む)は金額で29兆5446億円となり、全体の買い付け額109兆4686億円の約27%を占めていた。

 国債買い付け額では債券ディーラーがほぼ5割近くを占めており、投資家別ではトップとなるがこちらのシェアはあまり大きな変化がない。それに対していわゆる本来の意味での投資家のシェアは2012年4月あたりから大きな変化を見せていた。

 2012年4月の都銀の国債買い付け額のシェアは17.6%、それに対して外国人は11.7%となっていた。しかし、ここが都銀のシェアのピークとなり、その後10%も割り込んだ。量的・質的緩和の拡大があった2014年10月にいったん10%まで戻すが、そこから再び減少し、直近の2016年3月は2.4%にまで低下している。

 これに対して外国人は2015年3月に20%を超えて、2016年3月に27%まで上昇している。国債全体の買い付け額から債券ディーラーの分を除いて計算し直すと52%のシェアとなっており、その影響力の大きさがわかる。

 代表的な投資家のひとつとして信託銀行のシェアも確認したところ、こちらも2013年2月に10%を超えるシェアであったのが、2015年10月には2.6%まで低下し、2016年3月は4.2%となっている。いずれにしても外国人の日本国債における売買シェアが2015年3月に20%を超えてから急激に上昇していることは確かである。

 国債の買い付け額全体でみると、それほど落ち込んでいるわけではない。国債の流動性は維持されているように見える。大量に国債が発行されており、それが債券ディーラーを通じて投資家と売買されているが、ただし投資家のシェアが様変わりしている。

 過去において債券相場が大きく揺れ動いたときなどメガバンクや信託銀行を通じた年金などが大きな売買をしていたことが多かった。いわばメガバンクなどが債券相場を動かしていたと言えたが、その存在がどうやら外国人投資家に移行してきたようである。

 もちろん国債残高の三割を保有する日銀とその日銀とオペを通じてトレードしている業者、つまり債券ディーラーの存在感も大きい。ただ、今後日本の債券相場を大きく動かすであろう存在として比較的足の速い投資家といえる海外投資家が浮かび上がってきた。高値圏での膠着感が強まる日本の債券相場ではあるが、こういったところにも新たなリスクが存在しているように思われる。

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