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  • Sozen
  • 2011年06月19日 10:53

中国・中東頼りの石油需要成長予測

国際エネルギー機関(IEA)による石油需給の中期見通しが発表されました。2010年以降の景気回復基調を受けて、昨年発表された見通しからは需要の上方修正が行われています。ただ、予測による石油需要の伸びは中国と中東などに集中しており、成長見通しの脆弱性も感じられます。

下の表に見るように、今後5年間に世界経済が平均で年率4.5%程度の成長を続けると仮定した場合、石油需要は2016年まで毎年平均すると日量120万バレル、年率にして平均1.3%程度成長する見通しです。




2012年には日量9,000万バレルを超え、2016年には同9,526万バレルに達する予想となっています。
OPEC非加盟国による供給量も上方修正されていますが、需要の伸びの方が大きく、OPECによる原油供給量は現状より多い日量3,000〜3,250万バレルが必要とされる見通しです。

また、この表によると2010年のOPEC原油に対する必要量は日量2,996万バレル、2011年は同3,014万バレルとなっていますが、IEAの月報によれば2010年のOPECによる推定産油量は日量2,870万バレル、今年第一四半期の産油量は同2,970万バレルですから、実際の産油量は不足気味ですね。
このギャップが昨年以降の原油価格上昇の一因と考えられます。

今回の需要見通し上方修正は、昨年以降の景気回復が当初予想以上だったことを基にしています。
IMFによる昨年4月時点での世界経済見通しは2009年の世界のGDP成長率推定が-0.6%で、2010年と2011年の見通しは+4.2%と+4.3%でした。しかし、今年4月時点のIMFの数値は2009年実績が-0.5%、2010年推定は+5.0%で2011年見通しは4.4%へと上方修正されていますね。

ただ、原油相場の高値が景気減速を招く懸念も強く、今は軟化している相場が再び$100/bblを超えて上昇した場合、世界の経済成長が鈍化すると予想されます。
下のチャートでは上のグラフが4.5%経済成長のケース、下のグラフは3.3%程度の成長に止まった場合のケースです。

グラフ

成長率の鈍化によって、目先2〜3年の石油需要の伸びも低下しますが、2016年頃にはいずれのケースでも年間で日量100万バレル程度の成長というパターンに収斂するようですね。

IEAによると、石油需要の安定的な伸びは主にアジアや中東によるもので、中国が全体の需要の伸びの41%、その他のアジア諸国と中東とで53%を占めています。
一方、先進国の石油需要は漸減傾向で、2013年にはOECD加盟国の需要と非OECD加盟国の石油需要が逆転する見通しとなっていますね。
需要の中心はガソリンやディーゼルなど輸送燃料ですが、自家発電用の軽油需要も大きくなっているようです。

需要の伸びのうち94%が中国や中東に集中というあたりに不安要素がうかがえますね。
中国など新興国の経済モデルは依然としてOECD諸国への製品供給ですから、OECDの減速はいずれ新興国経済に対してより大きなインパクトを与えると思われます。

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