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  • mkubo1

中部電力の苦悩−首相による資本主義国家の否定

菅首相の中部電力への浜岡原発停止が無計画で一貫性がないということでブログを書きましたが、案の定、コメントに賛成意見や反対意見をもらいました。
私は、反対意見があって良いと思って書いています。
何も自分の意見が常に正しいなんてこれっぽちも思っていません。
もちろん、マーケットの見通しについても、同様です。

ただ、出来る限り論理的には意見を書こうとしています。
そうでない時もあるかもしれませんが、極力、論理的になるように努めています。

きょうは、原発の賛否というより、別な観点で考えて見ます。
今回の首相の中部電力への要請は、はっきり言えば、資本主義というか法治国家への挑戦だと思います。
瓦礫を超法規的措置により、政府(国)の方で一括処理するのとは、まったく違います。

この要請を受諾するのですが、中部電力の資産によると、年間2500億円のコスト増となり、1500億円程度の経常収支も、1000億円近くの経常赤字になるとのことです。

さて、ここで問題なのですが、この2500億円のコスト増のを誰が負担するかです。
1、電気代の値上げ申請し、海江田経産相は、値上げを承認する。
2、電気代の値上げ申請するが、海江田経産相は、認可しない。
3、コスト増分、政府が補助金?の名目で補填する。

1は中部電力管内の利用者負担
2は中部電力負担となり、最終的には株主へ損害を与える
3は国民の税金で負担(そんな都合のいい補助金なんてないとは思いますが)

結果的に受諾するわけですから、株主代表訴訟が起こる可能性はあると思います。
(特に外国人はこの要請を受諾することを理解することが難しいと思います)
今回の要請は、法に従っているわけではありませんから、中部電力経営陣は、苦戦するのではないでしょうか。

社長の苦悩する様子もわかります。

首相の要請を断るとなると、それは、それで、護送船団電力業界の中では、何をされるかわからい恐怖もあったのでないかと思います。
それとも、水戸黄門よろしく、首相の要請なので、中部電力の株主の権利を首相が犯すこともありえるなるのか・・・

興味があるのは、こういうことが官邸で議論されたのかどうかです。
原発の安全性の議論はよくわかりますが、資本主義国家(法治国家)としては、中部電力が株式会社だということも大事なわけです。

面白い話を聞きました。静岡に実家のある友人が怒っていました。要点を言います。
住民は、地震を百も承知で住んでいるのです。
いつ地震が来てもいいように、リュックや水の準備、頭巾、当たり前です。
原発もわかってうまく付き合うしかないと(古い1と2号機は廃炉に)。
そういうところに、急に、「あそこは、87%の確率で地震が来るから危ない」なんて言われたら、それこそ迷惑だと。何を急に血迷ったかと。

今、急に87%になったのかと。
浜岡は、以前からあるんですよ。なぜ、今なんですか。
結局、事が起こらないと何も出来ない。
おかげで、静岡に新しく家を建てて住もうという人は減るでしょうね。
首相のお墨付きですからね。

首相の発言は重みがあるのです。

逆説的ですが、法律でないからこそ、要請だからこそ、重みがあるのです。

やはり、一国のトップの発言ですからね。

コメントにありましたが、原発反対のデモがあったそうです。
原発反対という意見は、それで、理解できますが、代替発電装置はどうするのでしょうか。
化石燃料になると思いますが、すでに、東京電力は20%近い値上げを申請するようです。
原発の代替は、いまのところ、火力(石油、石炭、天然ガス)しかありません。
残念ながらコストは上がります。
つまり、電気料金はさらに上がるのです。

加えて、CO2削減は無理ですし、最大のリスクは、中東リスクを思いっきり背負うということになります。
日本の原油の輸入先の90%は中東に依存しています(米国がすごいのは、中東依存はなんと15%まで下げていることです)。

もし、中東で戦争やテロが起きて原油価格が上昇すれば、日本のエネルギーコストは、他国と比較しても、大きくあがるということです。
確率論をいうのであれば、日本で大地震が起きる確率と中東で戦争が起きる確率、どちらが高いか自明です。

あと、節電して、少ない電気で、生活すれば良いじゃないかという人がいますが、その人は、仙人か、自己中心的な人が多いと思います。
要は、そんなことは、困難だということです。
現代は、IT社会なんです。すべて、電気があってのことです。そういうのを、今さら否定することは、きわめて難しいと思います。
自動車ですら、プラグインになる時代です。

ですから、原発反対の人は、電気料金値上げ容認派ということになります。
そうでなければ理屈に合いません。

安全を金で買うわけです。

ということは、高いインフラコストの中で生活をし、国際競争力に勝たなければいけません。

もし、あなたが経営者だとすれば、電気が十分な国に工場を建てるか、電気が不足する日本に工場を建てるか、そういうことだと思います。

私は、当面、原発に頼らざるを得ないと思います。
ただ、超伝導が常温で可能になれば、約半分の電力で事が満たせます。
また、太陽光発電が値段が大幅に下がり、性能が上がれば、クリーンエネルギーとして使えます。
さらに、電気自動車もそうですが、蓄電技術が進化することが、最重要だと思います(これが一番遅れています)。
結局、こういう技術革新を待たなければならないと思います。

か、世界で原発を廃止するか…

人間が成長を止めるとは思えませんので、電気の使用量は増え続けます。
原発をなくしたいのであれば、代替の技術を開発するしかないのだと思います。

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