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大学生・新社会人のための株式入門 第4回「いつ株式投資をはじめる?」

今日は「株式投資を、いつ始めるのがベストなのか?」ということについて書きます。

有名な相場師、ジェシー・リバモアは、小僧のときに株式の投機に手を染めています。またカリスマ的なヘッジファンド・マネージャー、マイケル・スタインハートも子供の頃から証券会社の店頭に出入りしていました。

このように相場で大きく当てる人は、他の子供がスポーツや戦争ごっこに熱中している頃、新聞の株価欄(=これを昔の表現では値紙といいます)に頭を埋める「へんな子供」である場合が多いようです。

もちろん、社会の仕組みを知らない幼少の頃から株に手を染めたところで、失敗するのがオチでしょう。

でも失敗は、良い投資家になるためには避けて通れない貴重な体験であり、早く経験した方が良いのです。

マーケットは、定規で一直線に右肩上がりの直線を描くようには上がってくれません。かならずUP & DOWNがあります。

だから自分の計画通り、もくろみ通りに動いてはくれないし、そういう上下動に引っ掛かって損するというのは、不運ではなく、むしろ当然だと思うべきです。

このように、相場とは、自分の意のままにならない、なにか別のちからに、自分が一生懸命稼いだ虎の子のおカネを、委ねてしまう行為なのです。

ここまで読むと99%の読者は(そんないい加減なコトは、嫌だ!)と思うでしょう。

僕も、そういう一人でした。

僕はもともと建設会社に就職しました。(おカネのことは、得意じゃない)という引け目を感じたので、直接、モノを作る仕事の方が自分に合っていると思ったからです。

これはすべてのモノづくりに共通することだと思うけど、モノづくりでは欠陥商品は、あってはなりません。すべてが均一な品質で、結果が同じでなければいけないのです。

これは広く日本人が共有する価値観であり、それ自体は良いことだと思います。

ただ品質にムラが無い、カッチリとしている……ということだけでは、成功は保証されません。なぜならそれが売れてゆく場所は、実体経済という常に呼吸し、変動し続けている処だからです。

(よいモノ、確かなモノを作ったのだから、必ず売れる)と確信して世に問うても、まるっきりダメだった例など星の数ほどあります。

季節に四季があり、人間に赤ん坊、青年、壮年、老年、死……というサイクルがつきまとうのと同様、経済そのものも常に上下動を繰り返しているし、国家には浮沈があります。そう考えれば、何も変わらないのはおてんとうさまくらいのもので、後は全て移ろいでいるのです。

僕の場合、中東で石油精製プラントを建設していました。精油所には真空蒸留塔などの大きな器が必要です。日本鋼管鶴見製作所などで丹念に製作されたそれらの巨大な構造物を、クウェートの砂漠で「ごろん」とトレーラーから落としてしまったら、万事休すです。

また精油所では精密な回転機器が沢山稼働しています。それらの据え付けに際しては、1ミリの誤差も許されないのです。

無数の電源ケーブルやワイヤーは、正しく取り付けられることが必要です。

砂嵐で一寸先も見えないような悪天候の中で、まつ毛や鼻の孔や唇の周りを砂で真っ白にしながら、職人さんたちは、そういう機器を据え付けてゆくわけです。

それは気まぐれな自然に対する挑戦であり、完璧なもの、確かなものを極限まで追求する努力であるわけです。

ところが……
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そうやって苦労して作った精油所は、連日、原油価格が下がり続けるので、作った先から「無用の長物(white elephant)」と化しているのです!

一日の仕事を終えて、作業員の人たちとマイクロバスでキャンプに帰るとき、砂漠に沈む夕日を見ながら(なぜ原油価格は無慈悲に毎日、下がり続けるのだろう)と恨めしく思った記憶があります。

つまりどんなに誠心誠意、まじめに仕事をしても、我々はマーケット、ひいては経済そのものの変動ということからは逃れることは出来ないということなのです。

世の中は常に進歩、変化しているし、その過程では思わぬ犠牲者を生むものです。

実際、中東の仕事を終えて僕が日本に帰ってきた頃(80年代半ば)までには、プラントは構造不況業種(笑)というレッテルを貼られていました。

下は消費者物価指数のグラフですが、第二次オイルショックが起きた1979年以降、ピークをつけていることがわかります。

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つまり僕がプラント輸出の職を得たのは、たまたま原油高でプラント業界が空前の好況に沸いていたというラッキー以外の何物でもないのです!

そしてその後はインフレが鎮静化し、低金利になって行ったわけだから、株式ブームが到来します。僕が、畑違いの建設業から証券界に転身できたのは、もちろん僕の実力などではなく、ラッキーにほかならないのです。

だから僕はシャープとか東芝のニュースを見るにつけ、そこに働く人たちを気の毒に思います。(こんなはずじゃなかった!)と思っているに違いありません。これは僕自身が経験したことなので、他人事とは思えないのです。

僕がそのとき思ったことは、(自分は相場とか市況というようなコトが大嫌いで、なるべく賭け事に近寄らないようにしようと思って来たけど、経済そのものが「生き物」なのだから、真っ直ぐそれに対峙した方が良いのではないか?)ということです。

あえて自分が不得意なマーケットを相手にする仕事を選んだのも、そういう理由からです。

株をやれば、サラリーマンの視点からではなく、オーナーの視点から自分の会社や、日本という国を見直すことになります。

すると自分が身を寄せているカイシャや日本という国が、いかに濁流にながされている木の葉のように心もとない存在か? ということがわかると思うのです。

「相場とは、自分の意のままにならない、なにか別のちからに、自分が一生懸命稼いだ虎の子のおカネを、委ねてしまう行為だ」と書きました。

「自分のキャリアや人生を、100%コントロールできる」と考えるのは、我々の思い上がりに他なりません。

そうである以上、我々には「プランB」、すなわちカイシャ以外の代替案というか「雨の日のための蓄え」が必要です。

ましてや今日の世界経済では、給与の上昇のペースより金融資産の拡大のペースの方がはるかに早いです。だからマーク・ファーバーの言うように「生きるために投機する」というような生活態度は、チャラチャラしているどころか、生活防衛としてますます必要になってきているのです。

多くの場合、株式投資にとって時間は味方です。それは裏を返せば、早く始めた方が有利ということです。

もちろん皆さんが大学生くらいなら、「株への投資」より「自分への投資」の方がリターンが大きい場合の方が多いでしょう。

なお、ここで言う「自分への投資」とは、東京カレンダーに出ているようなオシャレなお店に出入りすることではありません。

もっと実利的な事、具体的には少しでも英会話が出来るようになって他の就活生より有利に就職活動を展開できる(=これは確実に、そうです)などの「自分への投資」を指しています。

でもカイシャに入って28歳くらいになれば、もう「自分への投資」はリターンを生まなくなります。なぜならカイシャというところは「全員横並びで競争させる」ところであり、キョーレツな平準化の力が圧し掛かってくるからです。

そのへんから、「カイシャに勤めている自分」という存在はキープしたままで、それ以外の、もうひとりの自分、つまり会社に捧げる以外の自分という準備をはじめなければいけないのです。

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