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「学校関係者評価」 実施していても活用されず? - 斎藤剛史

「学校評価」という言葉をご存じでしょうか。学校の実態を客観的に分析・評価して、今後の学校改善に生かすためのもので、「自己評価」「学校関係者評価」「第三者評価」の3種類があり、国公私立全部の幼稚園から高校までの学校で、実施することになっています。文部科学省の調査によると、ほとんどの公立学校で、保護者や地域住民などによる学校関係者評価が実施されているものの、その中身を見ると、まだまだ課題が少なくないようです。

  • ※学校評価等実施状況調査(平成26年度間 調査結果)
  • http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakko-hyoka/1369130.htm

従来から学校評価は多くの学校で実施されていましたが、2007(平成19)年に学校教育法が改正され、学校評価のうち、自校の教職員で行う自己評価の実施と公開が法的に義務付けられると同時に、学校関係者評価の実施が、努力義務とされるようになりました(第三者評価は任意)。学校から教育活動や生徒指導などの満足度に関するアンケートの調査票を受け取ったことがある保護者のかたも多いと思いますが、それは、学校関係者評価の資料とするためです。

2014(平成26)年度、学校関係者評価を実施しているのは、国立学校95.0%、公立学校96.0%、私立学校44.8%となっており、私立学校を除けば、ほとんどの国公立学校で、学校関係者評価が導入されています。一見すると、多くの学校で、さまざまな視点で、学校関係者評価が行われているように見えます。

ところが、学校評価の活用を見ると、「職員会議等で改善の手だてについて話し合う機会を設けた」のは自己評価で92.4%、学校関係者評価で62.9%、「改善のための具体的な取組に活(い)かした」のは自己評価77.4%、学校関係者評価53.9%、「その後の基本方針や目標設定に反映した」は自己評価69.7%、学校関係者評価45.7%、「保護者や地域住民等と改善の手立てについて話し合う機会を設けた」のは自己評価42.0%、学校関係者評価15.4%でした。いずれも教職員が行う「自己評価」よりも低い割合となっています。

また、学校評価が「大いに効果があった」という学校は、「自己評価」が20.3%だったのに対して、学校関係者評価は13.7%と低くなっています。学校関係者評価は、多くの学校で実施されているものの、学校改善に対する影響力はあまりない、というのが実情のようです。

なぜ、学校関係者評価は、あまり重視されないのでしょうか。一部には、外部からの介入を嫌ったり、保護者や地域住民には適切な評価はできないなどの意識があったりする教職員がいることも、否定できないようです。

これに対して文科省は、学校・家庭・地域の連携協力のため、「地域とともにある学校づくり」を進めることが重要であるとして、学校関係者評価を、学校と保護者・地域住民などとの「コミュニケーションツール」と位置付けています。

学校関係者評価は、保護者などが学校を監視するためにあるのではなく、互いに協力して子どもたちの教育をよくするためのものだといえます。学校は積極的に評価のための情報を公開し、保護者も、学校関係者評価の結果を意識することが必要でしょう。

(筆者:斎藤剛史)

プロフィール

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斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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