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日本政治で存在感増す公明党

公明新聞:2016年5月8日(日)付

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対談する田原総一朗氏(右)と山口那津男代表

自民の行き過ぎ抑えるブレーキ役 田原
「連立の時代」の合意形成に寄与 山口

公明党が国政(参議院)に進出してから今年で60年を迎えます。今や公明党は連立政権の一角を占め、日本の政治における存在感を高めています。こうした公明党の役割について、ジャーナリストとして第一線で活躍する田原総一朗氏と、公明党の山口那津男代表が語り合いました。

画像を見る田原 公明党の国政進出から今年で60年ですね。

山口 公明党の国政進出は参院からでした。1956年にわれわれの先輩が無所属候補として参院で初議席を得たのが始まりです。

64年の公明党結党から半世紀余り、その前半は野党として自民、社会両党による55年体制の下で置き去りにされた庶民の声を国政に届ける闘いでした。

とともに、地方議員を多数擁していたので、むしろ地方議会で生活に身近な実績を丁寧に積み上げていきました。

89年に冷戦が終結し、国内外の情勢が変化する中、公明党は連立政権の一角を担うようになりました。

田原 公明党は庶民を代表する党だ。自民党と連立を組んだことは、一般の国民には抵抗感があった。公明党の支持者にとっても同じだったのでは。

画像を見る山口 当初は戸惑いや抵抗感もあったでしょう。ところが93年以降、日本では、自民党をはじめ、どの政党も単独で衆参の過半数を獲得できない連立政権の時代が続いています。

かつては与野党で対峙した自公両党が、互いの意見をぶつけ合いながらも、合意をつくっていかないと、政治が前に進まなくなったのです。

田原 公明党が自民党にくっついていく様子を「げたの雪」と揶揄されたことがありました。

山口 一方で「げたの鼻緒」と評価する声もありますね。

田原 鼻緒が切れたら、歩けないと。

山口 そうです。公明党が意地を張って連立を離脱したら、政権そのものが揺らいでしまう。そのことへの国民の不安も大きい。だから、政権の要として、鼻緒の役割をきちんと果たそうと言い聞かせながら、忍耐強くやってきました。

田原 かつての自民党には、主流派、反主流派、非主流派がいて、政策や思想の多様性がありました。しかし、96年の衆院選から小選挙区制が導入され、主流派の暴走を抑える存在が党内に見当たらなくなりました。今、その役割を公明党が果たしています。

山口 連立政権の時代における公明党の役割は、民意を広く捉えて合意をつくり、支持を得ること。具体的には、自民党の行き過ぎにはブレーキをかけ、生活者目線から政策のアクセルを踏むという二つの役割が期待されているのではないでしょうか。

専守防衛の基本理念を堅持 山口

「戦争法」の批判当たらない 田原

田原 ブレーキ役としての公明党の役割は、今年3月に施行された平和安全法制でも発揮された。公明党は平和主義を柱としている。だから「集団的自衛権の行使には反対だ」と自民党を突っぱねて、議論に応じなくてもよかった。しかし、そうしなかった。

山口 集団的自衛権の行使については、自民党も、政府も長年、憲法違反だと言ってきました。

一方で日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しています。それなのに、従来の日米安保体制が、実際には十分に機能する体制になかったことが挙げられます。

そこで日米防衛協力の実効性を向上させるとともに、隙間のない防衛体制を構築して抑止力を高めたのが、今回の法制整備でした。

田原 公明党はよく頑張った。恐らく公明党がいなければ、自民党は憲法で認められる個別的自衛権の範囲を超えたフルスペック(全面的)の集団的自衛権の行使を容認していたはずだ。

山口 公明党は、2014年7月の閣議決定に「自衛の措置」(武力行使)の新3要件を盛り込み、自衛隊の武力行使はこれに該当する自国防衛のために限定されると歯止めをかけました。

田原 日本の平和と安全に関係ないもっぱら他国を守るための集団的自衛権の行使は事実上できなくなった。

山口 その通りです。専守防衛という憲法9条の基本理念は堅持されています。

田原 昨年7月に配信された朝日新聞(電子版)のアンケート結果で、平和安全法制について憲法学者ら122人中104人、全体の85%が「憲法違反」と答えているが。

山口 同じ調査結果で、自衛隊は「憲法違反」「憲法違反の可能性がある」との回答が、合わせて77人、実に63%に達しています。そもそも自衛隊を違憲とする憲法学者たちが、自衛隊の存在を前提とする平和安全法制を認めないのは容易に想像できることです。

田原 自衛隊が違憲の存在かどうか、本当はもっと論議しないといけない。

山口 国民はむしろ、自衛隊の存在を肯定しています。災害派遣はもちろん、国連平和維持活動(PKO)も容認しています。憲法の枠内で自衛隊を国民のため、国際協力のために生かして、どうコントロールするか。そうした議論を真正面からやるべきだし、憲法学者にも期待したい点ですね。

田原 一方、来年4月の消費税率10%への引き上げと同時に導入される軽減税率制度は、公明党がアクセル役を担った。当初、自民党も、財務省も反対だったが、公明党の要求をのみ込んだ。これはなぜですか。

山口 自民党内でも、経済成長を重視する人たちは、社会保障の安定財源確保のための消費税率引き上げが、国民に痛税感を与えて、消費を冷やし、経済に悪影響をもたらすことを懸念していた。だから国民の痛税感を和らげる軽減税率への支持がありました。

「せめて毎日の生活に必要な飲食料品などの税率だけでも軽くしてほしい」との庶民の願いに応えるため、主張を貫き実現しました。

野党共闘も限界見える 田原

基本政策の違い棚上げ 山口

山口 参院選を見据え、民進党や共産党など野党が「戦争法(平和安全法制)の廃止」という一点で結び付きを強めています。国家像や政策の違いを棚上げした姿に違和感を抱く国民も多いのではないでしょうか。

田原 まず「戦争法」との批判は当たらない。その上で共産党の呼び掛ける「国民連合政府」はあり得ない。せいぜい参院選の1人区で野党統一候補を擁立する程度。綱領で日米安保条約廃棄を掲げる共産党とそれ以上の共闘を民進党も考えていないはずです。

正直言って野党はだらしない。直近の国政選挙で野党党首にアベノミクスの批判ばかりしないで対案を出すべきだと言った。しかし出てこなかった。

山口 自公政権の経済政策によって、企業収益が増え、賃金の引き上げなどが行われた。その結果、民主党政権時から国税で15兆円、地方税を含め21兆円も税収が増えました。

地方創生や1億総活躍といった日本が直面する課題に対し、公明党は「希望が、ゆきわたる国へ。」をスローガンに掲げ、この3年間の成果を生かし、成長と分配の好循環を成し遂げる役割を果たしていきたい。

田原 今挙げた課題はいずれも地方が深刻だ。公明党の持ち味が発揮されることを期待しています。

たはら・そういちろう
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。テレビ局勤務を経て77年にフリーに。政治や経済の問題に対し、活字と放送分野で評論活動を続ける。著書に『日本の戦争』(小学館)など。

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