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マイナンバー提出強制/事業所が就業規則で 法律では拒否できる

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 法律では拒否できるはずのマイナンバー(共通番号)提出を、就業規則で提出を強制する職場が続出しています。弁護士らから、法律から外れた運用の危険や民間に任せっぱなしにする政府の無責任を指摘する声があがっています。(矢野昌弘)

 ある事業所で職員に配られた「確認書」。マイナンバーを出したくない職員が、提出拒否の意思表示をするための書類です。

 この書類には「提供拒否によって私が被る不利益を理解する」と書かれています。さらには「不利益について損害賠償等の法的措置は行いません」と、職員に誓約させるものとなっています。

 別の事業所では、就業規則でマイナンバーを「提出しなければなりません」と明記。「提出を拒んだ者は、採用を取り消すことがあります」となっています。

 こんな手法を勧める“指南本”やインターネットなどのひな型文書が事業所でそのまま使われている例が多発しています。

 「職場にマイナンバーを出すか、出さないかは個人で判断すべきことで、強要があってはなりません」と語るのは、労働組合役員のAさん。こうした提出が“強要”された事例の相談を受けています。

 Aさんは「事業所がマイナンバーに過剰反応しています。いま意思表示しなければ、今後ますます拒否できない社会になっていく怖さを感じます。労働者を脅すようなことは許されません」と憤ります。

法逸脱は危険

 マイナンバー法は、従業員らのマイナンバー収集と管理などを、事業者の努力義務にしています。

 しかし、個人にマイナンバー提出を義務づけてはいません。そのため従業員が提出を拒み、番号なしの書類を税務署などに提出しても問題はありません。

 ところが、提出することが就業規則に盛り込まれると、“業務命令”となります。提出を拒むと、処分の対象になりかねません。

 この問題に詳しい田原裕之弁護士は「マイナンバーは個人情報であり、よりデリケートな運用がなされるべきもの。それなのに、法律を飛び越えた運用が行われているのは危険だ」と指摘します。

 厚生労働省のリーフレットは「不利益な取り扱いや解雇等は、労働関係法令に違反又は民事上無効となる可能性」としています。しかし、内閣官房のホームページは「必ず就業規則に規定しなければいけないものではありませんが、(中略)各事業者においてご判断をいただければ」と、事業者の判断任せにしているのが実態です。

 川口創弁護士は「マイナンバー制度は企業による番号の収集を前提にしている以上、国は配慮する義務があり、民間任せは許されない。就業規則での強制はダメだと政府に明示させる必要がある」と訴えます。

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