記事
  • Sozen
  • 2011年10月30日 13:25

原油市場縮小でファンドの影響力増す

リスク資産を回避する傾向の中でニューヨーク原油先物市場の総資金量は減少しており、価格変動に対するヘッジファンドの影響力は相対的に増しているように思われます。

10月は比較的堅調な原油相場となりましたが、ここ数日は特にNYMEX WTI 原油先物の突出した上昇が目立ちますね。

欧州のブレント原油相場との価格対比では、9月には$25/bblを超えていたブレントのWTI に対するプレミアムが、この数日の縮小で$16/bbl台となっています。

リビアの産油量が回復中とはいえ、他油種を置き去りにWTI だけが上昇した要因は原油全体のファンダメンタルズに求めることができず、また、前週の米国の原油在庫は予想以上の増加ですから米国独自の原油需給をみるとむしろ弱くなっています。

結局唐突なWTI の独歩高の理由としては、ファンドの買いによるものと考えるのが妥当なのでしょうか。

今年に入ってからのヘッジファンドによるNYMEX WTI 原油先物の買い越し幅とブレントのWTI に対するプレミアムの推移を比較してみると、一定の相関関係はありそうです。

グラフ

買い越し幅が拡大している時はWTI 価格が上昇してプレミアムが縮小し、買い越し幅が縮小している時プレミアムは拡大という具合ですね。

ただ、ファンドの売買にどこまで相場全体への影響力があるのかという疑問も生じます。

下の図に見るように、NYMEX原油先物の総取組高に対するファンド玉の占有率は2007年〜2008年の大相場の時には30%に接近しましたが、リーマンショック後は20〜25%での往来ですね。

グラフ

今年9月には21%台だった占有率は、ここにきて25%に近づいています。

ファンドが買うから相場が上昇するのか、上がるからファンドが買いつくのかは不透明な部分もありますが、足元のWTI 先物相場ではファンドの影響力は確実に増しています。

とはいえ、今年6月で量的緩和第二弾が終了した後は銀行預金の増加で米国のマネーサプライが急増した一方、原油先物の取組高は減少傾向となっており、リスク資産を避けて安全なところに資金を置く傾向がはっきりしています。

グラフ

縮小していく市場の中で相対的に占有率の大きくなったファンドが力技で相場を持ち上げようとしても、資金の流入が続かないのでは限界点も低いのでしょうね。

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。