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行政監視委員会報告(3)誰が責任を取るのか?

企業であれば、目標達成の責任者が誰かは明確です。
営業所の売上目標の達成責任者は、営業所長です。
営業所全体の売上目標の達成責任者は、営業本部長です。

「日本再興戦略において設定された136のKPIの達成責任者はそれぞれ誰でしょうか?」
行政監視委員会でこのような質問をしたところ、「担当する各省庁です」という回答が返ってきました。
私が聞きたかったのはもちろん、そのような回答ではありません。
各省庁は、責任“者”ではありません。
各省庁には、大臣、副大臣、政務官がいて、事務次官、審議官、参事官、室長、課長など、多くの役職者がいます。そうした管理職の中で、「開業率を10%にする責任者は誰か?」ということです。
もちろん、行政部門の長たる大臣は最高責任者ではありますが、大臣・副大臣・政務官は内閣改造とともに入れ替わる存在であり、実務上の責任者を官僚から選任すべきです。

続けて、もう一つ質問しました。
「責任者は、上から与えられたKPIをただ受け入れるのでしょうか?それとも「その目標は無理です!」「予算と人をこれだけいただければやれます!」といった交渉はできるのでしょうか?」

責任者が目標をコミットするためには、当然、必要な責任と権限、資源が与えられることが前提です。優秀なマネージャーであれば、上司から降ってきた目標やKPIをそのまま受け入れることはありません。
この質問に対しては残念ながら曖昧な回答でした。

経営学者のドラッカー氏は、組織がイノベーションに成功するための条件の一つに、「コミットしてくれる力のある責任者を探すこと」と述べています。わが国の行政では、責任“者”が不明確なので誰もKPIに対してコミットしておらず、結果として開業率を10%にするというKPIは 一向に進捗していません。

「誰も責任を取らない体制」が、日本経済がなかなか好転しない要因の一つだと私は考えますが、皆様はどうお考えでしょうか?

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