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「育児・家事・介護」、3つのことを社会にシェアすれば、もっと豊かになれる──カラーズ経沢香保子×サイボウズ青野 慶久

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起業した会社を辞め、2度目の起業でベビーシッター事業の会社をスタートさせた株式会社カラーズの経沢香保子さん。前編では、待機児童問題や経沢さんの2度目の起業、また会社を経営する上での苦労を経営者の観点からサイボウズ代表の青野と対談をしました。

後編では、家事や育児における男女の価値観や、ベビーシッターは文化として日本に根付くかどうか、そして、社会的意義のある会社に発展させていくためにはどうすればいいのかを、さらに深く切り込んでいきます。

「サイボウズ式」とカラーズの「 Up tou you! 」のコラボレーションでお届けしています。「男性育休=“育児インターン” 男性育休がもたらす本当のメリット」「“保育園落ちた死ね”から“手伝おうかにキレる妻”まで育児の役割分担のあり方とは」も合わせてどうぞ。

人がやっていないからこそオンリーワンになり、得られるものが大きい

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私は男性に「女性が起業するなんて無理だよ」とか「ベビーシッターを日本で広めるのは無理だよ」と言われても、仕方がないなあ、と……。

最初の起業の時がそうでしたが、男性社会の中で資本市場に上場するとなると「女性ができるかな……」と、みんな最初は心配しますよね。

でも、うまくいきそうになると、とたんに「やっぱり女性パワーだ」と言われました。そういうの、私はすごく好きなんです。

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好きなんだ!


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オセロで黒から白に一気にひっくり返るような瞬間を見るのがすごく快感なんです。トレンダーズを上場しようとした時、ほとんどの人が反対したし、ベンチャーキャピタルの人たちには「あなたは女性だから出産がリスクなので、出資しません」と言われたりもしました。

それでも私が出産・育児を続けながら何とか頑張り、上場すると、めずらしがられました。ほかの人がやっていないことだからこそオンリーワンになれるし、女性パワーを認めて頂ける。その快感がたまらない(笑)。

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ある意味、経沢さんご自身がオンリーワンな存在ですよね。だから、会社を離れても経沢さんの価値は下がらなかったのでは?

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ありがたいことですよね。トレンダーズはすごく良い会社でメンバーも優秀だったので、ベビーシッターの事業は一緒にやれたらよかったなという気持ちは全くなくはありませんでした。

でも、今の会社で「創業メンバー」という仲間もできましたし、今はほとんどが自己資金でやっているので、以前のように株主を気にかけたり、遠慮していた自分がなくなったりとやりやすい部分もあるんです。

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経沢さんって遠慮するんですか?


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こんな厚顔無恥っぽいですけど、実はすごく遠慮します(笑)。だから、今はあえて自己資金でやっているんです。株主がいるとやはり株主の立場にも気を遣ってしまいますし。

ベビーシッターは命を預かるサービスなので、安全と信頼が第一です。今は売上よりもサービスクオリティー重視の時期だと思い、とにかくそこにこだわりまくっています。

端から見たら「売上を気にしないなんて」と言われそうですが…。大株主の方がいると、どうしても「いつ上場するの?」という話に必然的になってしまいますよね。

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経沢香保子(つねざわ・かほこ)さん。株式会社カラーズ代表取締役社長。桜蔭高校・慶応義塾大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配も可能な 安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。最新の著書に、『すべての女は、自由である。』(ダイヤモンド社)がある

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誰に株を持たせるか、だと思うんですけどね。


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そうですよね。

株は配当で還元する方が自然

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サイボウズが再び成長できた理由の1つは、途中ではっきり「会社の方針を変える」と言ったことです。

上場して株主が増えましたが、僕は多角化経営なんかできる器ではないと思い、「グループウェアしか力を入れませんし、売り上げや利益が上がったとしても、そこにはこだわりきれません。その代わり、グループウェアを作って世界で一番使われるように広めます」と言ったら、株主の期待とは違ったようで、株主総会が荒れたんですよ。

去っていった株主もいるのですが、2〜3年すると企業理念に共感してくれる人だけが残り、ファンの集いのようになったんです。業績が下がって配当も減っているのに、本当にサイボウズのことが大好きな人が集まっているから、荒れたりもしない。

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「株主であることがうれしい」と。本当にファンの集いのようですね。


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ファンしかいないと、変な遠慮もしないので、自分らしくいることができますよね。


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確かに。お金が絡んで、自分と相手の利害関係が違ってしまうと、本質を見失ってしまいがちですし、本当に切ないですから。


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「売り上げを増やすつもりはありません、株価を上げるつもりもありません」と先に言い切って。


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でも、サイボウズさんはすごく株価が上がっていませんか?


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いや、良い感じに低い状態で安定していまして(笑)。


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定置安定株ですね。


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ええ。今、社員の90%が社員持株会に入っているので、正直、社員の多くは株価がもっと下がれと思っていると思いますよ。


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なんでですか?


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今のうちにいっぱい買えるから。今、倍に上がっちゃったら、来月買える株式の数が半分になっちゃうわけじゃないですか。できれば、自分が引退するまで低くて、引退する瞬間に上がれば、大喜びですよね(笑)。

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青野 慶久(あおの よしひさ)。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。2011年から事業のクラウド化を進める。総務省ワークスタイル変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある

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良い会社ですね。


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株は配当で還元する方が自然なのかなと思うんですよね。


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私も今はそう思っています。もし次に拡大できたら、配当でみなさんに喜んでもらって、株主と会社が長く付き合っていける関係を作れたらなと思います。


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