- 2016年05月12日 07:30
保育園だけではないひとりひとりにあった育児の選択肢も──カラーズ経沢香保子×サイボウズ青野慶久
1/2匿名のブログの「保育園落ちた日本死ね!!!」という投稿がきっかけで波紋を呼び、待機児童問題が大きな話題となっています。
日本では大々的に取り上げられている待機児童園問題ですが、アメリカでは日本でいう保育園という概念がなく、ベビーシッターが育児支援として根付いているそうです。そんなベビーシッター文化を日本にも根付かせようと2度目の起業をした代表の経沢香保子さん。
今回は、サイボウズ代表の青野慶久の著書『チームのことだけ、考えた。』を経沢さんが読んだことがきっかけとなり、対談が実現。前編では待機児童問題や、経営者同士、起業に関する苦悩や喜びについて意見を交わします。
「サイボウズ式」とカラーズの「 Up tou you! 」のコラボレーションでお届けしています。「男性育休=“育児インターン” 男性育休がもたらす本当のメリット」「“保育園落ちた死ね”から“手伝おうかにキレる妻”まで育児の役割分担のあり方とは」も合わせてどうぞ。
保育園だけではないひとりひとりにあった育児の選択肢も
画像を見る「病児保育」と「待機児童問題」が一向に解消されないので、「日本死ね」というブログが話題になりましたよね。一連の流れを見て、本当にすごくお困りの方がたくさんいらっしゃるんだなと改めて思いました。そして、青野さんにお礼を。先日は弊社がチャレンジしたベビーシッターサービス「キッズライン」のクラウドファウンディングにご協力いただき、ありがとうございました!
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ありがとうございます。ぜひ、頑張っていただきたいです。
画像を見る 「キッズライン」の目指すところは「日本でベビーシッターを文化にする」ことです。
ベビーシッターでも育児の悩みは解決できるということを世の中に知らせたかったんです。病児保育と待機児童の問題って重大ではあるのですが、まだみなさん、あまりご存知ない。
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知っていても、乗り越えて、喉元過ぎれば忘れてしまう、といった感じですよね。
画像を見る そうですよね。小学校に入学すると、小学校での勉強の問題や、学校が終わった後の学童保育など別の問題があるから、待機児童問題は忘れちゃう。
私も当時は、とにかく保育園に入れなきゃと、なんとか入れたすごく遠い保育園に毎朝車で連れて行って大変でした。
保育園を作るのに、保育士も足りないし、実は保育園への補助金は毎月1人あたり20万円以上かかるんですよ。
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高いっ! 維持費だけでそんなに。
画像を見る とても高いんですよ。5歳になれば多少補助金は安くなるんですけど、0歳だと1人あたり20万円以上かかるので。
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なるほど。なぜ保育園だけ頑張って作るのかと。
画像を見る ベビーシッターだったら、補助金なしでシッターさんを1人雇えばいいだけの話です、送り迎えもしなくていいです。
もちろん、集団保育の良いところはあると思うんですけど、0歳1歳など、乳児のときは別に保育園だけにこだわらなくてもいいのかなと。
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経沢香保子(つねざわ・かほこ)さん。株式会社カラーズ代表取締役社長。桜蔭高校・慶應義塾大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配も可能な 安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。最新の著書に、『すべての女は、自由である。』(ダイヤモンド社)がある
画像を見る 確かにそうですよね。やっぱり、待機児童問題がどーんと出ちゃうと、「保育園作らなきゃダメだ」みたいな発想になるんですよね。画像を見る そうなんです。改善しなきゃいけない根本的なものは少子化で、作った箱(保育園)は少子化で用途がなくなったら、高齢者用の施設にすればいいと考えている方が多い印象です。そして多くの方は「箱」思考だなと感じます。
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そうですよね。
アメリカで「保育園問題」は聞いたことがない
画像を見るベビーシッター事情って、日本と海外とでは差があるんでしょうか?
画像を見る かなりあります。アメリカは日本の保育園のような施設があまりないんです。
かわりに、乳幼児を預かってくれる「デイケア」がありますが、日本の保育園のようにお遊戯をしたり歌を歌ったりするのではなく、オムツ替えやミルクを与えるなど、子どものお世話だけをしてくれる施設です。でも、そこは2歳までしか預かってくれません。
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えっ!? では2歳以上の子どもを預けられる場所がないということですか?
画像を見る 2歳以上は幼稚園に入れるのが主流のようです。でも、アメリカではほとんどの家庭でベビーシッターを雇って世話をしてもらっているので、「保育園問題」なんて一度も聞いたことがないですよ。
アメリカのワーキングマザーには、日本でいう「保育園」という言葉はピンと来ないと思います。
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ということは、シッターさんを安く雇えるということですか?
画像を見る 高い人もいますが、だいたい値段は1時間10ドルくらい。ニューヨークのマンハッタンともなると、ベビーシッターバブルです。アメリカでは夫婦で出かけることを大事にするので、クリスマスにはシッターさんの時給が60ドルくらいになることもあります。
画像を見る 前にハワイに行ったときに、トイザらスで子どもを遊ばせておいて「ちょっとこの辺にいてね」と言って離れようとしたら、「ダメです、それは捕まります」と店員さんから言われたことがあって。
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青野 慶久(あおの よしひさ)。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。2011年から事業のクラウド化を進める。総務省ワークスタイル変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある
画像を見る そうです。海外では法律により12歳以下の子どもを大人なしで放置してはいけない州もあるので、なおさらベビーシッターという発想があるのかもしれません。保育園もいい部分はたくさんありますが、基本的にはお母さんが時短勤務をすることを前提としていたり、お母さんが保育園に合わせるという概念なので、対応しきれないことはあると思います。



