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問題。「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?!

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以前書いたこととかぶりますが、「集団的自衛権は憲法違反だ!だから平和安全法制は憲法違反だ!」というのをまだちょくちょく耳にするので、改めて。

さて、タイトルの問題。
「集団的自衛権の行使は憲法違反である」……マルかバツか?!

結論からいうと、この答えは「集団的自衛権を行使してなにをやるかによる」です。
「集団的自衛権を行使して憲法に反することをやる」のであればそれは憲法違反ですし、「集団的自衛権を行使して憲法に反しないことをやる」のであれば憲法違反じゃありません。

ので、「集団的自衛権=憲法違反」ではありません。
そして、「平和安全法制で定められている集団的自衛権の行使」は憲法違反ではありません。
では、詳しく見ていきましょう。


★今日のハイライト★
・集団的自衛権の行使には、憲法違反のものと、憲法違反じゃないものとがある
・1972年に、政府は「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と答弁したが、このときは冷戦中だった
・今は冷戦もとっくに終わって、世界情勢も日本を取り巻く安全保障環境もまったく違う
・「憲法解釈が変わった」のではなく、「世界情勢が変わった」
・平和安全法制での「集団的自衛権の行使」はとても限定的
・「新三要件」を読めば「平和安全法制で定められた集団的自衛権の行使は憲法違反じゃない」ことが分かる
・平和安全法制は憲法違反ではありません
・そして憲法13条を考えれば、「平和安全法制を廃止する」ことこそが憲法違反です


……えー、今回も長文になりそうなので、先に「今日のハイライト」を作ってみました。
これ、あったほうがいいですか?ないほうがいいですか?
どっちなんだろ。

では、本題。
「集団的自衛権の行使は憲法違反かどうか」。

これを考えるために、まず憲法を見てみましょう。
武力に関することは、9条に定められています。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



このうち、武力に関するのはこちらです。

武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。



「武力(威嚇も行使も)は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄する」
です。

ので、単純に
〇国際紛争を解決する手段としての武力→憲法違反
〇国際紛争を解決する手段ではない武力→憲法違反じゃない
です。

そしてもひとつ。
憲法には「9条」以外にもたくさんあります。
安全保障というと9条ばかりが取り上げられがちですが、9条以外にも安全保障に関わる項目があります。
それは、「13条」です。

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。



ので、立法その他国政が、公共の福祉に反してないのに
「国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしない」
のは憲法違反です。

ここまでをまとめると、憲法は
〇国際紛争を解決する手段としての武力→憲法違反
〇国際紛争を解決する手段ではない武力→憲法違反じゃない
〇国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしない→憲法違反
と定めています。

では、次。
「集団的自衛権」とはなにか。
の前に、まず「自衛権」とはなにか。

【自衛権】
外国からの違法な侵害に対して自国を防衛するために緊急の必要がある場合、それに反撃するために必要な限度で武力を行使する権利。
(大辞林より)



自衛権は、国連憲章によって国連加盟国すべてに定められている権利です。
個別的、集団的に関わらず、自衛権はすべての国連加盟国が持っている権利です。
日本も自衛権を持っていますし、「自衛権を放棄する」という法制はありません。
日本も他国と同じく、個別的、集団的に関わらず「自衛権」を持っています。

が、「自衛権の行使」となると話は別です。
日本には憲法9条があります。
ので、憲法9条に反しないように自衛権を行使しなければなりません。
これは、個別的も集団的も同じです。
個別的、集団的に関わらず、憲法9条に反しないように自衛権を行使しなければなりません。

そして同時に憲法13条があります。
「国民の生命・自由・幸福追求権を尊重する」という13条を守るために、自衛権を行使しなければなりません。

再度ここまでをまとめると、

〇国際紛争を解決する手段ではない武力は、憲法違反じゃない(憲法9条)
〇国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をしないのは憲法違反(憲法13条)
〇個別的、集団的に関わらず、憲法9条にも憲法13条にも反しないように自衛権を行使しなければならない

→憲法に反しないように、国民の生命・自由・幸福追求権に最大の尊重をし、国際紛争を解決する手段ではない武力で自衛権を行使する


となります。

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