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『さよならパヨク』を読んで。

■脱原発運動終焉の足音が聞こえる

 あまり話題になっていないが、現在、隠れたベストセラーとなっている「チバレイ」こと、元祖電脳アイドル千葉麗子氏の実録ノン・フィクション『さよならパヨク』を読んでみた。ちなみに「パヨク」という言葉は、最近、ネットでよく見かけるが、「劣化した左翼」という意味らしい。

 大阪生まれで福島県で育った千葉麗子氏は、東日本大震災を契機に「福島をなんとかしなければいけない」という使命感から、反原発運動に参加することになる。元アイドルということもあり、反原発のシンボルとして担ぎ上げられるが、反原発活動を続けているうちに疑問と違和感を感じて、脱パヨクに至る。その数年間の経緯が短いながらも赤裸々に述べられている。

 かなり際どい内容なので、ここではあえて説明は省略させていただくが、個人的には「やっぱりな…」というのが正直な感想だった。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という諺の通り、反原発運動の真っただ中に潜入した千葉麗子氏の、その活動の中に我が身を置くことによってしか手に入れることのできない生の体験談は、実に興味深く面白かった。元アイドルの歯に衣を着せずの語り口は意外にも新鮮で斬新だった。

 右も左も分からなかった女性が、単身で反原発運動に身を投じるのは、さぞ勇気がいったことだろうし、また、このような暴露本を出すのも更に勇気がいったことだろうと思う。そう考えると、元々、天真爛漫で純粋無垢なタイプなのかもしれないが、現在は、逆に右翼的な活動の方に傾斜されているらしい。

 千葉麗子氏と同じように、さすがに原発事故から数年も過ぎると、熱が覚める…と言うよりも真実に気付き、反原発運動から逃げ出す人は多いらしい。その足音はどんどん大きくなり、本書を通じて遂に我々一般人の耳にも聞こえてくるようになったというところだろうか。

 物事の両極端を知らなければ中道は解らないと言われるが、左も右も体験すれば、中道がよりハッキリと見えるようになるかもしれない。両極を体験した女性としての中道(保守)論を上梓される日を楽しみに待ちたいと思う。

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