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「パナマ文書」不問 庶民への苛酷な税金取り立て

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東京国税局の下請け業者から『田中龍作ジャーナル』に送り付けられてきた督促の確認状。貧乏人には容赦ない。ホームレスになる可能性も出てきた。

  文・橋本玉泉 / ジャーナリスト

 「あと3円足りない…」

 買い物の際に財布の中身を確認し、スーパーのレジの列からはずれ、商品の一部を棚に戻し、レジに戻った経験など数え切れない。

 当然だが、1円でも足りなければ、米もパンも買うことができない。「1円単位での税金で、生活を縛られている」としか感じられないのだ。
 
 庶民には、その他さまざまな税金が課せられている。住民税に国民健康保険税、自動車税など。いろいろな名目で税金を徴収される。
 
 そうした税金は、種類種別に関係なく、少しでも滞納すれば、行政の担当部署は情け容赦なく徴収の手立てを講じてくる。郵便や電話での催促は執拗だ。

 決して払いたくないわけではない。現金さえあれば、すぐにでも税金を払いたい。庶民はみなそう思っている。

 そこで、事情を説明する。たとえば、失業や給与カット、手当カット、ボーナスカットなどだ。給与生活者は現在、さまざまな負担を強いられている。

 しかし、役所はそんな事情など配慮してはくれない。
「納税は義務です」
担当者は、冷たくそう言い放つばかりである。だが、無いものは払えない。払いたくとも、払えないのである。

 どんな事情があったとしても、税金の「免除」はありえない。一度決められた税金は、何が何でも払わなければならない。

 そこで、役所が認めるのは、せいぜい納付延期か分割くらいである。しかし、納付を延滞すれば、年率14.6パーセントという、まさに消費者金融並みの利息が課せられる。血のにじむような思いでようやく税額を捻出しても、役所は「利息分を払え」と迫るのだ。
 
 では、その利息分が少しでも足りないとどうなるか。やはり、執拗に電話で取り立てをしてくる。

 それでも支払いが滞ると、やがて自宅まで担当者が押しかけてくる。実際、筆者の家族がそれを経験している。

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東京酷税局。パナマ文書に登場する企業や大金持ちから税金を取って頂きたい。さもなくば課税の正当性を失う。=中央区 撮影:筆者=

 「××税の延滞手数料分が未納です。すぐに払って下さい」。金額は、2000円だ。
 
 消費者金融などは、本人にしか請求しない。たとえ親子や家族であっても、本人以外に取り立てを行えば、第三者請求という違法行為になる。
 
 しかし、役所はそんなことはお構いなしだ。配偶者だろうと子供だろうと、その住所にいた者に「払え」と迫る。払うまで、現金を手にするまで、担当者は帰らない。

 仕方なく、生活費のために取っておいた現金や、子供の貯金箱などから、2000円を手渡す。

 「確かに・・・」。担当者は、小銭交じりの現金を受け取ると、不機嫌そうに去っていく。繰り返すが、これは実際、筆者の家族が何年か前に経験したことである。

 ほかにも、自宅の現金ばかりではない。わずかな給与ですら「差し押さえ」によって掠め取っていくのである。
 
 法律では、月額30万円までは生活に必要な金額として保障されているはずである。たとえ貸金業者でも、給与の30万円を超える部分にしか手を出すことはできない。
 
 だが、税金はその対象外である。滞納している税金が5万円で、給与が10万円でも、容赦なく5万円を奪いとっていく。

 これもまた、筆者が実際に経験したことである。「納税者の命や生活より、税金をとるほうが優先なのか」その時、涙を流しながらそう感じたことを今も忘れていない。

 「税金を払わないのが悪い」それが役所の態度である。庶民の事情など、考えもしないのだ。

 おそらく、「パンがなければお菓子を食べろ」とでも言うに違いない。

 寝食を削って働き、あらゆる節約で生活費をやりくりして、それでもなお税金が払えないと、何度も説明しても、行政の担当者が態度を変えることはない。
 
 今年もそろそろ、いろいろな税金の納付書が届く頃である。その一方で、タックス・ヘイブンとやらで税金を逃れた大企業や富裕層の、響くような高笑いが上のほうから聞こえてくる気がしてならない。
 
  ~終わり~

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