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- 2011年03月03日 21:12
欧州の金融政策の行方
今晩、ECBの政策決定会合があります。
議論が深まりにくい問題点が2つあります。
一つは、今のECBに、トルシェさんの後継者の本命がいないことです。どの方も、帯に短したすきに長しという状態のようです。
もう一つは、こちらの方が影響が大きいような気がしますが、大国ドイツ代表は、辞任する(レイムダックの)ウェーバーさんなのです。
新総裁のワイトマンさんは5月のECB会合から出席となります。
まず、こういうちょっとしまりのない状況であることを頭に入れて、ECBの会合を見てみるといいと思います。
今回は、ある程度は、インフレ抑制の姿勢を示すのだと思います。
原油価格の上昇によるインフレ懸念は台頭しているわけですから、インフレについて、どういうトーンでその姿勢を示すかです。
しかしながら、ユーロには、常に爆弾があります。
今は、ポルトガルですが、金融支援を求めてくる可能性は十分にあるわけです。
が、3月のEUサミットでは、欧州ソブリン救済策は、否決となる可能性が高いので、またまた、ポルトガルが問題になりかねないのです。
となると、金融市場が、毎度のことですが、(後々落ち着くことがわかっていても)混乱してしまうので、金融政策にも、影響が出てしまうかもしれません。
こういうことを考えますと、以前のタカ派一辺倒からは、開放されて、万能型の金融政策を取ってくるように思います。
つまり、緊縮財政策を行う(ユーロの信用を上げる)ということは、金融緩和が合理的な政策となります。
インフレ率だけに目を奪われると、ユーロの信認(健全な財政)という最大の問題が解決できなくなるかもしれません。
(だから、ウェーバーさんは、メルケルに切られたのですが)
ユーロの金融政策が動くとすれば、早くても、5月以降となるのではないでしょうか。現実的には、もっと遅いのだと思います。
利上げを早める要素は、唯一つで、急激なCPIの上昇だけです。
それがなければ、後は、利上げを遅らせる要素の方がい多いと思います。
こういう背景があるからこそ、欧州の株価は、相対的に強いのです。
特にドルベースで見ると、年初来のパフォーマンスは、世界で断トツなのです。
今日のコメントにもありましたが、欧州の土地の価格が上がっているのは、まったくもって、同じ理由です。
利上げがしづらいのがわかっているので、過剰流動性がおきているのですね。
傷んでいない欧州の土地(南欧はダメですが)は、資金が向かいやすいのでしょう。
話は米国に飛びます。
明日の晩は、雇用統計です。
予想は、次の通りです。
非農業部門雇用者数変化 195,000人増加 (前回 36,000人増加)
失業率 9.1% (前回 9.0%)
今回は、上ぶれを予想する声が聞こえてきます。改善するということです。
先日のISMの時は、いい数字にもかかわらず、マーケットは、大きく下落しました。
もし、雇用統計がいい数字でも、マーケットが上がるかどうかここは注目です。
いい数字が出て、マーケット上がるどころか、逆に下げるようですと、これは、下がるサインになりますので、要注意なのです。リンク先を見る私が何回も書いていることなのですが(今日のコメントにもありましたが)、バーナンキさんが望んでいるのは、住宅価格の上昇と失業率の低下です。
グラフを2つ添付しておきます。
1つは、S&Pケース・シラー指数です。もう1つは、失業率です。
この2つが赤い矢印の方向へ向かうことが、バーナンキさんの望みなのです。
極論を言えば、この2つだけ見ておけば、長期的な見通しは、まず、はずさないと思います。今のところは、小康状態なわけです。
リンク先を見る
議論が深まりにくい問題点が2つあります。
一つは、今のECBに、トルシェさんの後継者の本命がいないことです。どの方も、帯に短したすきに長しという状態のようです。
もう一つは、こちらの方が影響が大きいような気がしますが、大国ドイツ代表は、辞任する(レイムダックの)ウェーバーさんなのです。
新総裁のワイトマンさんは5月のECB会合から出席となります。
まず、こういうちょっとしまりのない状況であることを頭に入れて、ECBの会合を見てみるといいと思います。
今回は、ある程度は、インフレ抑制の姿勢を示すのだと思います。
原油価格の上昇によるインフレ懸念は台頭しているわけですから、インフレについて、どういうトーンでその姿勢を示すかです。
しかしながら、ユーロには、常に爆弾があります。
今は、ポルトガルですが、金融支援を求めてくる可能性は十分にあるわけです。
が、3月のEUサミットでは、欧州ソブリン救済策は、否決となる可能性が高いので、またまた、ポルトガルが問題になりかねないのです。
となると、金融市場が、毎度のことですが、(後々落ち着くことがわかっていても)混乱してしまうので、金融政策にも、影響が出てしまうかもしれません。
こういうことを考えますと、以前のタカ派一辺倒からは、開放されて、万能型の金融政策を取ってくるように思います。
つまり、緊縮財政策を行う(ユーロの信用を上げる)ということは、金融緩和が合理的な政策となります。
インフレ率だけに目を奪われると、ユーロの信認(健全な財政)という最大の問題が解決できなくなるかもしれません。
(だから、ウェーバーさんは、メルケルに切られたのですが)
ユーロの金融政策が動くとすれば、早くても、5月以降となるのではないでしょうか。現実的には、もっと遅いのだと思います。
利上げを早める要素は、唯一つで、急激なCPIの上昇だけです。
それがなければ、後は、利上げを遅らせる要素の方がい多いと思います。
こういう背景があるからこそ、欧州の株価は、相対的に強いのです。
特にドルベースで見ると、年初来のパフォーマンスは、世界で断トツなのです。
今日のコメントにもありましたが、欧州の土地の価格が上がっているのは、まったくもって、同じ理由です。
利上げがしづらいのがわかっているので、過剰流動性がおきているのですね。
傷んでいない欧州の土地(南欧はダメですが)は、資金が向かいやすいのでしょう。
話は米国に飛びます。
明日の晩は、雇用統計です。
予想は、次の通りです。
非農業部門雇用者数変化 195,000人増加 (前回 36,000人増加)
失業率 9.1% (前回 9.0%)
今回は、上ぶれを予想する声が聞こえてきます。改善するということです。
先日のISMの時は、いい数字にもかかわらず、マーケットは、大きく下落しました。
もし、雇用統計がいい数字でも、マーケットが上がるかどうかここは注目です。
いい数字が出て、マーケット上がるどころか、逆に下げるようですと、これは、下がるサインになりますので、要注意なのです。リンク先を見る私が何回も書いていることなのですが(今日のコメントにもありましたが)、バーナンキさんが望んでいるのは、住宅価格の上昇と失業率の低下です。
グラフを2つ添付しておきます。
1つは、S&Pケース・シラー指数です。もう1つは、失業率です。
この2つが赤い矢印の方向へ向かうことが、バーナンキさんの望みなのです。
極論を言えば、この2つだけ見ておけば、長期的な見通しは、まず、はずさないと思います。今のところは、小康状態なわけです。
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