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「君が代」不起立で再雇用拒否――棄却判決は人権感覚の差

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東京地裁前で不当判決に抗議する原告ら。4月18日。(撮影/永尾俊彦)

卒業式の「君が代」斉唱で起立せず、職務命令違反で処分を受けたのに、同じ理由で定年後の再雇用を拒否するのは違法だとして3人の都立学校元教員が都に約1760万円の賠償を求めた裁判で、4月18日、東京地裁の清水響裁判長は、「職務命令より自己の見解を優先させたことが、再雇用選考で不利に評価されるのはやむをえない」として、請求を棄却した。

しかし、別の原告が訴えた同様の裁判で東京地裁(吉田徹裁判長)は昨年5月に都教委の裁量権逸脱を認め、都に賠償を命じ、東京高裁も支持した(都側は上告中)。

原告の渡辺厚子さんは、「昨年の判決は裁量権を切り縮めたが、今回の判決はフリーハンドを与え、裁量権濫用に歯止めをかけた2012年の最高裁判決以前に逆戻りした」と批判した。

また、原告の元教員は「昨年の判決は、『やむにやまれぬ』気持ちで不起立に至ったことを認めてくれたが、今回の判決は『職務命令に故意に公然と違反』とわざと悪いことをしたかのようで納得できない」と話した。

さらに、原告の永井みどりさんは、「私はカトリック信者。君が代は侵略戦争と神道の象徴なので起立できなかった。体罰などで減給処分を受けた教員も再雇用されているのに君が代不起立だけで不採用にするのはおかしい」と述べた。

澤藤統一郎弁護士は、「判決は『人事政策的見地からの当否の問題は残る』と都教委のやったことは相当ひどいと認めているのに違法とまでは言えないとした。行政を批判する勇気に欠けた判決。吉田判決と清水判決の差は裁判官として最も重要な人権感覚の差だ」と述べた。原告は控訴する方針。

(永尾俊彦・ルポライター、4月29日)

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