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岸田外相の訪中記事に見るメディアの取材力のなさ

 きょう5月1日の各紙の報道は岸田外相の訪中の事ばかりだ。

 ゴールデンウィークで記事にするニュースがないからか。

 そうではない。

 いまや日中関係は安倍外交の中で、最も重要で困難な問題なのである。

 おまけにサミット議長国として中国問題をどう位置づけるかは、安倍首相にとって、最重要なテーマである。

 だから、各紙がこぞって大きく取り上げるのは当然だ。

 ところが、各紙の記事を読み比べても、今度の岸田外相の訪中がどういう成果をもたらしたのか、いや、それ以前に、そもそも今度の岸田外相の訪中が何を目ざしたものか、さっぱりわからない。

 なぜか。

 それは各紙とも、目新しい情報を努力して入手して報じようとしないからだ。

 だから各紙とも記者の作文に終始している。

 そんなことは評論家にまかせればいい。

 新聞が報じるべきは情報である。

 なぜ各紙は情報を流せないのか。

 それは外務省のタレ流す情報を書くことに終始して来た怠慢のツケである。

 しかも今度の岸田訪中について、外務省と岸田外相は官製情報さえ流さなかったらしい。

 だからますます記者たちは書けない。

 その一方で、中国の外務省と王毅外相は中国側の立場について詳しく流した。

 日本の記者はそれを書くしかない。

 その結果どういう報道になったか。

 中国側がこれまでの立場を変えなかったという事ばかりが流される。

 それでは記事にならないので、岸田外相も言いたい事を全部言ったとなる。

 その結果4時間にも及ぶ長く、真剣な会談になったなどと書く。

 それでは決裂するしかないが、それでは岸田外相の面目が立たないから、そうも書けない。

 これ以上関係が悪くなることは日本も中国も望まないから、日中関係改善の重要性では一致した、と書くしかない。

 まさしく作文だ。

 こんな調子だから、いくら新聞記事を読んでも、今度の岸田外相の訪中の本当の事は何もわからない。

 しかし、ひとつだけはっきりしたことがある。

 それは共同記者会見も歓迎晩さん会もなかったということだ。

 これは「日本の外相が国際会議以外で中国を訪問するのは4年半ぶり」である(5月1日朝日)にしては、異例で異常なことだ。

 結論から言えば、今度の訪中は、ゴールデンウィークを利用して訪中する事を日本側から頼み込んで実現した外相会談であったということだ。

 最初から成果など期待していなかった訪中であるということだ。

 訪中して外相会談をおこなったということが、唯一、最大の成果だという事である。

 メディアが何も書かないから、そう推測するしかない。

 そして、何を推測しても、その推測は正しいことになる。

 情けないぞ、同行記者諸君(了)

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